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【アルファロメオ SZ ザガート】怪物と呼ばれた稀少モデル

アルファロメオ・SZザガートは生産台数わずか1,000台の超レアモデル。先鋭的なそのボディデザインから「イル・モストロ(怪物)」と呼ばれました。90年代におけるアルファロメオ最後のFRであるSZザガートの魅力とは?

独創的モデルを製造するカロッツェリア・ザガートの歴史

アルファロメオ SZ ザガート コンコルソ・デレガンツァ・京都2019

角目6灯の威風堂々としたフロントマスク。

こちらもザガートが手掛けたアルファロメオ ジュリエッタ SZ

ザガート(現:SZデザイン)はイタリア・ミラノに本拠をかまえ、車をはじめとする工業デザインやプロデュースを行うカロッツェリア(少数精鋭の工房)です。創業は1919年、航空機の機体製造に携わっていた技術者 ウーゴ・ザガートにより設立されました。

ザガートの開発する車は彼の経歴が生かされ、空力を考慮した車体設計・開発を行うことで知られ、レースでも活躍します。第二次大戦後は息子であるジャンニ・ザガートや現代のカーデザインの基礎を作ったとされるエルコーレ・スパーダの加入によってその名声は一躍広まることとなり、アルファロメオ・マセラティ・ランチア・フィアット・アストンマーチンをはじめとするモデルの車体デザインなどを手がけました。

ザガートのデザインするモデルは軽量で空力を意識したものであるのに加え、アヴァンギャルド(前衛的)な独特の架装が特徴。特にルーフの形状が2つのコブのように膨らむ「ダブルバブル・ルーフ」は有名です。アルファロメオとの関係は戦前・戦後を通し密接で、代表作としては6C 1750 GS、ジュリエッタ SZ、ジュリア TZ、TZ3 コルサなど枚挙にいとまがありません。

ザガートSZの挑戦的デザインは怪物と呼ばれた!

アルファロメオ SZ ザガート コンコルソ・デレガンツァ・京都2019

ボディはFRP、ルーフはアルミ製としたSZザガート。

アルファロメオ SZ ザガート コンコルソ・デレガンツァ・京都2019

ロードクリアランス(最低地上高)はぎりぎりまで低くしている。

1989年、のちのSZへとつながるプロトタイプ「ES-30」がジュネーブモーターショーにおいて、ワールドプレミアを実施。車体デザインはカロッツェリア・ザガートによるものでしたが、市販化するにあたっての車体デザインでは複数のチームが競合するかたちとなっていて、ワルター・デ・シルバを中心とするアルファロメオ、ロバート・オプロンなどが在籍したフィアットデザインセンター、そしてザガートが提案していたのです。

最終的に車体デザインが採用されたのは、ロバート・オプロンやアントニオ・カステッラーナが在籍するフィアットデザインセンター。パワートレインのベースはアルファロメオ75とし、製造をザガートが受け持つこととなりました。車名SZはスプリント・ザガートの略。ボディにはザガート製のあかし「Zバッジ」が配されています。

アルファロメオ SZ ザガート コンコルソ・デレガンツァ・京都2019

トランスアクスル機構により、前後重量配分は56:44でベストバランスとしている。

アルファロメオ SZ ザガート コンコルソ・デレガンツァ・京都2019

リアスポイラーはカーボン製だ。

SZザガートは、過去にSZ(スプリント・ザガート)の名が冠されたアルファロメオのモデルが持つ、軽量かつレースカーさながらのフォルムとは一線を画しています。そのため、ファンからは賛否両論を呼びますが、挑戦的ともいえる個性のあるデザインは人々に強烈なインパクトを与え、別名「イル・モストロ(Il Mostro=怪物)」と呼ばれました。

ザガートSZはアルファロメオ90年代最後のFR

アルファロメオ SZ ザガート コンコルソ・デレガンツァ・京都2019

トランクスペースにはスペアタイヤが収納されるため、収納力はほぼ無い。

アルファロメオ SZ ザガート コンコルソ・デレガンツァ・京都2019

インパネ部分にもカーボンが貼られ、スポーティだ。

アルファロメオ SZザガートは強烈なインパクトをもつ外観だけでなく、パワートレイン・スペックに関しても怪物と呼ぶにふさわしい仕上がりです。

エンジンはアルファロメオ75に搭載された3.0L V型6気筒のFR(前置きエンジン・後輪駆動)。前置きエンジンの場合、重量配分がフロントヘビーになりがちですが、トランスミッションをディファレンシャルケースと一体とし後車軸側に配置する「トランスアクスル機構」とすることにより、前後重量配分56:44の理想的配分としています。

さらにサスペンションには、アルファロメオ75のグループAレースカー仕様と同等の前輪ダブルウィッシュボーン・コイル、後輪固定式ネガティブ・キャンパー付きのドディオン採用とし、優れたコーナリング・ハンドリング性能を誇りました。

理想の重量配分・各部に施された絶妙なセッティングなどにより、アルファロメオ SZザガートの最高出力は210PS/6,200rpm、最高速度は250km/hを誇り、当時のアルファロメオのモデルのなかでも最もパワフルなモデルとなりました。

アルファロメオ SZ ザガート コンコルソ・デレガンツァ・京都2019

本革仕様の豪華なシートはザガートデザインによるもの。

アルファロメオ SZ ザガート コンコルソ・デレガンツァ・京都2019

着座点が低いドライビングポジションはまさにスポーツカーである。

アルファロメオのFRモデルは、SZザガートやその後に販売されたオープントップRZが販売終了となった1993年以降、2006年にアルファロメオ・コンペティツィオーネが誕生するまでのあいだ15年近く途絶えることとなります。アルファロメオ ザガートSZは、90年代アルファロメオ最後のFRとなったのです。

アルファロメオ SZザガートの価格は稀少ゆえ高め

アルファロメオ SZ ザガート コンコルソ・デレガンツァ・京都2019

空力を意識した美しいサイドビュー。

アルファロメオ SZ ザガート コンコルソ・デレガンツァ・京都2019

怪物と呼ばれたSZザガートはまさに記憶に残る1台と言える。

アルファロメオ SZザガートは、生産台数1,000台の超レアモデルであるため、個体が出回ったとしても価格は高めです。ちなみに現在の相場は700万から800万ほど。また、古いカロッツェリア製のため、個体の完成度にはバラツキもみられるようなので、注意が必要です。(2019年6月時点)

最新「ザガート」中古車情報!

本日の在庫数 3
平均価格 609万円
本体価格 570〜100000万円
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アルファロメオ SZザガートのスペック表

エンジンV型6気筒
最高出力210PS/6,200rpm
最大トルク25.0kgf・m/4,500rpm
ボディサイズ全長:4,060mm
全幅:1,730mm
全高:1,300mm
ホイールベース:2,510mm
車両重量1,260kg
トランスミッション5速MT
駆動方式FR
乗車定員2人
新車時車両価格-

撮影:宇野 智(MOBY)
京都・二条城で開催された「コンコルソ デレガンツァ 京都2019」にて撮影。

この記事の執筆者

石黒 真理この執筆者の詳細プロフィール

旧車、ノスタルジックカーを愛する自動車ライター。趣味は読書と、天気のいい日のドライブ。気分転換はたいてい車を運転します。今までの愛車は、マツダ・サバンナRX-7、ルーチェ、シトロエン・エグザンティア、サーブ900などです。...

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