MOBY(モビー)自動車はおもしろい!

MOBY[モビー] > お役立ち情報 > 役立つ情報 > 現役ディーラー整備士がディーラー車検のメリット・デメリットなどを紹介!
役立つ情報

更新

現役ディーラー整備士がディーラー車検のメリット・デメリットなどを紹介!

トヨタのディーラーショップ
©ArtEvent ET/stock.adobe.com

車の車検をどこで受けていますか?

ディーラー、民間整備工場、車検専門店、ユーザー車検などひと言に車検を受けるといっても方法はたくさんあります。その中でもディーラーで新車を購入した方は、車検までをサポートしてくれるメンテナンスパックなどに入る方が多いのではないでしょうか。ディーラーごとに内容は違ってきますが、車検までの点検や整備料が安くなったりとお得な面も多く、納車後3年間の安心を買えることから利用されている方は多くいます。

そのような方がディーラー車検を受けることが多い中、民間整備工場や車検専門店で車検を通す方も大勢いるのです。ではディーラー車検とその他の車検方法では一体何が違うのでしょうか。

ディーラー車検のメリットは色々あります。その中でもメーカー直属のディーラー整備士に車を見てもらえるという安心感が、ディーラー車検の最大のメリットだともいえます。それに対し最大のデメリットは価格が高いという面です。ひと言に価格が高いといっても、なぜ高いのかを知っているのと知らないのとでは、意味合いが全く違ってきます。

今回はディーラー車検のメリットやデメリットを、現役ディーラー整備士が詳しく解説していきます。

ディーラー車検と民間車検の違いは?

現場で働く人と営業マン
©beeboys/stock.adobe.com

今回比較するのはディーラー車検と民間車検とになります。

この2つの車検の違いは

  • 料金設定の違い
  • 検査員の有無
  • 純正部品の取り扱いの有無
  • 車検整備以外のサービスの違い
  • 車に対する専門知識の有無

大きくこの5つが挙げられます。

民間車検を行っている整備工場といっても、その規模や人数、車検を受ける車の取り扱いは会社によって大きく違うため、上記に挙げた5つに当てはまらない部分もあることを理解しておいてください。しかし、一般的に見るとやはりディーラーの整備工場の方が規模が大きく、整備士の人数も多いという特徴があります。

ディーラー車検と民間車検どちらもメリットとデメリットがあり、次の章から詳しくお伝えしていきます。

ディーラー車検は高いの?その理由は?

電卓で金額を計算する
©Kana Design Image/stock.adobe.com

「ディーラー車検は高い」という声をよく耳にすると思います。

ではなぜディーラー車検が高いのかを考えたことはありますか。民間車検では発生しない料金を取っているのではないか?そのように思われると、現在ディーラーで働いている身として、とても残念に思います。

ディーラー車検が高い理由は4つです。

  1. 整備料などの工賃設定が民間よりも高い
  2. 純正部品が高い
  3. 洗車などの料金も上乗せされている
  4. 予防整備とも呼ばれる整備により、民間車検では交換しない部品も交換対象に入っている

ではそれぞれを詳しく解説していきます。

整備料などの工賃が高い

車の整備をするメカニック
©chartphoto/stock.adobe.com

ディーラーでの整備料金と、民間での整備料金にはどうしても差が発生してしまいます。なぜなら人件費の単価が違うためです。

やはりディーラーの方が人件費が高く設定されているため、民間工場と同じ整備料金設定にしてしまうと、利益が出ないという面があります。

そもそも純正部品の値段が高い

車のパーツ部品
©Alexander Kazharski/stock.adobe.com

知っている人も多いと思いますが、ディーラーではメーカーの販売する純正部品しか取り扱っていません。純正部品はどうしても価格が高く、色々な箇所のパーツを交換すれば、その分値段が上乗せされていってしまうのです。

純正部品と社外品の価格の差はパーツにより違いはありますが、中には社外品よりも2倍や3倍の値段のするパーツも存在します。つまり交換する部品点数が多ければ多いほど、その分料金が上乗せされてしまうということです。

民間車検では交換しないような部品もディーラー車検では交換部品に

チェックリスト
©beeboys/stock.adobe.com

純正部品が社外品よりも高いうえ、ディーラー車検では予防整備という整備を行っており、言い換えれば民間車検では交換対象にならないパーツも交換対象に入ってくるということでもあるのです。

例えばロアーアームブーツや、タイロッドエンドブーツなど車検時によく交換するゴム製のブーツがあります。これらのブーツ類は破けると車検に通りません。しかしひび割れ程度であれば車検を通すことができるため、安い車検をうたっている整備工場では交換対象から外れてしまう場合もあります。

ディーラー車検では車検後2年間安全に乗ることをベースに考えていることから、ひび割れが確認できた時点で、交換対象となるのです。

ディーラー車検では洗車代などのサービス料も上乗せされている

洗車をする男性
©PiyawatNandeenoparit/stock.adobe.com

また、ディーラーで車検を受けて洗車せずに帰ってきたという方はいないはずです。ディーラーでは洗車を必ず行います。

昔は洗車が無料でしたが、今は有料洗車になっているディーラーは多く、当然、車検内容に洗車料金も含まれます。有料化した背景には洗車にかかる時間や労力が、とても多くかかってしまうためではないでしょうか。手洗いで車を洗車したことがある方なら分かると思いますが、1台の車をキレイにしようとした場合、30分ほど時間がかかってしまうのです。

以上のことから、ディーラー車検は民間車検よりも料金が高くなってしまいます。

また違った角度から料金を見てみることもできます。そもそもなぜディーラー車検が高いという認識になったのでしょうか。

考えられる理由は、民間車検の金額をベースとして考えているためだと思われます。整備料金や部品料金のベースはディーラーです。ディーラーは料金を不正に高く設定しているわけではありません。つまり民間車検の金額が安すぎるとも考えられるのではないでしょうか。

民間整備工場もメーカーと同じ金額設定にしたいはずです。民間整備工場にはディーラーと同じ金額を請求してしまうと、全員ディーラーに持ち込んでしまうという背景があるのです。

執筆者プロフィール
MOBY編集部
MOBY編集部
新型車予想や車選びのお役立ち記事、車や免許にまつわる豆知識、カーライフの困りごとを解決する方法など、自動車に関する様々な情報を発信。普段クルマは乗るだけ・使うだけのユーザーや、あまりクルマに興味が...

\ この記事が役に立ったらシェアしよう /

MOBYをフォローして最新記事を受け取ろう

すべての画像を見る

コメント

利用規約

関連する記事