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トヨタ新型ヤリスクロスvs日産 キックス|SUVライバル車比較
2020年9月に発売開始となったトヨタ新型ヤリスクロスと、日産の新型コンパクトSUV・キックスを比較。先進安全・予防安全装備の違いや、スペック差などから、車選びのポイントを紹介する。
目次
トヨタ新型ヤリスクロスvs日産の新型SUV・キックス

9月に発売されたばかりのトヨタ ヤリスクロス。ヤリス(旧名ヴィッツ)から派生したコンパクトクロスオーバーSUVだが、車の見た目や性格は全く異なる。

キックスも6月に日本発売されたばかりの日産のコンパクトSUVだ。国内市場では初の発売となるが、海外では2016年から同モデル(2代目キックス)が販売中。日本ではe-POWER仕様のみが販売されている。
トヨタヤリスクロスと日産キックスのグレードと価格を比較
ヤリスクロスの グレード | 価格 | キックスの グレード | 価格 |
X Bパケ | 1,798,000円~ ※ガソリンのみ | – | – |
X | ガソリン:1,896,000円~ ハイブリッド:2,284,000円~ | – | – |
G | ガソリン:2,020,000円~ ハイブリッド:2,394,000円~ | – | – |
Z | ガソリン:2,210,000円~ ハイブリッド:2,584,000円~ | – | – |
– | – | X | 2,759,900円~ |
ヤリスクロスは大別して3グレード。キックスは現在「X」のみ。内装の異なる「X ツートーンインテリアエディション」もあるが、これはデビュー記念特別仕様車のような扱いと思っていい。

キックスはパワートレインが1種類のみで、価格帯もヤリスクロスより上だ。
ヤリスクロスの最上位グレード「Z」を考えているのであれば、キックスと比較してみてもいいかもしれない。
トヨタヤリスクロスと日産キックスのボディサイズを比較
– | ヤリスクロス | キックス |
全長(mm) | 4,180 | 4,290 |
全幅(mm) | 1,765 | 1,760 |
全高(mm) | 1,590 | 1,610 |
車両重量(kg) | 1,110~1,270 | 1,350 |
定員(人) | 5 | 5 |
両車、ボディサイズはほとんど同じ。全高はヤリスクロスの方が低く、1,600mmを切っている。高さ制限がシビアな駐車場の場合は確認してみよう。
トヨタヤリスクロスと日産キックスの主要装備・注目装備を比較
純正ナビ・オーディオ

ヤリスクロスには「ディスプレイオーディオ」が標準装備となる。オーディオレス仕様はない。ナビが欲しい場合は、トヨタ純正ナビ(110,000円)や、エントリーナビ(66,000円)を選択することになる。

キックスはオーディオレスなので、オーディオまたはナビを選択する必要がある。
車両価格にオーディオが含まれているという点では、ヤリスクロスの方がお得と言える。スマホのカーナビアプリや音楽アプリを車内でも使うという人なら、標準装備のディスプレイオーディオでじゅうぶんだからだ。
注意したいのが、CDやDVDを車内で楽しみたい場合。キックスのオーディオやナビはCD・DVD再生に対応するものを選べばよいが、ヤリスクロスのディスプレイオーディオはCD・DVDに対応していない。別途CD・DVDデッキをオプション選択する必要がある。
シートや内装
ヤリスクロスは最上位グレード「Z」のみ、合皮シートとなる。


対してキックスは「X」と「X ツートーンインテリアエディション」とで内装の印象が異なる。後者はダブルステッチで上質感がある。


運転席パワーシートはヤリスクロス「Z」にしか採用されていない。キックスはパワーシート非対応のため、必須としたい人は注意しよう。
駐車支援機能
両車とも、上から自車を見下ろしたような視界で駐車を支援する機能(トヨタは「パノラミックビューモニター」、日産は「インテリジェント アラウンドビューモニター」)はオプションで選択できる。
ヤリスクロスはこれに加えて、ハンドル、アクセル、ブレーキ操作を車が制御し、駐車操作をアシストする「トヨタチームメイト[アドバンスト パーク ]」も選択することができる。

これはトヨタ初の駐車支援機能で、ヤリスクロスではハイブリッドモデルでのみ選択可能なもの。狭い駐車スペースをよく使う人、縦列駐車の機会が多い人には心強い。
スマートミラー機能
ルームミラーに後部カメラの映像を映し出し、明るさや天気に関わらず後続車などの様子がはっきり見える、いわゆる「スマートミラー」は、キックスでのみオプションで選択できる。

日産の「インテリジェントルームミラー」は後続車の様子のほか、インテリジェント アラウンドビューの映像も映すことができる。
ハンズフリーバックドア
ヤリスクロスは、両手がふさがっていてもバックドアを開けることができる「ハンズフリーバックドア」がオプションで選択できる。
対象グレードは「Z」「G」のみで、オプション価格は77,000円。
トヨタヤリスクロスと日産キックスの先進安全装備・予防安全性能を比較
ヤリスクロスはトヨタの先進安全装備「トヨタセーフティーセンス」を、キックスは日産の先進安全技術「プロパイロット」を標準装備している。(ヤリスクロスのエントリーグレード「X Bパッケージ」を除く)
以下に、両車の主な安全装備をまとめた。
※◯=全車標準搭載、△=一部グレードではオプション、×=純正オプションなし
– | ヤリスクロス | キックス |
アクセル&ブレーキ&ハンドル制御 | ◯ | ◯ |
先行車への追従走行 | ◯ | ◯ |
はみだし抑制 | ◯ | ◯ |
ふらつき検知 | ◯ | ◯ |
衝突軽減ブレーキ | ◯ | ◯ |
低速時・近距離衝突軽減ブレーキ | ◯ | ◯ |
誤発進抑制制御 | × | ◯ |
ブラインドスポットモニター | △ | × |
後退時警戒支援 | △ | ◯ |
後方ブレーキ支援 | △ | ◯ |
アダプティブハイビーム | △ | × |
先進安全装備については、キックスはほとんどが標準装備。
オプション扱いになっているのは先述した「インテリジェント アラウンドビューモニター」「インテリジェント ルームミラー」程度だ。
ヤリスクロスで△になっている箇所は、「Z」「G」のオプションで選択できる。
車両価格差があるので、ヤリスクロスに先進安全オプションを付ける前提で検討してもよいだろう。その場合、キックスよりも総合的に安全性が高めることができる。
ヤリスクロス「Z」「G」にオプションを付けるのがおすすめ
ヤリスクロスの先進安全オプションで「ブラインドスポットモニター+リヤクロストラフィックオートブレーキ」を選ぶと、後方の安全性が高まり、キックスの安全水準とほぼ同等となる。
「Z」であればアダプティブハイビームを追加するのもおすすめだ。

試しにヤリスクロス Z ハイブリッドでこれらのオプションを追加した合計金額を算出してみた。
車両本体価格 | 2,584,000円 |
オプション価格 | 49,500円 99,000円 |
合計金額 | 2,732,500円 |
キックス「X」の車両価格は2,759,900円~なので、じゅうぶん比較してみる価値はある。
キックスはほぼフル装備なのでオプション選択の幅は狭い
先進安全装備および主要装備の面においては、キックスはすでに網羅されている車だ。したがって、選択できるオプション自体が少ない。
安全装備では「インテリジェント アラウンドビューモニター」「インテリジェント ルームミラー」、主要装備ではナビまたはオーディオ、ETCなどを検討する程度だろう。
トヨタヤリスクロスと日産キックスのエンジンスペックを比較
– | ヤリスクロス ガソリン | ヤリスクロス ハイブリッド | キックス |
排気量 | 1.5L | 1.5L | 1.2L |
最高出力 *kW[PS] rpm | 88[120] 6,600 | 67[91] 5,500 | 60[82] 6,000 |
最大トルク *N・m[kgf・m] rpm | 145[14.8] 4,800~5,200 | 120[12.2] 3,800~4,800 | 103[10.5] 3,600~5,200 |
モーター最高出力 | – | 前:59[80] 後:3.9[5.3] | 95[129] 4,000~8,992 |
モーター最大トルク | – | 前:141[14.4] 後:52[5.3] | 260[26.5] 5,000~3,008 |
トランスミッション | Direct Shift-CVT | CVT | – |
駆動方式 | FF 4WD | FF E-Four | FF |
燃料 | レギュラー | レギュラー | レギュラー |
キックスはe-POWERを採用している。エンジンは発電用なので一概に比較できないが、ヤリスクロスハイブリッドとのスペック差は排気量差に準じている、といった感じ。
反対にモーターは駆動用なのでキックスにトランスミッションはなく、パワーもヤリスクロスハイブリッドのものより強い。
ヤリスクロスは駆動用方式がガソリン/ハイブリッドともに、2WDと4WDを選択できるが、キックスは2WDのみだ。
四駆がほしいならヤリスクロス一択

キックスは2WDのみのため、4WDを望むならヤリスクロスを選ぼう。ヤリスクロスの四駆性能はガソリン車/ハイブリッド車、双方において特徴的だ。
ヤリスクロスの4WDモデルには、駆動力・4WD・ブレーキを最適にコントロールする機能が備わっている。雪国ドライバーやウインタースポーツ派には心強い。
ヤリスクロスのおすすめグレードについてはこちら
トヨタヤリスクロスと日産キックスの燃費を比較
-(km/L) | ヤリスクロス ハイブリッド | ヤリスクロス ガソリン | キックス |
WLTCモード(平均) | 27.8 ~30.8 | 18.8 ~20.2 | 21.6 |
市街地モード | 29.4 ~31.4 | 14.4 ~15.3 | 26.8 |
郊外モード | 29.9 ~33.5 | 19.7 ~21.3 | 20.2 |
高速道路モード | 26.1 ~29.0 | 21.1 ~22.5 | 20.8 |
キックスとヤリスクロスガソリンモデルのカタログ燃費は、かなり近い数値だ。
しかし、キックスは市街地モードの燃費がとてもいい。このことから、キックスは街乗りメインのユーザーにぴったりのSUVといえる。
反対に、ヤリスクロスハイブリッドは、全モードで総じて燃費がいい。ハイブリッドはキックスと価格差が少なくなるので、燃費重視で選ぶならヤリスクロスハイブリッドがおすすめだ。
トヨタヤリスクロスと日産キックスの減税額を比較
– | ヤリスクロス Z(HV) | キックス X |
重量税(エコカー減税) | 22,500円(免税) | 22,500円(免税) |
自動車税(グリーン化特例) | 22,500円(概ね75%) | 22,500円(概ね75%) |
減税額 | 45,000円 | 45,000円 |
減税割合の最も大きいハイブリッド車における、購入時の重量税・自動車税の減税額を算出したもの。どちらも同じ減税額だ。
ちなみに、ヤリスクロスのガソリン車は重量税、自動車税の減税はない。
トヨタヤリスクロスと日産キックスのリセールバリューを比較

両車とも今年発売されたばかりの新型車ということで、中古車市場やオークションにほとんど流れていないようだ。
インターネットの情報を参考にすると、そもそもコンパクトSUV自体が人気カテゴリなので、3~5年後のリセールバリューも比較的高い傾向にあるとのこと。
残価率の予想では、5年後は両車40%前後と、5年落ち乗用車の平均よりやや低め。5年乗るのであればあまり変わらないと言える。
しかし3年後のリセール残価率の予想は、ヤリスクロスが少しだけ高いようだ。まだ実績がないものの、トヨタのコンパクトSUVとしての人気が影響するものと思われる。
ポイントは、キックスのリセール残価に関しても、あまり下がらない予想が出ていること。国内でも人気の高いe-POWER仕様のみということで、今後中古SUVでも人気になってくるのではないだろうか。
実際に中古車が出回るようになってきたら、もっと詳しい情報を更新する。
【まとめ】ヤリスクロスの方がお買い得!
項目 | ヤリスクロス | キックス |
主要装備 | WIN! | – |
安全装備 | DRAW… | DRAW… |
車両本体価格 | WIN! | – |
パワートレイン | DRAW… | DRAW… |
燃費 | WIN! | – |
減税 | DRAW… | DRAW… |
リセール | ? | ? |
両車、甲乙つけがたい項目が多い。車両本体価格から判断すると、ヤリスクロスの方がお得感があるといえる。

先進安全については、ヤリスクロスに「ブラインドスポットモニター+リヤクロストラフィックオートブレーキ」や「アダプティブハイビーム」をオプションで追加するのがおすすめだ。
また、ヤリスクロスの4WDはオフロードや雪道にも強い。雪国ドライバーやウインタースポーツを楽しむ人におすすめできる。

キックスは現在1グレードのみ。オプション選択の幅が狭いが、ほぼフル装備なので不安要素はほぼないだろう。街乗りメインでe-POWERの走りを体感したいなら、試乗してみよう。
登場した車の中古車価格はこちら!
- 最新「ヤリスクロス」中古車情報
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本日の在庫数 1758台 平均価格 257万円 本体価格 158~422万円
- 最新「キックス」中古車情報
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本日の在庫数 121台 平均価格 60万円 本体価格 16~260万円
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- 執筆者プロフィール
- MOBY編集部
- 新型車予想や車選びのお役立ち記事、車や免許にまつわる豆知識、カーライフの困りごとを解決する方法など、自動車に関する様々な情報を発信。普段クルマは乗るだけ・使うだけのユーザーや、あまりクルマに興味が...