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日産シルフィも生産終了か…60年以上続くブルーバードの系譜に終止符
日産のセダン、シルフィが生産終了するという噂が浮上してきました。10日にはシルフィの生産工場で勤務していた方からのリーク情報もあり、この噂はより確実性を増しています。
シルフィといえば日産の旧車セダン「ブルーバード」の系譜を継ぐ車種で、その歴史は60年以上。日産が現在発表している戦略や販売台数の低迷、セダン不況の影響など、生産終了の理由を考察・解説します。
60年余の歴史に幕?現行セダンは高級セダンのみに

日産のセダン、シルフィが販売車種の絞り込みで生産を終了する、という読者からのリーク情報が入ってきました。また、シルフィの生産工場に勤務していた方からの情報では、2020年9月中にすでに生産終了が決定している様子。
販売が終了する具体的な時期は明らかとなっていませんが、すでに在庫限りの販売になっているとのことです。
シルフィが日産のラインナップから姿を消すことになると、セダンにはスカイラインをはじめ、シーマ・フーガなど高級モデルのみとなります。
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”事業構造改革計画”の一環か
2019年、日産は収益性を重視しながらコストを最適化することで、持続的な成長と安定的な収益の確保を目指す2023年度までの4カ年計画を発表しています。
この計画では、「選択と集中」がキーワードとなっており、不採算事業と余剰設備の整理に重きをおいています。
セダン人気低迷も大きな理由
かつては自動車といえばセダンでしたが、現在は現在の新車販売において人気車種とはいえまず、売上を伸ばすことが難しい状況。”セダン不況”と言われることも多々あります。
一方、SUV・ミニバンの人気は顕著で、多くのメーカーがSUVモデルの開発に注力している状況。最近の日産は電動SUVのアリアがプッシュしています。

トヨタを代表する高級セダン「クラウン」も、このセダン不況を受けて生産を終了するかもしれないという噂が浮上しているほど。シルフィの販売台数はクラウンよりもはるかに少ないため、絞り込みを行うのは妥当な判断とも言えます。
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過去3年間のシルフィの販売台数
2020年 | 2019年 | 2018年 | 2017年 | |
1月 | 93 | 210 | 158 | 190 |
2月 | 102 | 210 | 247 | 346 |
3月 | 150 | 215 | 339 | 555 |
4月 | 55 | 110 | 181 | 157 |
5月 | 65 | 158 | 200 | 241 |
6月 | 87 | 181 | 186 | 281 |
7月 | 81 | 127 | 178 | 216 |
8月 | 89 | 105 | 150 | 179 |
9月 | 90 | 176 | 202 | 223 |
10月 | – | 72 | 178 | 78 |
11月 | – | 92 | 136 | 142 |
12月 | – | 124 | 130 | 115 |
年間 | 812 | 1,780 | 2,285 | 2,723 |
日産が公表している統計によると、2020年の販売台数は直近3年間で約70%減少しています。2019年の合計販売台数は、日産のSUV「エクストレイル」の1ヶ月の販売台数(2020年11月は1,869台)とほぼ同じ数値です。
日産 シルフィとは

出典:wikipedia.org Author:TTTNIS Public Domain
シルフィは日産がグローバルセダンとして発売したモデルで、日本では主に60代をターゲットとしています。ちなみに車名の「シルフィ」は、四大精霊のひとりである風の精を表す英語「シルフ」からの造語です。

日産が1959年から生産していた「ブルーバード」の後継として、2000年に登場。2代目までは「ブルーバードシルフィ」の名で販売されており、通算で数えると61年間も続くロングセラーセダンです。
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ブルーバードといえば最大のライバル「トヨタ コロナ」と熾烈な販売競争を行ったことでも知られており、それぞれの頭文字をとって「BC戦争」と呼ばれました。

国内販売はされていませんが、中国市場では2019年4月に4代目が発表され、同年7月に販売を開始しています。
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日産シルフィ生産終了のまとめ
シルフィの販売台数は?売れてる?売れてない?
日産が公表している資料によると、シルフィの販売台数は2017年から2020年にかけておよそ7割減。2019年の年間販売台数は、エクストレイルの月間販売台数と同程度にまで落ち込んでいます。
こうした背景から売れているとは言えず、今後もセダン人気の降下によってさらに販売台数は減少していくと思われます。詳しい推移はこちらで解説しています。
今後のシルフィはどうなる?
現在日産では採算の取れない車種を整理し、主力車種に予算を注ぐ施策をとっています。そのため、人気が低迷しているセダンのラインナップを整理するためにシルフィを生産終了するのは合理的だと言えるでしょう。
記事内ではシルフィ生産終了を3つの観点から考察しています。詳細はこちらから!
シルフィの生産終了が噂される理由
いくつか理由が考えられますがセダンは現在の新車販売において人気車種とはいえませんし、国内市場だけでは販売・売上を継続するのが難しくなっています。
シルフィが生産終了になる理由としては、日産が開発車種の絞り込みを進めていることが挙げられます。
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