レース車両と社用車に同じオイルを使用！？ナカジマレーシングが信頼寄せる“エルフ”のオイル

エンジンオイルやギヤオイルなどの油脂類はクルマの性能と寿命を左右する“血液”のような存在だ。しかし、種類が多く「結局どれを選べばいいのか分からない」と感じているユーザーも多いだろう。
そんな中で注目したいのが、世界のレースシーンで長年支持され続けているELF（エルフ）のオイルだ。

レースの世界では通常では考えられないほど過酷な状況で走り続ける。そこで結果を残し続けてきたELFオイルは、一般車に使っても確かな違いを生む──そう感じさせてくれる存在である。しかも、ELFのレース用オイルは一般ユーザーでも購入できるものもあるのだ。

今回は元F1ドライバーの中嶋悟氏が率いる老舗のレーシングチームでスーパーフォーミュラーやスーパーGTで戦うNAKAJIMA RACING（ナカジマレーシング）がレースでエルフオイルを選び使用する理由と、同チームが日常使いするミニバン（HONDAステップワゴン）で実際に試したインプレッションを紹介する。

詳細は本文に譲るが、レース車両で使用しているオイルとミニバンに投入したオイルには、いずれも「走行後でもオイルの性能劣化が少ない」という共通点があった。

スーパーフォーミュラとスーパーGTに参戦する『NAKAJIMA RACING』
ミニバンで実際に試したところ！？
プロが選んだオイルは一般ユーザーにとってもメリットは大きい！

スーパーフォーミュラとスーパーGTに参戦する『NAKAJIMA RACING』

国内トップカテゴリーで活躍後日本人として初めてのF1フルタイムドライバーとして参戦したカリスマ的存在の中嶋悟氏が現役を引退した後に、総監督として立ち上げた『NAKAJIMA RACING』。

国内4輪レーストップカテゴリーに参戦。若手ドライバーを積極的に登用し育成しつつ、日本のモータースポーツを盛り上げている名門チームとしてスーパーフォーミュラとスーパーGTに日本一を目指して参戦中だ。

今回インタビューに応じてくれたのは、チーフメカニックの浅見氏だ。

NAKAJIMA RACING
チーフメカニック
浅見邦彦（あさみくにひこ）氏
1981年生まれ。
2004年にメカニックとして中嶋企画に入社。チーフメカニックになってからはスタッフも含めレースで勝利するために現場を指揮をしている。https://nakajimaracing.co.jp/

ELFとNAKAJIMA RACINGの関係（2009年から）

───ELFとNAKAJIMA RACINGとの関係は2009年から

浅見：ELFさんと協力関係になってから一番大きなメリットは、「お互いに議論できる関係になった」という点です。以前は、我々は“使う側”としてオイルを購入していただけでした。

しかし今は、走行後の要望や意見をこちらから投げかけると、迅速にレスポンスをいただける。一緒に戦っているという感覚でコミュニケーションしながら前に進めるのは、本当に大きいですね。

オイルの分析検査も行っていただけますし、走行後の状態や成分の変化など、購入者の立場では分からなかったことがデータとして可視化されるようになりました。経験や勘ではなく、確かな裏付けを持って判断できるようになったのは非常に助かります。

「柔らかいオイル」へのアプローチと速さの関係

───この関係性が始まってから、具体的にはどんなメリットがありましたか。

浅見：当初は一般に“硬い”と言われるオイルを使っていたのですが、速さを追求するならフリクションは小さいほうがいいです。しかし、柔らかいオイルにすれば壊れるリスクもある。

そんな中、ELFさんには4輪・2輪の様々なレースで培ったノウハウがあり、豊富なラインナップが揃っていました。レース実績に裏付けされた段階的な選択肢があるので、「もう少し柔らかい方向に」といったチャレンジもしやすかったですね。実際の状況を見ながら、最適なオイルを選べるようになりました。柔らかいオイルを使うとギアボックスや駆動系の抵抗が減り、それが速さに直結します。

フリクション低減と耐久性──レース目線での評価

───フリクション低減も重要だが、レースでは耐久性も不可欠。

浅見：性能は良くても、使用時間が伸びると急激に劣化してしまうオイルもあります。

しかしELFは長時間使用しても一定のレベルを保ってくれます。もちろん初期性能を完全に維持し続けられるものはありませんが、その落ち幅が非常に小さいんです。

特別なオイルは使っていない──市販品で戦う理由

───チームが使っているオイルは特注品ではない？

浅見：特別なものを使っていると思われがちですが、使用しているのはレース用として市販されているものです。うち専用の特注品ではありません。

しかも、スーパーGTで使用しているオイルは、Amazonでも購入できるんですよ。高い速度域で過酷な長時間・長距離レースに耐えられるギヤオイルで、レーシングカーで数千キロ走っても劣化が少ない。その実績を踏まえて作られている市販車用オイルが悪いわけがありません。

幼少期から染みついた「ELF」のロゴとブランドイメージ

───レースの歴史を支えてきたブランドイメージもある。

浅見：小さい頃にプラモデルを作っていても、古いレーシングカーには「ELF」のロゴが入っていますよね。レースに特化したブランドというイメージが強く、海外メーカーでもあり、高嶺の花のような存在だと思っていました。

でも実際にお付き合いさせていただくと、軽自動車からチューニングカーまで幅広い商品ラインナップがあることに驚きました。個人的には、パッケージも含めてELFブランドはとてもかっこいいと感じています。また、メカニック目線で言うと、触ったときの感触も優しく、匂いもきつくない。そういった面でも扱いやすいオイルですね。

ELF JAPAN の公式HPはコチラ

ミニバンで実際に試したところ！？

まず、今回テストに使用したHONDAステップワゴンは、NAKAJIMA RACINGが普段から社用車として使っている1台だ。使用用途は幅広く、日常の買い物などの一般的な使われ方に加え、サーキットへの移動車両としてメンバーの長距離移動にも活用されている。

年間の走行距離は、一般的なミニバンよりも明らかに多く、2〜3万キロほど走ることもあるという。
サーキット出張にも使用されるため、NAKAJIMA RACINGの保有車両の中でも“もっとも走るクルマ”のひとつと言える。

このような高頻度・長距離走行のステップワゴンは、エンジンオイルの耐久性や劣化スピードが分かりやすく、今回のテスト車としては非常に適した条件となっている。

『ELF EVOLUTION FULL-TECH VCX 0W-20』に交換　　
プロメカニックの見解は？？？

ステップワゴンに使用したのは、最先端の合成油テクノロジーを用いた高性能エンジンオイル「ELF EVOLUTION FULL-TECH VCX 0W-20」。ACEAのC5, C6規格を取得していて省燃費性能と環境性能にも優れており、APIのSP規格も取得しているので、最新の輸入車から最新の国産車でも最高の性能を発揮するエンジンオイル。優れた耐久性能と摩耗防止性能を持ちエンジン保護性能にも優れている。

浅見：とても滑らかになりました。交換したばかりでまだ距離を走っていないので、耐久性については当然まだ語れません。しかし、長年レースで使用してきた経験から、この滑らかさは長く続いてくれるのではないかと感じています。エンジンオイルの性能が高く劣化が少なければ交換時期を伸ばせますから、コスト面でも助かりますし、環境にも優しいですよね。

また、エンジン音が小さくなり、振動も減ったことでストレスの軽減にもつながっています。やはり良いオイルを入れると、クルマ好きとしては気分が上がります。私たちがELFを選ぶことで得ているメリットは、一般ユーザーの皆さんが感じるメリットとも多くが共通していると思います。実際にこうして乗ってみると、その違いをあらためて実感しますね。