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新型BMW M8 グラン クーペ がデビュー。いろいろとヤバいクルマだ!

BMWのフラッグシップ4ドアクーペの記事タイトルに「ヤバい」のワードを使うのは気が引けたが伝えるべき情報量が多く、MOBYの主要読者年齢層のひとつ20代をターゲットに考えたらこうにしかならなかった。

BMW専用牧場がこのクルマに深く関わる、その理由にも着目してお読みいただきたい。

6つの「ヤバい」にまとめてみた

新型BMW M8 グラン クーペを披露するビー・エム・ダブリュー株式会社 代表取締役社長 クリスチャン・ヴィードマン氏。
アンヴェール直後のM8を紹介する、ビー・エム・ダブリュー株式会社 代表取締役社長 クリスチャン・ヴィードマン氏。

2020年1月28日、ビー・エム・ダブリュー株式会社は新春記者会見を開催、その中で新型BMW M8 グラン クーペのアンヴェールが行われました。M8グランクーペは、2019年10月25日に発表された新型8シリーズをベースに、ドイツBMW本社の子会社、BMW M社が手掛けるハイパフォーマンスなモデルです。新型M8 グラン クーペは2019年11月に開催された「ロサンゼルスオートショー2019」でワールドプレミアされ、日本国内ではこの記者会見が初公開となります。記者会見でこの新型M8グランクーペの特徴がプレゼンされましたので、その中から筆者が読者に伝えたい点を6つにまとめました。

  1. デザインがヤバい。特にリアフェンダー上からCピラー。
  2. ボディカラーがヤバい。特にアメトリンレッド。
  3. 内装がヤバい。特にトリノ・レザーシート。
  4. エンジンがヤバい。特にツインターボのシステム。
  5. 足回りがヤバい。特にカーボンブレーキ。
  6. 御舘氏のプレゼンがヤバい。特にトーク。

BMW新春記者会見の記事

1. デザインがヤバい。特にリアフェンダー上からCピラー。

新型BMW M8 グラン クーペのリアフェンダーからCピラー

このリアフェンダーから上の部分に注目です。2ドアクーペの8シリーズに比べて30mm拡幅されたリアフェンダーまわりは複雑なデザインとなっています。このデザインを実現するため、6回もプレスを製造過程で行うとのことです。

新型BMW M8 グラン クーペを後方から見たサイドビュー
全長5,105mm、全幅1,945mm、全高1,420mmという堂々たるボディサイズ。車両重量は2,000kgちょうど。この車格とパフォーマンスからすれば軽いほう。

全長は5,105mm、ホイールベースは3,025mmという超ロングホイールベース。これはカーボン素材を使ったテクノロジーで実現できたとのことです。また、居住空間と荷室を完全に分離することができ、静粛性の向上にも貢献。美しいボディラインをまといながら、リアサスペンションの取付け位置の剛性も高めるという、計算し尽くされた設計と伝えています。初見は美しい!と感じましたが、この話を訊くとさらに美しさに深みをもたらしてくれました。

新型BMW M8 グラン クーペのフロントマスク
普通、新型車を記事で紹介するときは、フロント側の画像からが基本ですが、このクルマに関してはリアからお見せした。
新型BMW M8 グラン クーペの後方上部から見たトランクリッドとルーフ

ルーフの色味だけちょっと違うなと感じた方、さすがです。ルーフはカーボン製となっています。

新型BMW M8 グラン クーペ の商品概要をプレゼンする、BMWブランド・マネジメント・ディビジョン プロダクト・マネージャー 御舘 康成氏。カーボンルーフ片手でひょいと持ち上げて見せる。
新型BMW M8 グラン クーペ の商品概要をプレゼンする、BMWブランド・マネジメント・ディビジョン プロダクト・マネージャー 御舘 康成氏。片手でひょいと持ち上げて見せた。

ルーフ部分だけの軽量化はあまり効果が期待できないのでは?と思われる方がいらっしゃることでしょう。ルーフの軽量化は車体全体の重心を落とすことに大きく好影響を与える旨、御舘氏は語っていました。乱暴な例えかもしれませんが、水が入ったペットボトルを頭の上にくくりつけてみて走ってみると、そうではないときの方より安定して走れなくなる、といった感じでしょうか。

新型BMW M8 グラン クーペのカーボンルーフ

2. ボディカラーがヤバい。特にアメトリンレッド。

すでにボディカラーに着目されていらっしゃるかもしれません。このようなボディカラーは他のクルマで見たことはありません。このワインレッド系のボディカラーは「アメトリン・メタリック」という名称が与えられ、M8 グラン クーペの上級かつハイパフォーマンスグレードの「コンペティション」に採用されます。アメトリンとは宝石の一種で、アメジスト(紫水晶)とシトリン(黄水晶)が混ざってできた美しい石。

新型BMW M8 グラン クーペのアメトリン・メタリック塗装のアップ

塗装面にズームして撮影してみました。本来なら肉眼でご覧いただきたいところです。画像からでも、複数の色が複雑できれいに輝いているのがおわかりいただけるでしょう。メタリックは「フレーク」と呼ばれる細かい破片状の素材が塗料に混ぜ合わせられています。このフレークの粒を揃えること、複数の色を混ぜることなど相当に高度な技術が必要で実現するのが相当に難しかったとのことでした。

ちなみにプレゼンターの御舘氏は、この車のボディカラーに合わせた色のネクタイをお召しになられていました。(記者会見終了後の個別にお話したときに仰っていただき気が付いたのが本当です)御舘氏は、このネクタイも7色の糸をつかってこの色を表現しているとのこと。いやはや、感服いたしました。

3. 内装がヤバい。特にメリノ・レザーシート。

新型BMW M8 グラン クーペの内装、フロントシート
※ストロボの調子が悪く影だらけになりました。すみません。

新型M8 グラン クーペ コンペティションには「フル・レザー・メリノ シルバーストーン」と名付けられた特別な皮が内装、シートにふんだんに用いられています。まぁ、高級車ですから、高級な皮は当たり前と筆者は安易に考えていましたが、プレゼンの中で御舘氏が『専用の牧場』で皮を採取していると話し、普通に驚きました。BMW専用牧場は高地にあり、蚊などの虫がおらず、上質な皮がとれるとのこと。虫に刺された皮はダメなようです。

新型BMW M8 グラン クーペの助手席側インパネ

画像が心許ないので、広報画像で補完させていただきます。

新型BMW M8 グラン クーペのフロントシート
新型BMW M8 グラン クーペのリアシート

4. エンジンがヤバい。特にツインターボのシステム。

新型BMW M8 グラン クーペのエンジン

新型M8 グラン クーペ のエンジンはV型8気筒ツインターボで排気量は4.4L。最高出力・最大トルクはコンペティションの名がつかないグレードで、441kW(600ps)/6,000rpm、750N・m/1,800-5,600rpm。コンペティションは25ps上乗せされ625psに。(最大トルクは同じ)BMWで最もパワフルなエンジンとなっています。この点について御舘氏は「カタログ数値だけでのものではない」と言い切り真のパワーをツインターボによってもたらされると語りました。

新型BMW M8 グラン クーペのツインターボCG画像
ツインターボのCG(プレゼン・スライド)
新型BMW M8 グラン クーペのターボとエキゾーストマニホールドのCG画像

V8エンジンですので、エンジンのシリンダーは左右2列に分かれます。2つのターボ・タービンがありますから、単純に考えると1列につきターボ1つとなりますが、M8 グラン クーペ に搭載されるツインターボは、左右に振り分けてエキゾーストマニホールド(かんたんにいうとパイプ)をクロスさせています。これは、2つのターボがあると排気が干渉しパワー効率を落としてしまう要因を排除したもので、635馬力というハイパワーを“淀みなく”発生させることができる、と語っていました。

新型BMW M8 グラン クーペの独特な形状をしたエキゾーストマニホールドを手に持って解説する御舘氏。
独特な形状をしたエキゾーストマニホールドを手に持って解説する御舘氏。

5. 足回りがヤバい。特にカーボンブレーキ。

新型BMW M8 グラン クーペのフロント。カーボンブレーキ
BMW広報画像

新型M8クーペで初めて採用された、M専用インテグレーテッド・ブレーキ・システムをM8 グラン クーペにも搭載。ブレーキは電動アクチュエーターで圧をかけ(普通は油圧)素早く正確な制御を実現、さらにバネ下重量が2kg軽くなっています。(重たい靴を履いて走るより軽い靴の方が速く走れるのと同じ理論)このブレーキシステムには、スポーツモードとコンフォートモードの2つがあり、ペダルの踏み込み量を可変させられます。電動ならできることです。

さらに、オプションでカーボンブレーキも選択できます。端的に言えば、超絶効くブレーキで耐熱性にも優れているのがカーボン。レーシングカーには普通に採用されています。このオプション価格は税込1,205,000円。車両価格が2,000万円を超えたクルマ、ノーマルのブレーキを交換しただけでもおいくらかかるの?の世界ですから、これが安いか高いかを語る必要はないでしょう。

6. 御舘氏のプレゼンがヤバい。特にトーク。

新型BMW M8 グラン クーペの商品概要をプレゼンする御舘氏。

BMW ブランド・マネジメント・ディビジョン プロダクト・マネージャーの御舘康成氏のプレゼンは、新型8シリーズ グラン クーペの発表会のときにも取材させていただきました。

御舘氏のプレゼンがヤバいんです。取材で来ているのですが、そのトークに引き込まれてしまい、あり余るお金があったらその場で「それください!」と言ってしまいそうなレベルです。印象に残ったフレーズをいくつか、新型M8 グラン クーペの解説に絡めながらお伝えします。

「スポーツカーを定義するのに、こういった言葉があります。『スポーツカーはパッセンジャーカーの終わるところに始まり、レーシングカーの始まるところに終わる』その定義に従うなら究極のスポーツカーは多くのレーシングテクノロジーを“妥協なく” 、組み込んでいく必要があります。」

スポーツカーの定義は誰かの引用のようですが、“妥協なく”の前後で一呼吸置いて強調して語られました。その後、怒涛のごとくエンジン、足回りといった新型M8 グラン クーペに組み込まれたレーシングテクノロジーの解説へと続きます。M8には、世界最高峰の耐久レース「ル・マン24時間レース」に出場した「M8 GTE」の技術が惜しみなく注がれていることなど、本当に一切の妥協を許さない、究極のスポーツカーであることを十二分に知ることができました。

「M8 グラン クーペ はコーナーで、このカーボンブレーキを頼みにライバルより深くコーナーに進入し、きついコーナーをより重心の低い理想的なレイアウトのクルマで曲がり、最後にツインパワーターボエンジンでライバルを抜き去る……そういうクルマです」

このフレーズは、前述したカーボン・ルーフとカーボン・ブレーキの解説の直後に語られたものです。M8 グラン クーペ がどんなクルマかを的確に語った、それも象徴的ではなく実際的に実現可能なストーリーとして語られたものだろう、感じました。

さらに、M8 グラン クーペの高いパフォーマンスに対して『それはサーキットという限られたフィールドで、レースドライバーという限られたテクニックを持つ人だけが教授できるものではないか?』と思われるかもしれないと御舘氏は語り、これに対して「そうではありません。」と言い切ったあと、「Mはサーキット直結のテクノロジーを日常に駆る歓びである」とし「それは日常の交差点、高速道路のインターセクションで感じることができる」と語りました。

カタログもヤバい

取材に配られた新型M8 グラン クーペのカタログもヤバかった。しっかりと硬い表紙で製本されたカタログ、大きさはA4より大きくB4まではいかないが大判で見応え十分。

新型BMW M8 グラン クーペのカタログ
表紙の下の方にあるエンボスはBMWのロゴマークと「BAYERISCHE MOTOREN WERKE」の表示。これは、BMW本社の正式社名「バイエルン発動機製造」のこと。
新型BMW M8 グラン クーペのカタログ
新型BMW M8 グラン クーペのカタログ
新型BMW M8 グラン クーペのカタログ

新車車両価格

M8 グラン クーペ21,940,000円
M8 グラン クーペ Competition23,970,000円

※価格は消費税10%を含むメーカー希望小売価格。

ボディカラー「アメトリン」は有料色、329,000円(税込)。

「THE 8」BMW M8 グラン クーペ 公式WEBサイト

取材レポート・撮影・文:MOBY編集部 宇野 智

この記事の執筆者
MOBY編集部 宇野 智