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ポルシェの新車登録台数が過去最高に!コロナ不況でなぜ売れた?
ポルシェの国内新規登録台数が過去最高を記録

©Alexey Novikov/stock.adobe.com
ポルシェジャパンの発表によると、2020年における日本国内での新車販売台数が過去最高の7,284台を記録したという発表がありました。
ちなみに2019年は7,192台でしたが、そもそもコロナ禍において販売台数が減少していないこと自体、凄いことといえます。
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なぜコロナ禍でポルシェが売れたのか

ポルシェジャパンの分析によれば、2019年7月にモデルチェンジした「911」を中心とした、2ドアスポーツモデルの売り上げが好調だったことと、同年4月に販売開始したSUV「カイエン」クーペモデル「カイエンクーペ」の貢献があったとしています。
それに加え、自動車市場全体として高いSUV人気も要因の一つとしてあげられます。SUVブームの中、新たに追加されたカイエンクーペが売れるのは必然といえます。
2ドアスポーツモデルが好評だったこと、SUV人気の市場ニーズに合致した商品展開を行ったことの2つが合致したことが、ポルシェが売れた大きな理由だと考えられます。

ランボルギーニ ウルスや、アストンマーティン DBX、ベントレー ベンテイガなど、各自動車メーカーがデザインコンシャスな高級SUVを発表する前にデビューしたカイエン。
当時は、ボルボ・XC90や、VW・トゥアレグ、キャデラック・エスカレードなどデザイン性を重視しながらもどこか無骨なSUVが中心で、ポルシェがSUVを出すというだけで話題になった車種でもあります。
デザインコンシャスなSUVの元祖ともいうべき車種が、今でも人気であることが伺えます。
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輸入車全体の売上はどうだった?
2019年度上半期 (2019.4~2019.9) | 2020年度上半期 (2020.4~2020.9) | 前年度比 |
---|---|---|
151,661台 | 112,273台 | 74% |
上記の表は、日本自動車輸入組合が発表する2019年と2020年の上半期における輸入車(海外メーカーのみ)全体の新規登録台数推移です。
表によると、2020年上半期(4月~9月)では輸入新規登録台数が11万2273台(乗用車)となっており、前年比の74%と落ち込む結果となっています。
乗用車の登録台数は、トップのメルセデスベンツが25,256台で前年比79.6%、2位のVWが16,413台で前年比69.8%、3位のBMWが15,812台で前年比の65.5%となっています。
各メーカーが軒並み前年比の7割前後を推移している中、ポルシェは3,452台で9位となっており、前年比93.6%とほぼ横ばい。安定した供給がなされていた状態といえるのではないでしょうか。
他にはどんなメーカーが売れていたのか
日本自動車輸入車組合の発表を基に、90%以上の前年比があったメーカーは、シトロエン(仏)、ベントレー(英)、フォード(米)、ロータス(英)となっています。
ベントレーのような高額な車や、ロータスのようにレーシングカーにナンバーを付けたような車は、普段なかなか見ることはありません。元々の販売台数も多い方ではなく、90%前後の前年比がありますが、たくさん売れたというよりは、趣味性が強く買いたい人が買ったと思ってよいでしょう。
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フォードやシトロエンも健闘していた!

それよりも、フォードとシトロエンが健闘したといえるのではないでしょうか。フォードの販売の核となる車種は、エクスプローラ(SUV)や、マスタング(スポーツカー)などがあります。それだけでなく、プラグインハイブリッドの、クーガなどもあり世界的に流通量が多い車種が多くあるのが特徴です。
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また、シトロエンC3などは、日本の街中でよく見かけるのではないでしょうか。標準モデルだけでなく、日本限定モデルや、流行のクロスオーバータイプもあり、カラーオプションも自由自在で、好みの1台に最初からすることができるのがポイントです。
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コロナ渦でクルマの需要は高まっている

コロナ渦によって経済が疲弊しているといった話題や、医療問題、国交問題など、日本においてはオリンピックに関する問題まで、様々な問題を抱えています。
また、カーボンフリーをはじめとする燃料問題もあり、ガソリン車を買うなら今のうちという需要もあるのではないでしょうか。
コロナだから車が売れないという話も聞くことはあるものの、中古車も軒並み値上がりの方向を示しており、公共交通機関や、カーシェアは不安という人が買い求めることも増えたという話も耳にします。
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実際のアンケートでも自動車需要が増加したという結果がでている
これらを加味すれば、コロナが蔓延したことで車の需要は高まっていると捉えることもできるのではないでしょうか。
昨年、トヨタが出資しているデルフィスという企業が実施したアンケートでも、コロナ禍で自動車のニーズが増加したという結果が出ています。
詳細はこちらで詳しく紹介しています。
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- 執筆者プロフィール
- 渡辺 喬俊
- 1986年生まれ、元システムエンジニアからクルマ業界へ転身、社外品サスペンションの試作や、ドライビングサポートのセンサー部品テストドライバーの仕事を経験。愛車はSW20 MR2とBP5 レガシィ。壊れない車が欲し...