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【ホンダ S800クーペ】挑戦し続けたSシリーズの集大成

エスハチの愛称で知られるホンダS800は、4輪乗用車市場に打って出るために開発された小型スポーツ「Sシリーズ」のまさに集大成といって過言ではありません。モータースポーツの分野でも数々の逸話を残す軽量スポーツ・ホンダS800の魅力に迫ります。

S800が誕生した60年代ホンダの歴史

ホンダ S800 ジャパン・クラシック・オートモービル2019

S800にはSシリーズ初となるラジエターグリルにホンダエンブレムが入れられた。

ホンダS800の始祖となるSシリーズの誕生は1962年。60年代のホンダにはどのような歴史があったのでしょうか。1950年代のホンダは2輪車の分野で、初の4ストロークエンジンとなるドリームE型や、今でも単一シリーズとして世界一の販売台数を誇る「スーパーカブ」のヒットにより、企業としての体制も強固なものとなり、いよいよ60年代4輪乗用車分野への進出を目指します。

そんななか、1961年になると当時の通産省は貿易自由化にそなえ、自動車産業の基本指針となる通称「特振法案」を示します。同案は行政側が定めたカテゴリーにカーメーカーを振り分け、それに合った形で企業の統廃合を行うもので、この法案が成立すれば新興企業が自由に4輪分野には参入することができなくなるおそれのあるものでした。

そこでホンダは、法案が成立する前に是が非でも4輪車の生産実績を作ることが急務に。その車こそがS800につながる「Sシリーズ」だったのです。ホンダは急ピッチで開発を進め、1962年6月ついに建設途中の鈴鹿サーキットでプロトタイプS360を大観衆のなか披露します。また、本田宗一郎氏自らが既存メーカーにこだわらず新興メーカーにも門戸を開くことを行政側に力説。その後、特振法は成立することなく廃案となりました。

S800はホンダスピリットを継承した集大成

ホンダ S800 ジャパン・クラシック・オートモービル2019

ボンネット上のパワーバルジ(ふくらみ)は、将来のインジェクション(燃料噴射装置)装備に備えてのものだった。

ホンダ S800 ジャパン・クラシック・オートモービル2019

流麗なクーペスタイルが美しいS800のサイドビュー。

1962年、ホンダは開催された全日本自動車ショーに、完成したプロトタイプS360とスポーツ500を出展。惜しくもS360は販売には至りませんでしたが、スポーツ500が翌年から「S500」として市販化されることに。この車こそが市販化Sシリーズの初代です。軽量コンパクトでありながら洗練されたスポーツスタイルをもつS500は、発売に際しての「価格あてクイズ」などのコマーシャル効果もあり、話題を集めました。

S500販売からわずか半年後の1964年3月、排気量をアップし正常進化を遂げたS600がデビュー。S600は基本構造ではS500を継承しつつラジエターグリル・バンパーデザインが変更。ヘッドライトカバーが外されるかたちとなりました。

1966年1月、S600はさらに進化をとげ排気量を791ccまで引き上げ、ついに集大成となるS800がデビュー。オープントップとなる「S800」とハードトップとなる「S800クーペ」がラインナップされました。この代からフロントグリルにはホンダエンブレムが付加され、ボンネット上には将来のインジェクション(燃料噴射装置)装備にそなえ、クリアランス確保のためのパワーバルジ(ふくらみ)が設けられています。(インジェクションの搭載は残念ながら見送られることとなったが、金型は完成していたためパワーバルジはそのまま残るかたちとなった)          

ホンダらしい独創的アイデア満載!S800のスペック

ホンダ S800 ジャパン・クラシック・オートモービル2019

初期型ではトランクスペース確保のために、リアサスペンションはチェーンドライブが採用された。

ホンダ S800 ジャパン・クラシック・オートモービル2019

先代のテールライトは丸形だが、S800では横長リアコンビネーションライトとなった。

S800のパワートレイン・スペックには、ホンダらしい独創的なアイデアと発想が随所に見て取れます。エンジンは、791ccにまでアップされた排気量に直列4気筒DOHCをフロント・縦置きとしたFR(前方エンジン・後輪駆動)で、各気筒には1つのCVキャブ、等長エギゾーストマニホールドも採用されました。

さらに興味深いのはサスペンションで、フロントはダブルウィッシュボーン・トーションバースプリングですが、リアではチェーンドライブ機構のケース自体にトレーリングアームを兼用させ、それをコイルスプリングと組み合わせるという2輪で培った技術を応用したユニークなものに。これはトランクスペースにスペアタイヤを積み込むための秘策だったようです。(チェーンドライブ方式は、1966年にはライブアクスル方式へと変更となった)

ホンダの開発者魂が随所に垣間見えるS800の最高出力は70PS/8,000rpm、0-400m加速は16.9秒、最高速度は160km/hと当時のトップクラスを誇り、モータースポーツでも大活躍。1967年に開催された日本グランプリ・GT-1クラスでは参戦プライベーターの全モデルがS800となり、「エスハチのライバルはエスハチ」と有名になったのです。

S800は今でも世界中で人気のため価格は高め!

ホンダ S800 ジャパン・クラシック・オートモービル2019

雰囲気のあるウッドステアリングは全車に標準装備とされた。

ホンダ S800 ジャパン・クラシック・オートモービル2019

世界ではMG・MGBやトライアンフ・TR5とともにコンパクトスポーツとして有名だ。

ホンダ S800/S800クーペは、スタイリングの良さや独創的なパワートレインなどから世界中にファンが存在することで知られます。そのため、一般的なドライブシャフトに変更される前のチェーンドライブ採用の初期型モデルなどは、より稀少となるため高額となるようです。

価格はその個体のコンディションにより一概には言えませんが、程度良好のものでは500万~800万ほどとなっています。また、クラシックカーは購入以外にも、パーツ・整備を含め信頼できる専門ショップを見つけておくことが大切だと言えるでしょう。(*2019年6月時点)

最新「S800」中古車情報!

本日の在庫数 7
平均価格 494.3万円
本体価格 450〜100000万円
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ホンダ S800クーペのスペック表

エンジン水冷直列4気筒DOHC
最高出力70PS/8,000rpm
最大トルク6.7kgf・m/6,000rpm
ボディサイズ全長:3,335mm
全幅:1,400mm
全高:1,200mm
ホイールベース:2,000mm
車両重量720kg
トランスミッション4速MT
駆動方式FR
乗車定員2人
新車時車両価格65万円

撮影:宇野 智(MOBY)ジャパン・クラシック・オートモービル2019にて撮影。

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