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【アミルカー CGSs】ラリーレースでも活躍したクラシック・スポーツ

1926年に誕生したアミルカー CGSSは第二次世界大戦前のクラシックカー。小型ながら低車高にスーパーチャージャーを搭載しモンテカルロラリーで優勝を飾るなど、高性能なスポーツカーとして人気を誇りました。今は無きフランスメーカー・アミルカーのCGSSの魅力とは?

サイクルカーで人気沸騰!仏メーカー「アミルカー」の歴史

アミルカー CGSs ジャパン・クラシック・オートモービル2019

車両重量は600kgにも満たないボアチュレット(小型車)に分類される。

1900年代までの自動車はまだまだ富裕層の乗物で、大衆層には簡単に購入できるものではありませんでした。しかし1910年代に入ると、オートバイのコンポーネントを流用し、空冷単気筒・2気筒エンジンを搭載した小型で軽量な乗用車「サイクルカー」が登場。サイクルカーは各種税金も安く販売価格も安価だったため大衆層にも受け入れやすく、ヨーロッパ・アメリカを中心に爆発的にヒット。そのサイクルカー・メーカーの1つとして誕生したのが「アミルカー」です。

フランスの小型車メーカーであったル・ゼーブル社の株主ヨゼフ・ラミーとエミル・アカーは同社の経営に不満を感じ、有能な技術者エドモンド・モワイエとアンドレ・モロルとともに1921年アミルカーを設立。当時のフランスは車両重量350kg以下・排気量1,100cc以下・乗車定員2人以下の車の税金は100フランと安かったため需要が高く、アミルカーはその分野の大部分を占めるサイクルカーをターゲットに置きモデル開発を進めました。

アミルカーの開発するモデルは安価である一方性能の高さでも知られ、徐々にサイクルカーという枠を超え排気量もアップ。数々のレース参戦も果たし名声を得ることにも成功します。しかし、第二次世界大戦が勃発。大戦後には大量生産が可能なフォード・シトロエンなどが続々と大衆層モデルを量産。サイクルカーメーカーの多くが淘汰されることとなり、アミルカーも残念ながら1939年に消滅してしまうこととなったのです。

サイクルカーの枠を超えたアミルカー CGSSとはどんな車?

アミルカー CGSs ジャパン・クラシック・オートモービル2019

シャシー・エンジンも自社製とした高性能なアミルカーCGSS。

アミルカー CGSs ジャパン・クラシック・オートモービル2019

低床化されたボディフォルム。ヒルクライムや耐久レースでも活躍したのが頷ける。

1910年代に入ると、排気量が小さく安価なサイクルカーを製造するメーカーは爆発的に増えます。しかし、その性能はメーカーにより千差万別。なかには移動手段として機能するのみで最低限の乗り心地・天候への備えであるものも多くありました。そんななか、アミルカーは当時としては珍しく車のシャシー・エンジンも自社製作可能となる技術を有していました。信頼性のあるモデルを開発することで知られ、1922年にはCCを発表。人気を博します。

1924年、アミルカーはサイクルカーの枠を超え「ヴォアチュレット=小型車」に分類されるスポーツモデルCSを発表。それと同時にCSの上級グレードとなるグランスポーツCGS、さらに1926年には低床化しスポーツ性能を強化したCGSSを次々とデビューさせたのです。

アミルカーが次々に開発することとなった一連のこのスポーツモデルは、当時アミルカーとともに高性能モデルを開発しライバルとされ、ヴォアチュレット・レースを席巻していた「サルムソン」に対抗するためとも言われ、両社はモデル販売・レースともにデッドヒートを繰り広げることとなりました。

モンテカルロラリーで優勝も!CGSSのスペック

アミルカー CGSs ジャパン・クラシック・オートモービル2019

モデルタイプにはドライバーズシートとナビシートが前後にオフセットして配置するものもある。

アミルカー CGSs ジャパン・クラシック・オートモービル2019

速度計・回転計といった装備も戦前車といえ、しっかりとしている。

アミルカー CGSSは1.1L 4気筒のサイドバルブエンジンを搭載。ベースモデルとなったCSよりも排気量をアップし低床としたことで、最高速度は115km/hを達成しました。(サイドバルブエンジンとは、オーバーヘッドバルブ(OHV)よりも旧式となるガソリンエンジンの初期型となる機構で、吸・排気バルブがビストン上部でなくシリンダー脇に並列・上向きに配置される形式)

CGSSはヨーロッパを中心に盛んであったヴォアチュレット・レースにも積極的に参加。1927年に開催されたモンテカルロ・ラリーでは、スーパーチャージャーを搭載し最高出力40PSとしたCGSSが優勝。ル・マン24時間耐久レースでも活躍するなどレースカーとしても名声を誇り、1929年に生産終了となるまで軽量スポーツとして愛されたのです。

CGSSは戦前クラシックのため国内での流通は超稀少

アミルカー CGSs ジャパン・クラシック・オートモービル2019

生産台数は984台とされる超稀少車モデルCGSS

アミルカー CGSs ジャパン・クラシック・オートモービル2019

ジャパン・クラシック・オートモービル2019で走行するアミルカー・CGSS

アミルカー CGSSは、戦前(1920年代)のクラシックカーであるため、国内で出回ることは滅多にない超稀少車です。また、現在の日本の法規に合わせるためには各部に変更が必要となるため、クラシックカー専門店との密接な連携が必要と言えます。参考までに2015年に開催された歴史あるクラシックカーの祭典「サロン・レトロモービル」でのオークションでは、ロジェ・バイヨン氏の城から発見されたバーンファインドCGSSが約54,000ユーロ(日本円で約653万円)で落札されています。(2019年7月時点)

アミルカー CGSSのスペック表

エンジン4気筒サイドバルブ
最高出力38PS
最大トルク-
ボディサイズ-
車両重量550kg
トランスミッション3速MT
4速MT
駆動方式-
乗車定員1~2人
新車時車両価格-

撮影:宇野 智(MOBY)
ジャパン・クラシック・オートモービル2019にて撮影。

この記事の執筆者

石黒 真理この執筆者の詳細プロフィール

旧車、ノスタルジックカーを愛する自動車ライター。趣味は読書と、天気のいい日のドライブ。気分転換はたいてい車を運転します。今までの愛車は、マツダ・サバンナRX-7、ルーチェ、シトロエン・エグザンティア、サーブ900などです。...

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