MOBY(モビー)自動車はおもしろい!

MOBY[モビー] > お役立ち情報 > 車検・メンテナンス > スタンディングウェーブ現象とは?起こる前兆や原因と対策を紹介!
スタンディングウェーブ現象
車検・メンテナンス

更新

スタンディングウェーブ現象とは?起こる前兆や原因と対策を紹介!

スタンディングウェーブ現象とは?

パンクの原因はさまざまですが、特に高速道路におけるパンクで多いのが「スタンディングウェーブ現象」です。

スタンディングウェーブ現象とは、高速走行する車のタイヤ表面が波状に変形する現象です。空気圧不足や過積載などにより生じる現象であり、場合によっては大事故の原因となります。というのも、スタンディングウェーブ現象はタイヤのバースト(破裂)を引き起こす場合があるのです。

走行中にタイヤがバーストすれば、正常なハンドル操作やブレーキ操作ができなくなり、最悪の場合は周囲を巻き込む重大事故につながります。

一般・高速道路では「タイヤ系」の故障が最多!

スタンディングウェーブ現象 道路における故障パーツ別発生件数

国土交通省が公表している「令和2年度路上故障の実態調査結果」によると、タイヤによる車両故障の発生が多く発生している点が顕著となっています。

参照:国土交通省「令和2年度路上故障の実態調査結果」

道路上でのトラブル事例で上位にランクインした項目を取り上げていますが、一般道路および高速道路、ともにタイヤが原因となるトラブルが発生しているのが示されています。

いずれも、タイヤに十分な空気圧がなかったことにより走行不能となってしまった、あるいはパンクやバーストの可能性がある状態で車の使用を繰り返していた結果、タイヤのトラブルに繋がったようです。

国土交通省では公表しているデータにて、過去の統計を振り返ってもタイヤの故障発生件数が多いことを指摘。エンジンやバッテリー、冷却水など他の箇所よりも、まずはタイヤにトラブルが起こる状態となっていないかチェックするのを推奨しています。

スタンディングウェーブ現象が起こる前兆

スタンディングウェーブ現象 前兆
©soleg/stock.adobe.com

スタンディングウェーブ現象が起こる前兆として挙げられているのが、走行中に生じる次の3点です。

これらの現象はいずれも走行中では普通の振動、あるいはステアリングハンドルの効きが悪いとしか感じないのが実情です。走行中に違和感を得るよりも、事前にタイヤの点検を欠かさず行うのが重要となります。

  • ボディが左右へ小刻みに揺れる
  • ステアリングハンドルが動かしにくくなる
  • ゴムが焦げたような悪臭がする

ボディが左右へ小刻みに揺れる

最初に気づきやすいのは「ボディが左右へ小刻みに揺れる」点です。タイヤが空気圧不足でたわんでいると路面の凸凹を拾いやすいため、より左右へ車が小刻みに移動し挙動が安定しないでしょう。

ステアリングハンドルが動かしにくくなる

ボディが小刻みに揺れると同時に感じ取れる現象が「ステアリングハンドルが動かしにくくなる」です。車の挙動が安定しなくなるとステアリングハンドルで修正しようと試みるかもしれませんが、タイヤの空気圧が不足している状態であるため車がドライバーの意思に背く動きをするでしょう。

ゴムが焦げたような悪臭がする

走行中に「ゴムが焦げたような悪臭がする」のも、スタンディングウェーブ現象が起こる前兆です。空気圧が足りていないタイヤでハイスピードでの走行をしていた結果、熱や衝撃が加わり続けて、パンクやバーストが発生するでしょう。

スタンディングウェーブ現象にはどう対処する?

スタンディングウェーブ現象 対処法
©Kumi/stock.adobe.com

スタンディングウェーブ現象が生じたら、いち早く車を安全な場所に停める必要があります。とはいえ、タイヤの異常であるスタンディングウェーブ現象を運転中に目で確認することはできません。

そのまま走行し続けるとバーストが起こる可能性もあるため、なるべく安全に車を停車させて、タイヤに異常がないか点検してください。

高速道路で安全に停車するには?

高速道路でスタンディングウェーブ現象に気づいた場合は、適切かつ速やかな対応が求められます。次のポイントを守り、事故が起こらないように冷静に対処しましょう。

  • ハザードランプで他車に異常を知らせる
  • なるべく広い路肩や路側帯、非常駐車帯に停車する
  • 車を降りる際は本線車道に出ない
  • 同乗者はガードレールの外に避難させる
  • 発煙筒や停止表示器材などで後続車に停車を知らせる

以上を守り、タイヤの状態を確認したら非常電話か携帯電話を使って交通管制室またはJAFに通報しましょう。携帯電話での交通管制室への通報は緊急ダイヤル(#9910)で、JAFへの連絡は短縮ダイヤル(#8139)で行えます。

異変に気づけない場合もある

スタンディングウェーブ現象が起きても、先述したような異変に気づけない場合があります。また、予兆もなくタイヤがバーストして、対処する間もなく大事故が起きるケースも少なくありません。

スタンディングウェーブ現象は、ドライバーが発生に気づきにくい現象なのです。このように危険性の高い現象は、起きないに越したことはありません。次節では、スタンディングウェーブ現象の予防方法を見ていくことにしましょう。

スタンディングウェーブ現象を予防するには?

スタンディングウェーブ現象 予防
©Soonthorn/stock.adobe.com

タイヤをこまめに点検する

すでに何度か触れたように、スタンディングウェーブ現象はタイヤの空気圧不足を主な原因として発生します。逆にいえば、タイヤの空気圧にさえ気をつけていれば、スタンディングウェーブ現象は防げるということです。

車に乗らない間もタイヤの空気は自然と抜けていきます。月に1回は空気圧をチェックして、適正値(車両指定空気圧)を保つようにしましょう。

3年でタイヤを履き替える

古くなったタイヤはスタンディングウェーブ現象を起こしやすくなります。経年劣化によりゴムに柔軟性がなくなり、強度不足からイレギュラーな変形が生じやすくなるのです。また、経年劣化したタイヤはスリップやバーストも起こしやすくなります。

タイヤの寿命は走行距離が少なくても、車の安全性を保つために3年~4年に1回はタイヤを交換しましょう。まだ溝が残っているタイヤも古くなったら交換してください。

荷物の積みすぎに注意する

スタンディングウェーブ現象は荷物の過積載によっても起こります。荷物の重量でタイヤが極度に変形して、空気圧不足のときと同様に多重のたわみが生じてしまうのです。

このため、車への荷物の積みすぎ、わけても高速道路を走る際の過積載には注意しなければなりません。車両総重量と車両重量は車検証に記載されているので、一度チェックしてみるとよいでしょう。

半ドアになってしまうときはどうすればいい?違反になる?

ハイドロプレーニング発生時にやってはいけないこととは?

クリープ現象が原因となる交通事故に注意!事故を未然に回避しよう

執筆者プロフィール
MOBY編集部
MOBY編集部
新型車予想や車選びのお役立ち記事、車や免許にまつわる豆知識、カーライフの困りごとを解決する方法など、自動車に関する様々な情報を発信。普段クルマは乗るだけ・使うだけのユーザーや、あまりクルマに興味が...
監修者プロフィール
鈴木 ケンイチ
鈴木 ケンイチ
1966年9月15日生まれ。茨城県出身。国学院大学卒。大学卒業後に一般誌/女性誌/PR誌/書籍を制作する編集プロダクションに勤務。28歳で独立。徐々に自動車関連のフィールドへ。2003年にJAF公式戦ワンメイクレー...

\ この記事が役に立ったらシェアしよう /

MOBYをフォローして最新記事を受け取ろう

すべての画像を見る

画像ギャラリー

コメント

利用規約

関連する記事