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トーションビーム式サスペンションとは? 安価で省スペースの小型車に最適

トーションビーム式サスペンションは現在のFFコンパクトカーを中心に広く採用されています。左右のアームを鋼管で連結したトーションビームは、現在の車のリアサスペンションにもっとも合理的な特性を備えています。

トーションビーム式サスペンションとは?

マツダ デミオ サスペンション

マツダ デミオ(2014年モデル)のトーションビーム式サスペンション

トーションビーム式サスペンションとは、後輪の負荷が少ないFF用リアサスペンションのことをいいます。車輪前方から車輪軸まで延びるトレーリングアームをコイルサスペンションで懸架し、左右のアームを鋼管でつなぎあわせた構造です。「TBA(トーション・ビーム・アクスル)」と表記される場合もあります。

トーションビーム式サスペンションは、軽自動車やコンパクトカー、ミニバン商用車にも広く採用される、シンプルで合理的なサスペンション型式です。

左右のアームをつなぐ鋼管が、サスペンションアーム全体の剛性を確保すると同時に、スタビライザーと同様のロール剛性を発揮。コーナリング時はブッシュの潰れを利用してトーションビーム全体がトーイン側に向くことで、安定性を確保するように設計されています。

似たような名称に「トーションバースプリングサスペンション」があり、トーションビーム式サスペンションと混同されがちです。後者はコイルスプリングを用いますが、前者はそのかわりにトーションバー(金属の棒)をばねとして使用する、構造上の大きな違いがあります。

トーションビーム式サスペンションのメリットとデメリット

メリット

スペース効率がよい

トーションビーム式サスペンションは他のサスペンション形式に比べてコンパクト。とくに、リアシート下のスペースをほとんど使ってしまう独立懸架式サスペンションとは異なり、アームの取り付け位置は車輪前方の部分とビーム部分のストロークを確保するだけで済むため、広い室内スペースを必要とするコンパクトカーや小型ミニバン商用車などに多く採用されます。

構造が単純であるためコストが安い

トーションビーム式サスペンションは独立懸架式に比べて部品点数が少なく、構造が単純であるため、より低コストでの生産が可能です。低コストながらある程度の性能を確保できるため、低価格車に多く用いられます。また、単純な構造は整備性にも優れ、ユーザーのメンテナンスコスト削減にも寄与します。

デメリット

独立懸架に比べて乗り心地に劣る

トーションビーム式サスペンションは、独立懸架式サスペンションに比べ路面追従性に劣る傾向があります。左右のアームがある程度固定されているため、片方がタイヤが上下すると反対側のタイヤも同じような動きをしてしまうからです。とくに多い荒れた路面では、車体後側全体がバタバタと上下動を繰り返すため、乗り心地がよいとはいえません。

スポーツ走行には不向き

トーションビーム式サスペンションは横方向からタイヤに大きな力が加わると、アーム支点部のゴムブッシュを変形させて、サスペンション全体がトーインになるように設計されています。この仕組みにより強い横Gが働いても、安定したコーナリング性能を発揮できるように設計されています。

しかし、この仕組みは内輪が浮いてしまうような状況では機能しなくなってしまうので注意が必要です。また、サスペンションに強い負荷がかかるスポーツ走行には不向きです。

よって、荒れた路面の高速コーナーや、高い横Gのかかる高速道路の急カーブでは、運転に注意しましょう。

トーションビーム式サスペンションを採用した代表車種

初代フォルクスワーゲン ゴルフ

トーションビーム式サスペンションをはじめて採用したのは、1974年に登場した初代フォルクスワーゲンゴルフ。非常に高い性能を発揮したトーションビーム式サスペンションは、後輪の負荷が少ない小型FF用リアサスペンションとして爆発に普及し、現在に至ります。

初代・2代目アルファード/ヴェルファイア

2代目トヨタ アルファード 2008年

高級ミニバンとして販売されている初代と2代目のトヨタ アルファード/ヴェルファイアには、トーションビーム式サスペンションが採用されていました。しかし、乗り心地を向上させるために3代目トヨタ アルファード/ヴェルファイアではダブルウィッシュボーンに変更されています。

4代目ホンダ シビック タイプR

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ホンダ シビック タイプR 2015年

4代目ホンダ シビック タイプRは、トーションビーム式サスペンションにもかかわらず、ニュルブルクリンクの荒れた路面で好タイムをマークするポテンシャルが与えられています。

マツダ 3

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マツダ 3 2019年

マツダ3は新設計のトーションビーム式サスペンションを採用。従来のサスペンションよりも自然な車の動きと、よりドライバーの感覚になじむフィーリングを目標に改良が加えられています。

TBAは低コスト&省スペースのサスペンション

トーションビーム式サスペンションは、生産コストとスペース効率に優れながら、ある程度の走行性能を確保できる、実用車にとって最善のサスペンション型式です。スポーツ走行性能や乗り心地では独立懸架式サスペンションには劣るものの、目的に応じて細部を調整して性能を向上させたり、特性を変化させることができます。

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