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10速ATとは?ホンダが新開発の10速オートマチックトランスミッションがすごい!

2015 ホンダミーティングで公開された「10速自動変速機」

ホンダ RLX Sport Hybrid SH-AWD 2014年型

AT(俗にいうオートマ)車と、MT(俗にいうマニュアル)車の最たる違いは、ギアの変則を自動で行えるATとドライバー自らが行うMT、なんてことはみなさんもご存知かと思います。

昨今はAT車の方が主流になりつつあり、各車のスペック一覧でも「CVT」や「4AT」などといった表記が目立っています。

CVTはギアを無段階で。4ATはギアを4段階で自動で変換できる機能であることをそれぞれ意味しています。

画像はアキュラRLX

CVTとは?そのメリットとATとの違い│エンジン音や燃費は?

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日本では2リッター以下の車はほとんどがAT。その中でも、決まった段数のギアを持たず切り替えにエネルギーを使わず結果として燃費が良くなるといった理由で無段階変速機であるCVTが爆発的に普及しています。

都心をはじめ、日本は道路や駐車場が欧米などと比べ幅も狭く細かい運転を余儀なくされ、また信号なども多く渋滞も頻繁におこることからAT(CVT)の方が使い勝手がよいとされているのです。

ギアを自動変速できるということは、すなわちMT車と比べて「運転が楽である」ということ。そして今、AT車=オートマチックトランスミッションの多段化が世界的なトレンドになっています。

そんな中ホンダ社は「2015 Honda Meeting」にて、従来の6速ATに代わる世界初のFF用プラネタリー10速ATを開発したと発表しました。

10速の多段ATって何が凄いの?

そもそも、FF(前部エンジン & 前輪駆動)車向けに段数二桁という10速ATを開発したのはホンダが業界初。

ホンダはこれまで「AT=平行軸式」という方程式を使っていましたが、ギアの段数が増えると構造が複雑化・重量化という難点もあり、コンパクト化、軽量化、シンプルな構造にすべく遊星歯車式をはじめて導入しました。

遊星歯車というのは、「サンギア」と「リングギア」、さらには複数ある「ピニオンギア」で構成されています。それぞれのギアのかみ合うパターンが変化することで、1つの歯車であるにも関わらず、複数の減速比を生み出せるのです。AT用の歯車として、不動の仕組みです。

遊星歯車式を導入し、コンパクト化した事で変速機の長さを従来の6段ATと同等に抑えました。要するに、従来6段ATが収まっていたスペースに、そのまま10段ATを搭載できるのです。

日本には3.5Lエンジンに6速ATを組み合わせる車種が数多く存在するため、この6速ATを、新開発の10速ATは置き換えることになることが必至といわれています。そうなった場合、高級車を中心にATの”普通”が大幅に変わるというわけです。

ホンダによると、従来の6ATに比べ、追い越し加速14%以上短縮、変速応答時間30%短縮、燃費6%以上向上、クルーズ時のエンジン回転数は26%以上低減したとしています。エンジンや変速機は、一発モノの試作を良いものに仕上げるのは難しくはありません。

問題はいかにコストを下げ、性能を保ちつつ量産できるか。そういった意味で今回の発表は、特に高級車など大排気量車のオーナーにとって「ついにきたか」というものとなるのです。

素朴な疑問「多段じゃなくて全部無段のCVTにしちゃえばよくない?」

10速オートマチックトランスミッションが凄い事がわかったけど、段数を増やした多段ATではなく、CVTは無段変速なんだからギアは全部CVTで良いのではないかと疑問が浮かびます。

しかし、すべての車をCVTにする事が出来ないのには、大人の事情がありました。

まず、高級乗用車をはじめとした大排気量エンジンが発する大きな出力に耐えうるCVTが開発されていないことが主な理由。仮に開発をしたとしても、コスト面や性能面でATに及ばないという理由から現在では通常のATを採用しているのです。

またCVTでは急な坂道などで加速した際、アクセルを踏んでも加速しないといった現象が起こり得りますがATでは変速用のギアを有するためにCVT特有の“滑り”が発生しにくいつくりとなります。

それで、CVTの特徴である「変速ショック」を極力減らす(もしくは感じさせない)ように、高級車など大排気量に向けたATは6段や7段、もしくは8段というように多段化させて対応しているのです。

AT車多段化のメリット

多段ATには大きく分けて2つのメリットがあります。燃費改善とエンジン騒音の低減の2つです。多段ATでは細かい調整ができる、ギア比が最も効率的なもので走行できるため燃費が向上します。

また、多段ATの採用で上下の減速比をなるべく抑え、エンジン回転数を低くするため騒音の低減も期待できます。

10速オートマチックトランスミッションでダイレクトな走りを

ホンダ初の10速ATは変速フィールも自然で、上段の減速比を低くしてエンジン回転数を低めることで騒音や燃費が低減。同時に変速ショックも少なく実に評判が良いです。

10速から6速、7速から3速など3段飛びの変速を実現して変速の応答時間を3割以上短縮するなど、走りや燃費を両立したというホンダの多段AT、新開発10速オートマチックトランスミッション。

他社も10速ATを開発中とのことですが、ホンダが一足先に実用化を発表しました。市販車に搭載されるのは数年後と言われています。早く発売して欲しいところです。

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執筆者プロフィール
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