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【日産スカイラインGT-Rオーテック40th】パトカーにも採用された4ドア稀少車
目次
独特の架装はオーテックならでは!その歴史とは

株式会社オーテックジャパンの設立は1986年。日産のコンプリートカー・特殊車両・福祉車両の開発や製造などを行うことを目的に誕生しました。初代社長にはスカイラインの開発製造責任者を長年務め、ミスター・スカイラインとして知られる桜井眞一郎氏が就任。社名となったオーテックとは「大手を食う企業になること」を願い、当時の日産社長が命名したのです。
オーテック社員には、日産の企画開発部門やTV「西部警察」などで特殊車両を手掛けた技術系が多く、独特の架装やカスタム・ドレスアップにかけては往年の日産ファンからも一目おかれる存在。内外装にクラフトマンシップを施した「ボレロ」「ライダー」「アクシス」シリーズをはじめ、高機能の救急車や福祉車両も手掛けています。
2017年11月、日産は新しいプレミアムスポーティブランドである「AUTECH(オーテック)」の国内投入を公式発表。NISMO(ニスモ)とともに日産のサブスポーツブランド2本柱として展開していくことを決定しました。今後は既に発表済み日産モデルの「オーテック」シリーズを随時増やしていく予定としています。
スカイラインGT-Rオーテック40thは9代目に設定された稀少車


スカイライン GT-R オーテック 40thは、正式名称を「スカイライン GT-R オーテックバージョン 40th アニバーサリー」とし、1997年のデビュー。9代目スカイラインR33型に設定されたGT-Rで、生産台数400台あまりの稀少車です。R33型GT-Rは型式「BCNR33型」で、16年ぶりに復活した第2世代GT-R・BNR32型の後継車として誕生。先代よりボディ・ホイールベースを拡大することで、居住性の高さとハイスペックでも安定した走行性能を確保しています。
BCNR33型GT-Rには通常車に加え、GT-R第2世代を代表する限定車が存在。その限定車にはル・マン24時間参戦レース記念車「LMリミテッド」、NISMO開発の「400R」、本記事で紹介する「GT-R オーテック 40th」などがラインナップしています。
スカイライン GT-R オーテック 40thは、スカイライン生誕40周年を記念し東京モーターショーにて初披露。初代GT-RのPGC10型以来となり、第2世代では唯一の4ドアGT-Rとしています。コンセプトは「大人のための最高性能スポーツセダン」。そのコンセプト通り居住性の高さを確保するため敢えて4ドアとしたボディは、単に4ドア流用デザインでなくリアドア・リアフェンダーをプレス型から専用で制作。その制作の理由はGT-Rの特徴でもあるブリスターフェンダーを4ドアGT-Rでも忠実に再現するためのものでした。
パトカーにも採用!高スペックはそのままに4ドア化を実現

日産 スカイライン GT-R オーテックバージョン 40th アニバーサリー パトカー

スカイライン GT-R オーテック 40thは、一見すると4ドアであること以外、その見た目の印象は2ドアと見間違うほど。このことはオーテックが渾身のクラフトマンシップで2ドアの印象を4ドアGT-Rで忠実に再現した結果だと言えるでしょう。いざ乗り込めば4ドアとなった分リア部は優雅で、リアシートにも専用バケットシートを採用することで余裕のある後席2人乗りとし、乗車定員は4人。このあたりの仕上げはまさにオーテックの真骨頂と言えます。
エンジンは、先代同様2.6L 直列6気筒DOHCツインターボのRB26DETT型。しかし、エンジンの各部には高出力化するために随所に細やかなセッティング変更がかけられ、さらに4WDシステムにはアテーサE-TS、アクティブLSDやブレンボ製ブレーキキャリパーも搭載。最高出力は280PSを達成する高性能スポーツセダンとしています。また、バッテリーはトランク内部に収納。ボンネットを開ければGT-R専用ストラットタワーバー(スポーツ走行のためのボディ補強パーツ)が装備され、視覚の面でも楽しめるのです。
スカイライン GT-R オーテック 40thは、生産台数400台あまりの稀少車ですが、その内の2台はパトカーとして採用され、1台が神奈川県警の通常パトカー、もう1台は埼玉県警の覆面パトカーとして採用されています。神奈川県警のパトカーは残念ながら現役引退していますが、今でもオーテックファン待望の湘南里帰りミーティングにゲスト出演したりと大人気となっています。
スカイライン GT-R オーテック 45thの相場は高騰必至!

グローバルに人気がある旧車の流通に関して、今では大きなポイントとなる通称25年ルール。25年ルールとは主にアメリカで生産から25年経過した車に関しては、当時排ガス規制や安全基準に適合せず正規輸入できなかった車でも輸入を認める制度。この基準により、それを超える車や超えようとする車はGT-Rを始め、年々海外へと流出しているのです。現在の価格は400万前後となっていますが、これから先は高スペック・安定性の高さからますますその価格は高騰するものと言えるでしょう。(2019年7月時点)
- 最新「スカイライン」中古車情報
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本日の在庫数 1720台 平均価格 333万円 本体価格 18~7,000万円
日産 スカイライン GT-R オーテック 45thのスペック表
エンジン | 直列6気筒DOHCツインターボ |
---|---|
最高出力 | 280PS/6,800rpm |
最大トルク | 37.5kg・m/4,400rpm |
ボディサイズ | 全長:4,755mm 全幅:1,780mm 全高:1,380mm ホイールベース:2,720mm |
車両重量 | 1,560kg |
トランスミッション | 5速MT |
駆動方式 | 4WD |
乗車定員 | 4人 |
新車時車両価格 | – |
撮影:宇野 智(MOBY)
※2019年6月に日産自動車がメディア向けに開催した同社の座間事業所にある「日産ヘリテージコレクション」取材会にて撮影。ここは一般の方も無料で見学できます。(見学の案内はこちらの公式HPをご覧ください。)
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- 執筆者プロフィール
- 石黒 真理