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トヨタの本気!2021年7月以降に完全電気自動車を展開する?
トヨタの北米法人であるTMNA(トヨタ・モーター・ノース・アメリカ)は2021年2月10日に、年内に電気自動車(EV車)を2台、プラグインハイブリッド車(PHV車)を1台、合計3台の電動化されたモデルを北米市場に投入する計画を発表しました。
アメリカ市場で3車種の電動自動車(EV)を導入

トランプ前大統領の時には、ガソリン車やディーゼル車(以下ガソリン車に統一)に対し大きな規制が行われていなかった北米市場で、現職のバイデン大統領に変ったことを契機に、規制が強まることを懸念した動きとして捉えることができます。
北米市場では、まだガソリン車の需要が高く、ラインナップの半分は純然たるガソリン車というモデルが多くあります。その一方で、ヨーロッパや、日本、中国など規制が進む国に対しては、異なるプラットフォームやユニットを提供するなど、さまざまなアクションが進められてきました。

トヨタが進めるTNGA(トヨタ・ニュー・グローバル・アーキテクチャ)の中に、e-TNGAがカギを握っているといってよいでしょう。
e-TNGAプラットフォームは、国内では、GA-C(グローバル・アーキテクチャ・コンパクト)や、GA-Bなどという形でデビューし、プリウス、C-HR、ヤリスなどかなり普及している身近なものになっています。

国内企業のEV社会への出遅れが叫ばれていましたが、そのイメージを打破することも可能な状況です。トヨタの先見性は、燃料電池車(FCV車)においてもけん引役となっていることで、主導権を握ることができるのか、今後の動きに注目です。
導入されると噂される車種は?

国内では、トヨタが2020年12月に「C+pod(シーポッド)」という小型EVを発表しました。
車両を簡単に説明すると、超小型コミューターで、肥大化する軽自動車の車両制限を先祖返りさせたような仕様になっています。
アメリカにおけるトヨタの販売車種は、人気車種のハイランダーや、カムリが既にHVモデルをラインナップされ、今後のデビューが続々と控えていると発表された状況です。

2019年6月に行われたメディア向け説明会「EVの普及を目指して」で発表されたコンセプトモデルのどれかが今回のEV車やPHV車の車両として話が進むものと思われます。
コンセプトモデルのデザインを見る限りは、ハイランダーやタンドラといった大型SUVではなく、子育て世帯に人気のシエナなヴェンザ、根強い人気のカムリやプリウスのような、中型クラスのミニバン、セダン、SUV系の車両であることが伺えます。
競合メーカーの動向は?

トヨタ以外のメーカーは、電動化に向けどのような動きをしているのでしょうか。
スバル

スバルは、トヨタとプラットフォームを共有したフォレスタークラスの中型SUVをヨーロッパ向けに準備している様子です。
マツダ

マツダは、自社初となるEVモデルMX-30をデビューさせ、電動化への足掛かりをつかんだ状態といえます。
ホンダ

ホンダは、ホンダeを発表するなど、動きを活発化しています。しかし、計画販売台数1,000台では、量産車とはいえないでしょう。
日産

日産は、既にリーフなどのEVモデルを販売し、アリアなどの販売も控えている状態です。バイデン政権の動向に対応するべく、「環境チーム」を発足したという発表もしています。

また、ノートやキックスを筆頭にe-POWER車のラインナップも拡充しています。
テスラ

今現在、アメリカの電気自動車といえばテスラといっていいでしょう。テスラは、米テキサス州・オースティン、ドイツ・ベルリンに工場を作り、増産する計画があるようです。
GM(ゼネラル・モーターズ)

GMは、かなり大きな動きを見せているメーカーのひとつです。2020年11月には、アメリカのGM(ジェネラルモータース)が、約2.8兆円(270億ドル)を電気自動車開発費として5年間かけ投資しているという発表があり、GM系となる「キャデラック」「GMC」「シボレー」「ビュイック」など、全てのブランドが含まれています。
最近では、2025年までに30車種のEVを世界展開すると発表するなどしています。
その他大手メーカー

国内メーカーや海外メーカーも続々と事業計画を進めています。ヨーロッパ系では、多額の補助金が導入され、その勢いを加速させています。フォードや、VW Groupでは、EVの自社開発を進めているようです。
参入企業も続々か?

アップルやソニーなど、今まで部品単位の提供に留まり、自動車との関わり合いが薄かった企業などが、電気自動車のコンセプトカーを作るなどの状況で、100年に1度の変革期と呼ばれるだけの大きな変化を感じます。
日本導入の可能性は?

これらの車両が日本導入となる可能性は低いのではないかと考えます。
近年の世界市場向けの車を中心に生産する姿や、車両の名前を共通化するといった流れも多く、可能性はあるといった具合で考えておくとよいのではないでしょうか。
自工会の会長も務め、トヨタ自動車の社長である豐田章男氏の、カーボンフリー政策への発言もあり、ネガティブな印象が強く報道されましたが、EV化を進めないと言っているわけではありません。今後の動向次第では、トヨタが覇権を握る可能性もあり、注目です。
- 執筆者プロフィール
- MOBY編集部
- 新型車予想や車選びのお役立ち記事、車や免許にまつわる豆知識、カーライフの困りごとを解決する方法など、自動車に関する様々な情報を発信。普段クルマは乗るだけ・使うだけのユーザーや、あまりクルマに興味が...