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年収で車の購入予算を決めるには?車の購入額は年収の何割が目安?
目次
車の購入額は年収よりも手取りで算出しよう

年収基準で車選びをする時に同時に考えておきたいことがあります。それは可処分所得、つまり手取りです。
会社員の年収は税金や保険料などが控除される(天引きされる)前の金額ですから、可処分所得(給与の手取りの金額)は年収よりも低くなるためです。
控除の内訳は基本的に次のようになっています。
控除項目 | 備考 |
健康保険料 | 支給額で変化 |
介護保険料 | 40歳〜64歳の被保険者から徴収 |
厚生年金保険料 | – |
雇用保険料 | 雇用全般に関する保険 |
所得税 | 所得に対してかけられる |
住民税 | 地域によって異なる |
ここでは具体的な可処分所得の計算方法を紹介しませんが、大まかな可処分所得は給与明細書や給与所得の源泉徴収書で確認可能です。手元にそれらが残っている方は一度確かめてみると良いでしょう。
年収240万円と500万円のケースを比較

可処分所得は年収によって変化します。ここでは30歳で一人暮らしで扶養家族無し、ボーナス無しの前提で年収240万円と500万円のケースを比較します。
年収240万円の手取りは約190万円
一例を挙げると、給与年収が240万円(ボーナス無しとする)の会社員・従業員の年間手取り額は約190万円、月換算で約15万円です。つまり、毎月15万円で家賃・食費・奨学金(教育ローン)・通信費などをやりくりすることになります。
家賃5万円のアパートに住んで一人暮らしをして、食費3万円で生活してスマホやWI-FIを契約すると、これだけで10万円前後の支出です。
年収240万円の人が仮に120万円のマイカーローン審査に通り、60回分割で支払うとすると金利を除いても毎月2万円の支払いが発生します。
そこに任意保険・車検・整備費用・駐車場代なども発生することを考慮すると、上記の年収・生活水準では難しいところがあるでしょう。
年収500万円の手取りは約390万円
年収500万円の会社員の可処分所得は約390万円です。毎月の手取り額は約32万円になります。先ほど例に挙げた生活費10万円を差し引いても22万円残ります。
250万円のマイカーローンを60回払いで組んだとしても金利を除けば約41,000円です。任意保険や整備費用などの支払いに困る可能性は、過剰な贅沢をしない限り、低いと考えられます。
年収が増えれば、おおかた解決できる
これらのケースを踏まえると、ある程度の年収を確保することが基本で、最終的には手取りの額と生活水準の設定まで考慮してはじめて、無理のない(身の丈に合わせた)支払い計画を実現できるとわかります。
カーローンは年収に大きく影響される
ただし、年収も重要な役割を果たします。年収はカーローン審査の項目の1つとなってます。世間一般、年収の半分程度の金額であれば、審査に通りやすいと言われているようです。
しかし、年収はあくまでも審査項目の1つであり、最終的には金融事故の有無や生活環境(家族と同居・一人暮らしなど)、勤続年数などの他項目などを踏まえて判断されます。
年収基準の車選びは、購入後の維持費で比較的無理をしなくて済む点でもメリットです。新車の車両価格が高ければ、整備費用や税金などの維持費も高い傾向にあるからです。
自身の年収に合わせた余裕のある車両を選ぶことで、キャッシュフローに頭を悩ませることなく車を維持できます。
年収が少ない時に車を購入・維持するための方法・工夫

収入が増えるあるいは貯金が貯まるまで車を購入しない選択肢もありますが、一部の人々は生活環境や家庭の事情などの理由で車を必要としています。年収の少ない人が車を購入・維持する術はあるのでしょうか。
最低限の目的を満たす車両を購入する
車を必要とする目的をよく考えることが大切です。例えば自宅から会社への通勤に車が必要というのであれば、車両価格・税金・整備費用のどれをとっても安上がりな軽自動車を選ぶべきでしょう。
この時、車種やデザインにあまりこだわらないことが大切です。ただ移動できれば良いのであれば、軽トラックで十分とも言えます。
軽自動車は軽量・低排気量で燃費性能にも優れる他、車体が小さく狭い道でも扱いやすいので初心者運転手にも扱いやすいです。
100万円以下の新車がありますし、30万円くらいで売られている中古車もあります。MOBY中古車検索で30万円以下の中古軽自動車を検索しますと、3万台以上掲載されています。(記事公開日時点)
分割回数を増やす
ローン金利は分割回数が増えると高くなるので早く返済したほうが良いのではと思いがちですが、分割回数を増やして毎月の支払額を必ず支払える範囲にするのもひとつの選択肢です。
日々のキャッシュフロー(収入と支出の均衡)で苦しむ可能性も低くなります。ただしこの場合、許容できる金利手数料を必ず決めるようにしましょう。
任意保険の補償内容を問題のない範囲で限定する
車のオーナーは一般的に、交通事故に遭う・起こした場合の補償対策として任意自動車保険に加入します。任意保険の補償内容は保険料に影響する要素の1つです。運転者限定特約で運転者を「契約者本人・配偶者」に限定することで、保険料が比べて安くなります。
その他、車両保険を付けない、走行距離区分のある契約にするなどの方法もあります。
料率クラスの低い車種を選ぶ
料率クラスは、各車種の任意自動車保険料の基本料金を決める物です。正式名称は「型式別料率クラス」。対人・対物・傷害・車両それぞれの補償区分を、前年の保険実績に応じて1〜17(自家用普通・小型乗用車)または1〜3(自家用軽四輪乗用車)のクラスで区分します。
ちょっとした整備なら自分で行う

ディーラーをはじめとする自動車整備業者へ整備依頼をすると、部品代に加えて工賃が発生します。専用工具や知識、そして時間を要する整備は高額です。別の言い方をすれば、自分で整備することで工賃を節約できます。
しかし、自動車の整備ミスは重大事故につながりかねないので、中途半端に整備をすることは推奨できません。自分で整備する際には、何があっても全て自分の責任になることを理解しておきましょう。
本当に必要な時だけ運転する(走行距離を減らす)
徒歩や自転車で移動できる範囲では自動車に乗らないようにするのも有効です。燃料代を節約できますし、徒歩や自転車での移動はちょっとした運動にもなりうるので健康・運動不足解消にも効果的。
ただし、自動車は機械ですので、長期間放置はあまり推奨されませんし、冬場ならバッテリーも上がりやすくなります。毎週1回は動かしましょう。
年収関係なく無理のない範囲で車選びを
生活水準は年収の増加と共に高くなる傾向にあるのは、みなさんご存知の通りです。
つまり年収と共に良い暮らし・食事など贅沢をして日々の生活費が増えれば、年収は増えても手元にお金があまり残らない場合も考えられます。
それを考慮すると、年収の半分の額の車をローンで購入するのもアリですが、手取り額に合わせる、敢えてもう少し安い車を選ぶことも、念頭に置きたいところです。
しかし予算の線引きはあれど、所有したい・欲しいと感じる車を購入することは一番大切なこととの意見もあります。社会的信用を失わず、生活を圧迫しない範囲で好きな車を選びましょう。
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