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【トヨタ タコマ総合情報】北米生まれのピックアップトラック!中古車価格や年間維持費
タコマはトヨタが製造する北米向けピックアップトラックのなかでも比較的小さなモデル。並行輸入車として購入しても国内トヨタ車と同じように維持することができます。現行型タコマの並行輸入新車や中古車価格、タコマを所有するうえでの維持費など、トヨタ タコマに関する情報を網羅しました。
目次
トヨタ タコマとは

タコマ(TACOMA)とはトヨタ自動車が北米向けに製造・販売しているピックアップトラックであり、日本では正規販売されていません。車名であるTACOMAとは、Salishインディアンの言語で「山に水を供給すること」を意味し「強さ、力」を表しています。
トヨタ逆輸入車についての記事はこちら
トヨタ タコマの歴代車種
先代モデルはトヨタ ハイラックス

出典:wikipedia.org Author:Fran Rogers パブリック・ドメイン
タコマはハイラックスの後継モデルとして誕生した経緯があります。1995年までトヨタが北米で販売するピックアップトラックの主力車種はハイラックスであり、アメリカで製造・販売していました。ハイラックスは1995年で北米での販売を終了し、コロンビア、アルゼンチンでの製造・販売へ切り替わりました。
ハイラックスについては以下の記事をどうぞ。
初代タコマ(1995~2004年)

1995年2月に米国で販売され、ハイラックスよりも乗り心地、取り扱い、快適性、積載量および頑丈さを向上させ、さらに安全性にも重点を置いて設計されました。
発売当初はレギュラーキャブ(2ドア)とエクストラキャブ(2ドア)のみでしたが、1998年からクルーキャブ(4ドア)が登場しました。搭載するエンジンは、3.4リッターV型6気筒DOHC24バルブ(5VZ-FE)、2.4リッター直列4気筒DOHC16バルブ(2RZ-FE)、2.7リッター直列4気筒DOHC16バルブ(3RZ-FE)の3種類です。
2代目タコマ(2004~2015年)

2代目タコマの開発はほとんどを日野自動車が行い、2004年2月4日のシカゴ・オートショーで発表し2015年まで製造・販売されました。
初代モデルから車体サイズが大きくなり、搭載するエンジンもサイズアップされ、4.0リッターV型6気筒DOHC24バルブ(1GR-FE)、2.7リッター直列4気筒DOHC16バルブ(2TR-FE)が用意されています。
第3世代タコマ(2015年9月~)

2015年にフルモデルチェンジした3代目タコマは、北米で販売されている2014年式の4Runner(トヨタ ハイラックスサーフ)、タンドラと共通した基本デザインを入れつつも、ヘッドライトやフロントグリルはタコマのオリジナル性を持たせています。
新開発の3.5リットルV型6気筒DOHC24バルブVVT-iエンジン(型式2GR-FKS)は、アトキンソンサイクルを使用しD-4Sシステムにより走行状況によって直接噴射に切り替える仕組みになっています。
3代目トヨタ タコマのモデル展開
SR

装備を簡素化した代わりに価格を抑えたエントリーグレード。おもにワークトラックとして用いられるため2.7L直4エンジンと2ドアキャビンモデルが多い傾向です。V6エンジンを搭載したモデルやダブルキャブモデルもラインナップします。画像はSR5です。
SR5


SRの装備を充実させたベーシックグレード。エンジンやトランスミッション、キャビンや荷台サイズの組み合わせが豊富であり、TRDオフロードパッケージやTRDスポーツパッケージなどのオプションも選択可能。イモビライザーやディスプレイオーディオなども標準装備です。
TRDスポーツ


ビルシュタイン製ショックアブソーバーで足回りを固めたスポーツグレード。17インチの専用大径ホイールを装備とスポーティなボンネットダクトが特徴です。2020年モデルからレザーシートやサンルーフなどを追加した「プレミアム」が追加されました。
TRDオフロード


車高が高められたオフロードスポーツグレードです。ビルシュタイン製ショックアブソーバーと、電子制御リアデフを搭載し悪路走破性能を向上。オーバーフェンダーと専用16インチアルミホイールも装備。2020年モデルから豪華内装の「プレミアム」が追加されています。
リミテッド


豪華なインテリアが特徴のトップグレードです。レザーシートやスライドムーンルーフ、JBL製オーディオシステムなどが標準装備。車内全席の温度をモニタリングし、自動で温度調節をおこなうクライメートコントロールも搭載されます。
TRDプロ


TRDオフロードの上位版となる本格的なオフロードスポーツグレード。米FOX製ショックアブソーバーは、TRDによってチューンが施されるほか、TRD製エキゾーストシステムや、車体下部を守るスキッドプレートなど専用装備によって各部が強化されています。
3代目トヨタ タコマのスペック
ボディサイズ
全長 | 5,392〜5727mm |
全幅 | 1,889〜1,910mm |
全高 | 1,793mm |
ホイールベース | 3,235mm |
車両総重量 | 2,540kg |
乗車定員 | 4〜5人 |
エンジンスペック
エンジン種類 | V型6気筒DOHCエンジン | 直列4気筒DOHCエンジン |
排気量 | 3.5L | 2.7L |
最大出力 | 207kW [281PS] / 6,000rpm | 118kW [161PS] / 5,200rpm |
最大トルク | 359N・m [36.6kgf・m] / 4,600rpm | 244N・m [24.9kgf・m] / 3,800rpm |
トランスミッション | 6速AT 6速MT | 6速AT 5速MT |
駆動方式 | 4WD FR | 4WD FR |
使用燃料 | ハイオク | ハイオク |
3代目トヨタ タコマの日本国内での新車販売価格
モデル名 | 価格 |
SR5 4WD ダブルキャブ V6 6速AT | 478万円 |
TRDスポーツ 4WD ダブルキャブ V6 6速AT | 478万円 |
カナダモデル 4WD ダブルキャブ V6 6速AT | 488万円 |
TRDオフロードパッケージ 4WD ダブルキャブ V6 6速AT | 493万~568万円 |
TRDオフロード 4WD ダブルキャブ V6 6速AT | 503万~568万円 |
TRDプロ 4WD ダブルキャブ ロングベッド V6 6速MT | 528万円 |
TRDスポーツプレミアム 4WD ダブルキャブ V6 6速MT | 538万円 |
TRDオフロードプレミアム 4WD ダブルキャブ V6 6速AT | 565万円 |
TRDプロ 4WD ダブルキャブ V6 6速AT | 685万~688万円 |
※2020年6月23日時点でのグーネットでの価格を参考にしたもの
トヨタ タコマの日本国内での中古車販売価格と購入の注意点
年式と中古車価格
年式 | 価格 |
2016年 | 438万円 |
2017年 | 375〜580万円 |
2018年 | 458万円 |
2019年 | 598万円 |
購入時はメーターバックされていないか必ず確認を
タコマの並行輸入車は、日本に輸入される前に走行距離を戻されている可能性があります。日本の中古車市場では、走行距離を不正表示・巻き戻しすることに対しては厳重注意されておきながら、国外の整備記録や走行履歴においては基本的に不問とされています。
タコマの中古車は、北米のユーザーが乗っていた中古車を日本に輸入する専門のバイヤーによって仕入れられるのですが、タコマの中古車が日本に入る前に悪質なメーターバックをしていることがあります。
アメリカのドライバーは年間3万~5万kmを走行するといわれ、タコマには10万kmオーバーの多走行車が多数存在します。しかも、州によって違いますがアメリカは車検制度がないところが多く、整備については自己責任です。そうなれば、整備記録も怪しいところは多数です。
どのようにして総走行距離が改ざんされていないか確認するためには、車一台一台につけられているVINナンバー(シリアルナンバーとも呼ばれる)で、アメリカでの履歴を調べることができます。中古車を購入する前には、VINナンバーの代理店に確認をしてもらうことをおすすめします。
3代目トヨタ タコマの実燃費
アメリカの燃費口コミサイトによると、2.7L直4エンジン搭載車の口コミが8.5km/Lと9.6km/Lなので、間をとって9.0km/L。3.5L V型6気筒エンジン搭載車は7.3km/L、8.9km/L、6.8km/Lから平均をとり7.6km/L。
よって、それぞれの実燃費は2.7L直4エンジン搭載車が9.0km/L、3.5L V6エンジン搭載車が7.6km/Lほどとなるでしょう。
トヨタ・タコマの維持費
タコマは乗用車ではなく貨物車(1ナンバー)で登録されることが多いです。車検の期間が2年から1年へとなりますが、節税対策で1ナンバーが年間維持費が数万円安くなるからです。ここでは貨物車(1ナンバー)登録した際の年間維持費を計算していきます。
税金
エンジンオイル費用
一般的に3,000kmに1度のエンジンオイルと5,000kmに一度のエレメント交換をするといわれています。
15,000km走行すれば、5度のエンジンオイル交換と、そのうちの3度がオイルフィルター交換も含まれることになります。 これを、年間10,000km走行した場合に換算して、エンジンオイル代を試算してみたいと思います。
まず、タコマのエンジンオイル容量はV6エンジンで5.2L(エレメント交換時)、直4エンジンで5.8L(エレメント交換時)です。
トヨタ純正エンジンオイル「キヤッスル SN/CF 5W30 20L」、トヨタ純正エンジンオイルフィルター、そして工賃はオイル交換で3,500円、オイルフィルター交換込で4,500円とします。
※工賃の価格はディーラーで行った際の相場を参考。依頼するお店によって工賃は異なってきます。
トヨタ純正エンジンオイル「キヤッスル SN/CF 5W30 20L」11,505円
トヨタ純正エンジンオイルフィルター1,680円(定価)
エンジンオイル交換工賃:3,500円
エンジンオイル・オイルフィルター交換工賃:4,500円
15,000km走行でエンジンオイル・エンジンオイルフィルター交換代の総額は、V6エンジンで40,496円、直4エンジンで42,222円です。これを10,000kmに換算して年間のエンジンオイル・オイルフィルター交換代は、V6エンジンで28,148円、直4エンジンで29,667円です。
年間のガソリン代
タコマで年間10,000km走行した時のガソリン代はいくらになるか計算してみましょう。上記で求めた実燃費を参考にして、レギュラーガソリンを給油した場合に年間のガソリン代を計算してみます。
●タコマ/2.7L直4エンジン搭載車
10,000[年間走行距離(km)]÷9.0[実燃費(km/L)]×135[リッターあたりハイオクガソリン価格(円)]=150,000円
●タコマ/3.5L V6エンジン搭載車
10,000[年間走行距離(km)]÷7.6[実燃費(km/L)]×135[リッターあたりハイオクガソリン価格(円)]=177,631円
よって、2.7L直4エンジン搭載車で150,000円、3.5L V6エンジン搭載車で177,631円になります。
※2020年6月23日時点でのハイオクガソリン価格です。
年間の総維持費
タコマを1ナンバー登録すれば、1年に一度の車検が必要になります。車検の時にお店で払う手数料を20,000円としたとき、総維持費は以下のようになります。
2,7L直4エンジン搭載車 | 3.5L V6エンジン搭載車 | |
自動車税(1年分) | 16,000円 | 16,000円 |
自動車重量税(1年分) | 12,300円 | 12,300円 |
自賠責保険(12ヵ月) | 23,970円 | 23,970円 |
ガソリン代(年間10,000万km) | 150,000円 | 177,631円 |
エンジンオイル交換(年間10,000km) | 29,667円 | 28,148円 |
車検時の修理・手数料 | 20,000円 | 20,000円 |
合計金額 | 251,937円 | 278,049円 |
年間の総維持費は、2.7L直4エンジン搭載車が235,270円、3.5L V6エンジン搭載車が258,312円です。実際に所有したときの維持費は、これに任意保険、駐車場代、オイル交換以外のメンテナンス代など含めた金額必要になるでしょう。
3代目トヨタ タコマの評価
インターネット上の口コミ、評価を調べると、意外なほど乗りやすいという意見が見受けられます。
代表的な評価は次のようなものがあります。
速いというわけではないが、ピックアップトラックにしては楽しく運転できる
https://www.youtube.com/watch?v=jrg7Qhh0uK4
ブレーキが怖いほど効く
https://www.youtube.com/watch?v=jrg7Qhh0uK4
大きさのわりに運転はしやすい。日本の道路でも悠々と運転できる
https://www.youtube.com/watch?v=PLmAll_h6KE
TRDプロの足回りは、空車でもリアが跳ねない
https://www.youtube.com/watch?v=PLmAll_h6KE
海外向けとはいえ、シートはそれほど大きくない。日本人にもちょうどよいサイズ
https://www.youtube.com/watch?v=PLmAll_h6KE
質感と走行性能はタコマで十分
オフロードの操作性や、インテリアの質感・操作性での評価は高いですが、ブレーキの効き方とシフトタイミングの遅さは車体の作りとして気になるところです。この辺りは、今後改善が必要でしょう。
しかし、性能や豪華さは十分で、最上級クラスのトヨタ・タンドラまで買わなくても所有感・質感・走行性能は満足いくと思います。
トヨタ タコマのカスタムカー
バック・トゥー・ザ・フューチャー仕様

2015年10月21日は、映画「バッグ・トゥー・ザ・フューチャー」の中でエメット・ブラウン博士、マーティ・マクフライ、ジェニファー・パーカーの3人が1985年からタイムスリップしてやってきた日であり、トヨタが記念して制作したタコマのチューニングカーです。
このタコマが、マーティ・マクフライ(マイケル・J・フォックス)が劇中の中で乗っていたタコマに似せたリメイクであり、ブラックのボディペイントにドライビングランプ、TRD製ホイールを装着したタコマは非常にカッコいいです。
タコマ・バハ1000レーサー

2011の北米国際オートショーで公開された、ロングビーチレーサーのタコマです。これは、Baja1000レースに出場する純粋なラリーレーサーでした。エンジンは800馬力までパワーアップされ、足回りにはビルシュタイン製のサスペンションと、TRDオリジナルのホイールが装備されています。
トヨタ タコマが欲しくなってしまう動画
トヨタが配信するタコマのコマーシャルムービーを紹介します。これを見れば、タコマが欲しくなってしまうかもしれません。
北米市場でシェアを伸ばせるか注目
トヨタ タコマについて紹介していきました。アメリカでは2016年にピックアップトラックが1,044万台も販売された巨大市場です。トヨタのピックアップトラックの売れ行きは、タコマは2016年の売上19万台、タンドラで11万台であり、トヨタはまだまだシェアが少ないのが現状です。
一方でGMやフォードがシェアを圧倒しており、2016年にフォードF-150だけで82万台も売れています。今後もアメリカメーカー優勢の市場であることは覆らないと思いますが、タコマがアメリカ人に受け入れられるように今後も改良と進化をしてほしいところです。
そして、トヨタが北米ピックアップトラック市場でシェアを伸ばしていくことを期待したいです。
ピックアップトラックについての記事はこちら
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