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マツダのミニバン、ワンボックスカーまとめ|どうして現行車種にはないの?

現在でも各メーカーから続々と新型車が発売されるミニバンや、根強い需要から生き残り続ける商用1BOXカーですが、現在のマツダは商用1BOX車のOEM供給を受けるのみで、自ら開発・生産はしていません。

しかし、かつて1BOXカーの通称がメーカーを問わず「ボンゴ」だった時代があったように、この分野の先駆者はマツダでした。

今のマツダが3列シートSUVに集約してミニバンは販売すらやめてしまった理由と、今後について考えてみます。

マツダがかつて販売していたミニバン、ワンボックスカー

このボンゴ スカイラウンジのように、マツダのミニバンには個性的なコンセプトカーもあった

かつてボンゴで国産ミニバン/1BOXカーの先陣を切ったマツダですが、ロータリーエンジンに傾倒しすぎた時期に直撃したオイルショックと、バブル時代の5チャンネル体制崩壊という2度の危機があったため、意外と車種数は多くありません。

それでも当時としては先進的、かつユニークなクルマも多かった、マツダのミニバンと1BOXカーを紹介します。

1BOX/ロールーフワゴン

ボンゴ コーチ/マルチワゴン/ワゴン(3代・1966-1999)

マツダ ボンゴ(初代)

プリンス ホーミー(1965年)より小型で取り回しやすい800cc級の小型フルキャブオーバー車(1BOXカー)として、1966年に初代ボンゴのトラックやバンとともに乗用登録版「ボンゴ コーチ」を発売。

トヨタの初代ハイエース(1967年)やミニエース(1968年)より早い登場でヒット作となり、「ボンゴ」は1BOXカーの代名詞となったため、古い世代では車種を問わず1BOXカーそのものを「ボンゴ」と呼ぶ人も多かったものです。

3代にわたってマツダ乗用1BOXワゴンの主力となり、ボンゴフレンディ登場後も三菱のデリカスターワゴンと同様のRVスタイルで根強いファンが多く、1999年まで継続販売されました。

ボンゴ ブローニイ ワゴン(1代・1983-1995)

マツダ ボンゴブローニイ ワゴン(初代)

3代目ボンゴをホイールベース、全長ともに延長したロングボディ版として登場、ワゴンも設定されて、2列6名~3列9名乗りのボンゴワゴンに対し、ボンゴブローニイワゴンは3列9~10名乗り仕様で、延長したボディを活かした広大な車内空間が魅力でした。

ボンゴブローニイそのものは1999年に2代目へモデルチェンジ、乗用ワゴン仕様に近い豪華内外装仕様もラインナップされましたが、乗用登録のワゴン自体はボンゴワゴンと異なり、1995年のボンゴフレンディ登場で廃止されています。

ボンゴ フレンディ(1代・1995-2006)

マツダ ボンゴフレンディ

ボンゴワゴン後継として1995年に登場し、ボンネットつきで衝突安全性能を高め、RVブームに乗ったミニバン専用車。

二重構造で開閉するルーフを寝床にできるAFT(オートフリートップ)車や、キャンバーグレードの設定で、当時流行のオートキャンプを強く意識していたのが特徴です。

ただし、1990年代後半には現在でも主流のFF低床ハイルーフミニバンが他社から登場しており、床下エンジンでフルキャブオーバーのFR車という構造は商用1BOXカーがベースのミニバンと変わらず、AFTを除けばデビュー時から古さを感じさせました。

ビアンテ(1代・2008-2018)

マツダ ビアンテ

近代的ミニバンで出遅れたマツダが唯一発売したFF低床ハイフルーフミニバンで、車格的にはミドルクラスでしたが、当時のマツダには既に5ナンバーサイズのベース車がなかったため、アクセラやプレマシーと同じプラットフォーム3ナンバー車。

大きめの車体で広い車内空間や大型スライドドア、後列になるに従って着座位置が上がるシートレイアウトによる開放性を特徴としましたが、それより歌舞伎役者の隈取(化粧)を意識したフロントマスクの印象が強く、あらゆる意味でライバルを一線を画しています。

2013年には部分的にSKYACTIVテクノロジーを取り入れるなど、改良を続けたロングセラーですが、ハイルーフミニバン市場が盛況にも関わらず、後継車は作られませんでした。

ロールーフミニバン

MPV(3代・1990-2016)

マツダ MPV(3代目)

初代は当時の北米で流行った乗用車スタイルのミニバンとして1988年登場、1990年に国内で発売、ルーチェをベースに国産ロールーフミニバン唯一のFR車だったのが特徴。

後のオデッセイを先取りしたコンセプトながら、素っ気ない商用車的デザインで当初地味だったものの、2度のマイナーチェンジで刷新して以降は存在感を増します。

低床ではなかったものの、リフトアップなどSUVチックなカスタマイズ素材としては有望で3列シートSUVの元祖とも言えましたが、2代目以降は普通の「マツダ版オデッセイ」となり、主要市場の北米でCX-9に代わられたため、最初に廃止されました。

プレマシー(3代・1999-2018)

マツダ プレマシー(3代目)

初代は短いボディへ無理やり押し込んだ3列目シートなど実用性に難があったコンパクトミニバンでしたが、2005年に2代目へモデルチェンジしてから正統派の後席両側スライドドアつきロールーフミニバンとなります。

2代目以降は2代目MPVから踏襲し、ビアンテにも採用した「カラクリシート」で、通常は2列目がキャプテンシートの6人乗り、収納してある7人目のシートを引き出せば2列目がベンチシートになる「6+Oneパッケージ」が特徴。

実用性を高める独自の工夫や、マツダらしい走りの良さを味わえるクルマでしたが、ロールーフミニバン自体市場で需要がなくなり、マツダのミニバン撤退に関わらず消える運命でした。

1BOX商用車

ボンゴバン(5代・1966-販売中)

マツダ ボンゴバン(5代目・現行モデル・ダイハツ グランマックスOEM)

国産小型商用1BOXカーの元祖的存在で、ワゴン廃止後もバン/トラックが「最後のマツダオリジナル商用車」として、2020年まで4代目が生産されていました。

ソコソコの荷室スペースでハイエースより小さく、取り回しがしやすい最後の国産後輪駆動フルキャブオーバー商用バンの生産終了を惜しむ声もありましたが、一回り小さいダイハツ グランマックスのOEM版が後継の5代目となり、2020年より販売中です。

ボンゴ ブローニイバン(3代・1983-販売中)

マツダ ボンゴブローニイ(3代目・現行モデル・トヨタ ハイエースOEM)

ボンゴバンのロングボディ仕様が独立したもので、軽快さを感じるボンゴバンをそのまま引き延ばしたようなボディと、ボンゴバンよりフロントの無塗装樹脂パーツ面積が大きい独特のフロントマスクでした。

ただし需要は少なく2010年には生産終了、マツダにはこのクラスの商用1BOXカーがない状態でしたが、2019年にトヨタからハイエースのOEM供給を受けて復活、現在も販売中です。

なぜマツダはミニバンから撤退したのか?

縮小したミニバン市場にマツダの居場所はなかった

初期のRブームをけん引した1台、マツダ ボンゴワゴン ウエストコースト(1981年)

走りなどマツダが示したい将来像にそぐわず、SUVへ注力したいのが理由と言われていますが、最大の問題は意外にも「ミニバン市場の縮小」かもしれません。

マツダのミニバン撤退が最初に報じられたのは2016年2月29日でしたが、その時点で一説には10年前よりミニバン市場は3割も減り、出せば売れるミニバンバブルは終わっていた、と言われています。

確かに初代オデッセイで爆発的ヒットとなった、走りが良くてスタイリッシュなロールーフミニバンの販売実績はその時点で散々なもので、2015年の同ジャンルでもっとも売れたホンダ ジェイドやトヨタ ウィッシュでも平均月販は1,100~1,200台程度でした。

新たな市場の創造に挑戦するマツダ

北米のCX-9に続き、国内でも新市場開拓に挑んだ3列シートSUV、マツダ CX-8

現在も売れているミニバンは、ラージ〜ミドルクラスのFF低床ハイルーフ型でも定番車種と、1.5L級コンパクトクラスですが、後者はレジャーやタクシー向け2列シート車の需要もあるため、純粋にミニバンとしてだけ売れているわけではありません。

一方、マツダ自身が正式にミニバンの今後を明らかにしたのは2017年4月28日の2017年3月期決算説明会で、3列シートSUVのCX-8国内発売を機に、「ミニバンに代わる新たな市場の創造に挑戦」、つまりミニバンを見限ると表明しました。

どこまでもマツダらしさを探求し続ける決断

最新の直6エンジン搭載FRベースSUV、CX-60(画像)の生産は始まっており、3列シート版CX-80も日本で発売予定

北米では2007年にデビューした3列シートSUV、CX-9(日本未発売)が既にMPV後継となっており、主要市場を失ったMPVは、いち早く2016年で販売を打ち切っています。

日本でもCX-8があれば、同じようにプレマシーもビアンテも不要になるなら、「先がないミニバンなど撤退して、3列シート車も売れるSUVの開発・販売体制を強化しよう」と考えるのは必然です。

1BOX商用車も同じ理由で、マツダらしいクルマを作り続けるのにふさわしい市場規模が、ミニバンや1BOX商用車にはもうなかった、それが最大の撤退理由だと思います。

マツダは今後ミニバンを発売するのか?

初代MPVや現在の三菱 デリカD:5のような「ミニバンSUV」としてなら、将来復権はありえるかも?(画像は初代MPV海外仕様)

今後マツダがミニバンを発売するとして、トヨタからハイエースワゴンなりノア/ボクシー、シエンタなどOEM供給を受ければ済み、マツダの独自車種は必要ありません。

商用車や軽自動車でOEM車を手広く販売してきたのと同じく、「マツダユーザーを囲い込んだり、自社や販売会社(ディーラー)、関連会社の従業員の需要に応えるだけならOEMで十分」です。

もちろん流行の変化でミニバン人気のリバイバルなどユーザーの考え方が変わる事もありえますが、今日明日にもマツダがミニバン開発を再開するとは、とても思えませんし、何よりマツダ独自のミニバンを望むマツダユーザー自体、ほとんどいないのではないでしょうか?

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執筆者プロフィール
兵藤 忠彦
兵藤 忠彦
1974年栃木県出身、走り屋上がりで全日本ジムカーナにもスポット参戦(5位入賞が最高)。自動車人では珍しいダイハツ派で、リーザTR-ZZやストーリアX4を経て現愛車は1989年式リーザ ケンドーンS。2015年よりライタ...
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