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【日産キックス開発秘話】きっかけに「グランドキャニオン」があった|開発者インタビュー

撮影・文:MOBY編集部 宇野 智

新型「日産 キックス」試乗会では、開発担当者から直接お話を伺う機会がありました。そのインタビューでは「グランドキャニオン」「バンバン制御」「じゃんけん」など気になるキーワードが飛び出します。それはキックスの開発に深く結びついていたのでした。本記事では、そのインタビューのダイジェストをお届けします。

日産自動車株式会社 e-POWERプロジェクト推進グループ パワートレイン主管 羽二生 倫之氏(左)、株式会社日産オートモーティブテクノロジー  車両プロジェクト統括部 車両計画グループ 間口 和浩氏(右)
お話を伺ったのは、日産自動車株式会社 e-POWERプロジェクト推進グループ パワートレイン主管 羽二生 倫之氏(左)、株式会社日産オートモーティブテクノロジー 車両プロジェクト統括部 車両計画グループ 間口 和浩氏(右)。
撮影は日産本社のテラスで。逆光になったが横浜の街並みを背景にしたく失礼ながらこの画角で撮影。

グランドキャニオン

新型キックスは、ノート e-POWERに比べると静粛性が高くなりましたね。その開発は苦労されたのでは?

2018年4月でしたかね、キックスの開発とは関係のない出張でアメリカに行っていたんですよ。そのときに「ノート e-POWER NISMO」でグランドキャニオンを走ったんですよ。このときエンジンが“うるさいなぁ”と感じまして。これが、キックスの静粛性を突き詰めていくきっかけになりました。

日本からノート e-POWER NISIMOを持って行ったんですね?

そうなんです。
現地のアメリカ人に「ノート e-POWER NISMOの走りはどうだ?」と訊いたら、『うるせぇー』と言われたました(笑)
よく走るけど、エンジンがうるさいと。アメリカ人が好むエンジン音は、大排気量V8のドロドロとした音という背景もありますけど。
グランドキャニオンを走ったあと、次の日はもうフライトの日だったんですけど、同行した開発スタッフが一夜でe-POWERパワートレインの静粛性を高める要件、計算をまとめてくれていました。それを元に開発のポイントをピックアップして進めていきました。

新型キックスは、ノート e-POWER よりも静粛性を高めようという方針へ?

いや、キックスの開発スタート時、「静粛性を高めよう」という大号令やスローガンは開発陣には一切なかったんですよ。
いつしか皆が「静粛性を高めよう」という方向性にまとまっていったんです。そしてさらに、国内仕様のキックスは「フラットな走り」にしようと。これもいつしか皆が自然にまとまった方向性の一つになりましたね。

私もノート e-POWER を運転すると「うるさい!」と感じますよ。
自社が開発したクルマですが、運転するときは、ひとりのエンドユーザーですから。その目線で乗って感じたこと開発にフィードバックしていくんです。

キックス
フロント

バンバン制御

我々、キックスの開発陣でよく使っていた言葉に『バンバン制御』というのがありました。
会話で「それ、バンバン制御入ってる?」といった使い方で。

e-POWERの静粛性、気持ちの良い走りのためにエネルギーマネジメントを重要視し、徹底的に突き詰めていきました。
エンジンをできるだけ回転させないように制御する、エンジンをできるだけ掛けないように制御することが静粛性と燃費性能を高めます。
そして、ドライバーが感じる気持ちの良い走りに繋げていきました。

キックス
リアエンド

じゃんけん

パワートレインの制御には
『この条件だったら、こうする』という定義を無数に定めていくのですが、これは「じゃんけん」の勝ち負けの定義と同じで、そう例えて言っていましたね。

わかりやすい具体例を上げれば『この温度になったらエンジンをかける』といったものです。

e-POWERの制御開発工程のひとつに、エクセルで数百行にわたる要件を定めていく、というものがありまして。
それぞれ、ひとつひとつ要件を定義していくんですよ。実際のクルマを走らせることが多かったですね。もちろん、机上での作業もたくさんありますが。

うわぁ、気が遠くなる作業ですね!

千本ノック

仕様、要件を決めていくときに、膨大な試算を繰り返していくんです。これを『千本ノック』と呼んでいます。
もう、地味で地道な作業ですね。

キックス
俯瞰

最も苦労したのは、リアサス

キックスの開発で一番苦労したところは、どこですか?

リアサスです!

リアサスです!

キックス
リアサス
キックスのリアサスペンショントーションビーム式。

気持ちの良い走り、フラットな走りを実現するために、一番苦労したのはリアサスペンションでした。リアサスが決まってから後の開発は速かったですね。

コンパクトSUVですから、コストとの兼ね合いも重要ですよね?

もちろん!
そりゃ、コストを掛ければ良いリアサスはできますよ。そうはできないですからね。

ノート e-POWER は加速するときフロントが浮き、リアが沈むんです。加速するときに車体が前後に傾くのではなく、その傾ける力を駆動力としてきちんと伝えて地面を蹴る(キック)、この方が気持ちの良い走りになります。

なるほど!
日本の市場、道路事情に合わせるための開発はさぞかし大変だったかとご推察しますが、それにしても皆さん、楽しそうですね!
今日は、貴重なお話をいただき、どうもありがとうございました!

キックス
フロント

日産 キックス 公式HP

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この記事の執筆者
MOBY編集部 宇野 智

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