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スズキ車をブガッティがデザイン?幻のスポーツカー「ESPRESSO」計画
ブガッティとスズキの意外な接点

最高速度400km/h以上、車両価格1億円以上などすべてが破格のハイパーカー「ヴェイロン」や、その後継モデルである「シロン」などを生産・販売している超高級スポーツカーメーカーがブガッティです。
一方、最高価格400万円以下、累計販売台数2,500万台以上など、トヨタに並んで日本を代表する小型車メーカーといえばスズキですね。
この両社に接点はないように思えますが、実はかつて、ブガッティが設計したスポーツカーがスズキから登場する可能性があったことをご存知でしょうか?
イタリア版カプチーノを新設計

スズキはかつて、軽自動車のオープンスポーツカー「カプチーノ」を生産・販売していました。
ロングノーズ・ショートデッキ、エンジンを縦置きに搭載したFRレイアウトなど、軽自動車でありながら本格的なスポーツカーとして今なおカルト的な人気を誇っています。
日本独自の規格である軽自動車として製造されましたが、イギリスやドイツなどでも販売していました。イタリアでは安全基準を満たさなかったため、販売できなかったようです。

そこで、イタリアでスズキ(と、フェラーリ)の販売を手掛けていたロマーノ・アルティオーリが、イタリアでもカプチーノを販売できるように新たな車のプロジェクトを1992年に始動しました。その車が「エスプレッソ(ESPRESSO)」です。
ブガッティデザインのスズキ車「エスプレッソ」


エスプレッソは、カプチーノ同様の寸法で660ccエンジンを搭載する取り外し可能なルーフを備えたオープンカーですが、カプチーノとの大きな違いはミッドシップであること。
この車は、ロマーノ・アルティオーリが所有していたあるブランドがデザインをおこないました。そのブランドがなんとブガッティだったのです!
ブガッティがデザインしたエスプレッソは、スーパーカーを思わせる流れるようなボディラインと、ミッドシップであることを主張するトンネルバックのスタイルとなっています。

マツダがかつて販売していた軽スポーツカー、AZ-1をもとにエスプレッソの寸法を検討していたことも分かります。


スズキの価格でブガッティが買えたかもしれない・・・なんとも夢のあるプロジェクトですね。
現在生産されているのは「S-PRESSO」

余談ですが、スズキは現在インド市場において「エスプレッソ」を販売しています。しかし、この車は小型SUVで綴りは「S-PRESSO」です。
わざわざ「ESPRESSO」ではなく「S-PRESSO」とした理由・・・かつての「ESPRESSO」と無関係であることはないでしょう。
ロータス エリーゼ誕生のきっかけはスズキ カプチーノ?

残念ながら、その後エスプレッソのプロジェクトはキャンセルとなってしまいました。そしてブガッティも1995年に倒産(後にVW傘下として復活)。名車になれたかもしれないエスプレッソは、日の目を見ないまま消えていったのでしょうか?
実は、ロマーノ・アルティオーリは1993年にロータスを買収。買収後に初めて登場したのは、エスプレッソに非常によく似た、軽量かつミッドシップの取り外し可能なルーフを備えたスポーツカー「エリーゼ」でした。


スズキ カプチーノが生まれていなければ、ロータス エリーゼも生まれていなかったのかもしれません。
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- MOBY編集部
- 新型車予想や車選びのお役立ち記事、車や免許にまつわる豆知識、カーライフの困りごとを解決する方法など、自動車に関する様々な情報を発信。普段クルマは乗るだけ・使うだけのユーザーや、あまりクルマに興味が...