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リターダーとは?大型トラックやバンで使える?排気ブレーキとの関係も

大型トラックに装備されるリターダーとは?

トラックの運転手が運転している様子
©KM.Photo/stock.adobe.com

リターダーの効果とは?

リターダーとは、トラックやバス等の大型車両に搭載される補助ブレーキのことです。エンジンブレーキや排気ブレーキ以上の制動力が得られ、高速走行からの減速時や、下り坂での速度を抑えるのに効果を発揮します。

また、リターダーの積極的な使用により主ブレーキの使用頻度が抑えられることで、フェード現象やベーパーロック現象の発生が抑制される他、ブレーキパッドの摩耗も抑えられることで、車両メンテナンスのコストを低減させる効果もあります。

リターダーは排気ブレーキに代わる補助ブレーキ

かつての日本国内においては、重量やコストの増加を理由に、リターダーを導入しているトラック・バス事業者が非常に少ないという現状がありました。

しかし現在では、世界的な排出ガス規制の流れによって小排気量の車両が多くなり、排気ブレーキの効果が大排気量の車両に比べて得られにくくなったことや、構造的に排気ブレーキを装備できないLPG(液化石油ガス)やCNG(天然ガス)で動くトラックが増えたことで、リターダーに注目が集まるようになっています。

リターダーの種類と構造は?

疑問
©Tiko/stock.adobe.com

リターダーの仕組みは3種類

リターダー(Retarder)には「遅らせる、妨げる」という意味があり、その仕組みは名前の通り、プロペラシャフトに負荷を与えて、回転を遅らせることで制動力を得ます。

また、その構造にも3通りの方式があるのです。

流体式リターダー

流体式リターダーは、シャーシに固定されているプロペラシャフトとステーターと一緒に回転するローターとの間をエンジンオイルやATF、水等の流体で満たし、ローターを回転させて発生した流体抵抗によって制動力を得ます。

流体の冷却方法は水冷式の場合が多く、空冷式に比べて発熱に対する許容量が大きい一方で、重量が重くて後付けが難しいというデメリットもあります。また、世界的に最も普及している方式でもあります。

電磁式リターダー

電磁式リターダーは、電磁誘導を利用して制動力を得る方式です。シャーシに固定された金属板と、プロペラシャフトと一緒に回転する電磁石で構成されます。

金属板に電流を流して磁場を形成し、電磁石が磁場の中を回転することで、金属の内部に渦電流を発生させ、電気抵抗をトルクの抵抗に変換することで制動力を得ます。

空冷式の場合が多く後付けも簡単ですが、水冷式に比べて発熱に対する許容量が小さく、電磁石を作動させるのにバッテリーやオルタネーターの強化も必要になります。また、作動していない時も走行抵抗が大きいという問題を抱えています。

永久磁石式リターダー

永久磁石式リターダーは、電磁式リターダーの電磁石を永久磁石に置き換えた方式です。小型・軽量でコストパフォーマンスに優れており、日本国内での主流になっています。

開発はいすゞ自動車と住友金属工業が共同で行っており、かつてはいすゞ車にしか装備されていませんでしたが、現在では他社のトラックにも装備されるようになりました。

リターダーの操作と使い方

フットブレーキの操作

2:45あたりでレターダーブレーキの説明になります。

リターダーの操作は車種によって異なるため、一概には言えません。

ステアリングコラムの排気ブレーキレバーを使って、排気ブレーキや圧縮開放ブレーキと連動するよう設定されている車種が多い傾向にあります。また、ブレーキペダルを踏むとフットブレーキと連動し、リターダが作動するものも存在します。

リターダーブレーキの操作方法は、減速させたいときにレバー操作します。その場合、アクセルペダルとクラッチペダルを踏んだ状態だと、排気ブレーキとリターダーブレーキは作動しません。

また、リターダースイッチをオンにした状態でも走行が可能です。オンの状態でアクセルペダルから足を放すと、スイッチがオンになっているのでリターダーブレーキが作動します。(ただし、クラッチペダルを踏んでいると作動しません)

そして、アクセルペダルやクラッチペダルを踏む事により解除になります。

道路状況や積み荷の重量を考えながら、タイミングと減速方法を選択しますが、このテクニックは運転手の経験でつかむことができると言えるでしょう。

フットブレーキの使い方

例えば、緩やかな下り坂を何も荷物を積んでいない状態で大型のトラックが走行していた場合、エンジンブレーキの力だけで減速は十分できるでしょう。しかし、約5t程度の荷物を積んだ状態の走行する場合、エンジンブレーキで十分減速ができないときは排気ブレーキを作動させます。

さらに、約10t以上の荷物を積んだ状態で走行する場合は、リターダーブレーキが必要になってきます。場合によっては、フットブレーキも必要でしょう。

執筆者プロフィール
MOBY編集部
MOBY編集部
新型車予想や車選びのお役立ち記事、車や免許にまつわる豆知識、カーライフの困りごとを解決する方法など、自動車に関する様々な情報を発信。普段クルマは乗るだけ・使うだけのユーザーや、あまりクルマに興味が...

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