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【アルファロメオ ジュリア ヴェローチェQ4 試乗】このクルマを相棒にしたくなる4つの理由

人とは違うセダンに乗りたい!その思いにはアルファロメオ ジュリアが応えましょう。富士山麓の山道を巡った試乗&フォトレポートをお届け。同じセグメントのライバル車とは一味違う、ジュリアを相棒にしたくなる理由を4つ紹介します。

アルファロメオ ジュリアの4WD「ヴェローチェ Q4」に試乗

今回の試乗レポートは、MOBY編集部 池田貴美がお届けします。試乗車は、アルファロメオ ジュリアの4WD、ヴェローチェ Q4。アルファロメオは筆者がクルマを好きになるきっかけになったブランド。個人的な思い入れもひとしおです。

アルファロメオはイタリアの自動車メーカー。イタリア車というとフェラーリやランボルギーニなどの超高級ブランドのイメージが先行しがちで、アルファロメオはどちらかといえばマイナーなブランドかもしれません。

しかしジュリアは、高級車にも通じるデザインや歴史を継承しつつ、日常生活の相棒としての気軽さと、操る楽しさを兼ね備えています。

同じセグメントのライバル車とは一味違う、ジュリアを相棒にしたくなる理由をお伝えします。

アルファロメオ ジュリアとは?

アルファロメオ ジュリア ヴェローチェ Q4

富士山の麓の森で撮影

ジュリアはアルファロメオの4ドアスポーツセダンで、現行モデルは2016年から発売されています。

もともと「ジュリア」という車は、戦後のアルファロメオが1962年に発売したもの。初代ジュリアは、現在のアルファロメオの基礎を築いた小型乗用車「ジュリエッタ」の後継モデルでした。1962年から1977年まで続いた長寿モデルであり、現在も世界中に愛好家が存在しています。

現行モデルは、4ドアセダン/ステーションワゴン「159」の後継モデル。数字を用いたネーミングをやめ「ジュリア」の名前を復活させました。ここは個人的にアツいポイントなので後述します。

ちなみに「ジュリア」のイタリア語表記は「Giulia」。英語表記で「Julia」となる女性の名です。「ジュリエッタ」のイタリア語表記は「Giulietta」。ロミオとジュリエットの「ジュリエット」と同じ女性の名称です。(発音の仕方が異なっているのみ)直訳すれば「小さなジュリア」で、アルファロメオ ジュリアとジュリエッタの大きさとも対比されています。

初代のアルファロメオ ジュリア

1965年 アルファロメオ ジュリア GTC

2019年4月7日に東京 日本橋で開催された「ジャパン・クラシック・オートモービル 2019」に出展されたアルファロメオ ジュリア GTC(1964年)は4人乗りの2ドアオープン。生産台数は1,000台という稀少車。

アルファロメオ 159

試乗車はAWDのヴェローチェ Q4

アルファロメオ ジュリア ヴェローチェQ4

千葉県印旛沼で撮影

試乗車は、アルファロメオ ジュリア ヴェローチェ Q4。左ハンドルのAWD4WD)モデルです。ジュリアの駆動方式はFRが基本。「ヴェローチェ Q4」のみが四輪駆動となります。

1. 「曲がりたくなる」気持ちの良いハンドリング

アルファロメオ ジュリア ヴェローチェ Q4

富士山の麓の景観良い県道72号「富士白糸滝公園線」沿いを走る

アルファロメオは昔からハンドリングが良く気持ちよく走れるクルマとされています。現在のアルファロメオでも同じです。

ジュリアのハンドリングは、クルマに詳しい方でなくても乗ってすぐにわかると思います。

ハンドルを目一杯切ったときの回転する範囲(ハンドルの「ロック・トゥ・ロック」)は、一般的な乗用車に比べると少なくなっています。同じ半径で曲がるとき、ジュリアは他の車よりもハンドルを切らずに曲がることができます。簡単に言えば、交差点でハンドルを切り足さなくても曲がれるということです。

そのため、カーブが続く山道では最高に気持ち良いハンドリングを体感できました。また、足回りとボディがしっかりしているのでふらつくことはなく、安定して曲がってくれます。

2. 「俊足」気持ちの良い加速

アルファロメオ ジュリア ヴェローチェ Q4に搭載されるエンジンは、2.0L直列4気筒ターボエンジン(ガソリン)で、最高出力は280馬力最大トルクは400N・mです。国産車でジュリアとがっつりライバルとなるスポーツセダンはありませんが、一時ニュル最速となったホンダ シビック タイプR とスペックが近くなっています。

シビック タイプRも2.0L直列4気筒ターボエンジン(ガソリン)で最高出力は320馬力、トルクは400N・mでジュリアと全く同じです。40馬力の差がありますが、国産車で280馬力以上のエンジンを搭載するモデルは数少なく、比較するとジュリアのハイスペックさがおわかりいただけると思います。

スペックだけ見ても十分速そうなイメージを持ちましたが、実際に乗ってみると、めちゃくちゃ速いというより、気持ちの良い速さ。「俊足」という言葉がぴったりではないかと思いました。

四輪駆動ですから、4つのタイヤがしっかりと路面を掴みながら加速していきます。直進安定性もよかったので、アクセルを強く踏めに踏んでも安心できます。

アルファロメオ ジュリア ヴェローチェ Q4 DNA

ドライブモードの切替ノブはセンターコンソールにある

ドライブモードは「D」「N」「A」の3種類。本格的なスポーツ走行を楽しめる「D(ダイナミック)」ではエンジン音もアクセルレスポンスも変わります。「N(ノーマル)」は出足が柔らかで、街乗りも快適に。「A(オールウェザー)」は滑りやすい状況下での操作性が高まります。一人で無心になって走りたいときはDモード、家族を乗せるときにはNモード、雨天時はAモードがおすすめです。

3. 一線を画する無二の顔つき

アルファロメオ ジュリア ヴェローチェ Q4

ここも富士山の麓の森。

駐車場に停まっていたら思わず足を止めてしまうような顔つき、ジュリアはライバルの輸入セダンの中ではひときわ異色な存在です。人とは違うセダンに乗りたい方にはぴったりのクルマでしょう。

アルファロメオのアイコンともいえる縦型フロントグリルは、スポーティなハニカムメッシュ。角のとれた滑らかな形のヘッドライトと相まって、フロントフェイスは鳥の顔つきに似ています。

実質的な先代モデル・159が直線の多い堅牢なサメ顔だったことを考えると、ジュリアという可愛らしい名前にふさわしい、優しく穏やかな顔つきになりました。

4. スポーツセダンらしい内外装デザイン

アルファロメオ ジュリア ヴェローチェ Q4

富士吉田市の農道で撮影

アルファロメオらしい特徴的な顔つきとは対象的に、ジュリアのボディラインや内装はスポーツセダンとして美しくまとまっています。

リアシルエットもふくらみを持たせたデザインで、優雅な雰囲気。プレスラインも曲線・曲面が意識されており、ボディカラーの艶やかさを際立たせています。

ジュリアのインテリアは肩肘を張らなくてよい雰囲気。日常のドライブでもいかめしくなく、落ち着いていて、とても好印象でした。

試乗車のインテリアは黒。センターコンソールが全体的にドライバーに向けられており、コックピットのような印象を受けます。高級感よりも、ドライバーの操作性や居住性が重視されたデザインです。

ジュリア ヴェローチェおよびスーパーにはharman/kardon® のサウンドシステムが採用されており、サラウンドスピーカー2基とサブウーファー1基を含む、合計14基もスピーカーが搭載されています。スポーツセダンのため、静粛性が極めて高いというわけではないのですが、ドライブしながらお気に入りの音楽を聴くには何の問題もありません。

アルファロメオ ジュリア ヴェローチェ Q4

成田空港の撮影スポット「ひこうきの丘」で撮影

夜間のライトオンデザインも素敵です。白く光っているのはドアハンドルライト。やや青白く見えるのはボディカラーが青のためです。

LEDヘッドライトを点灯させると、角のとれた滑らかな形がくっきり浮かび上がります。向かって外側が丸く点灯するのがオシャレ。

テールライトはひらがなの「つ」のような形に点灯。ナンバープレートとの横のラインが揃っており、落ち着いた雰囲気です。

試乗車ジュリアのスペックと価格

アルファロメオ ジュリア ヴェローチェ Q4

富士五湖の一つ西湖のほとりで撮影。

アルファロメオ ジュリア8
グレード:ヴェローチェQ4
ボディカラー:ミザーノブルー
全長:4,655mm
全幅:1,865mm
全高:1,435mm
乗車定員:5名
車両重量:1,670kg
エンジン:直列4気筒 マルチエア16バルブ インタークーラー付ターボ
最高出力:206kW[280PS]/5,250rpm
最大トルク:400N・m[40.8kgf・m]/2,250rpm
燃料:無鉛プレミアムガソリン
駆動方式:4WD
トランスミッション:8速AT
JC08モード燃費:12.0km/L
新車車両価格:5,970,000円(税込)

高速道路で燃費は9~12km/L

JC08モード燃費は12.0km/Lということですが、街乗りは7~8km/L、ストップ&ゴーが多い都市部では5〜6km/Lといったところ。郊外や山間部であれば8~9km/Lで走りを楽しみながらドライブできます。

高速道路は80~100km/h巡航で12~13km/L、追い越し時などアクセルを踏みこむことが多くなると10km/Lを切ります。燃料はハイオク。走りを楽しみたいのなら、経済性は犠牲にしましょう。

ヴェローチェQ4だけでなくFRや低出力モデルも優秀

ヴェローチェにはFRで右ハンドルのノーマルモデル(587万円)もラインナップしています。4WDは280馬力のパワーを余裕をもって扱うことができるうえ、ハンドリングも軽快でノンストレス。FRと4WDの価格差は10万円ですので、迷ったら思い切って「ヴェローチェQ4」を選ぶのもアリだと思います。

また、同じくFRの「スーパー」は200馬力の低出力モデル(543万円)ですが、こちらも評価が高くなっています。

次からは、輸入車スポーツセダンのライバル車と、ジュリア ヴェローチェQ4のスペックや価格を比較してみます。

ライバル車と比べてもコスパ優秀!価格の割に速い

ジュリアのライバル車はCセグメントのスポーツセダンになります。スペックや価格帯から、「フォルクスワーゲン アルテオン」「メルセデス・ベンツ Cクラス」「BMW 3シリーズ」をピックアップ。ジュリア ヴェローチェQ4と比較してみました。

▼アルファロメオ ジュリア ヴェローチェQ4
 最高出力:280PS
 車両価格:597万円

結論から言えば、280PSで600万円以下のセダンとなると、ジュリアの対抗馬はフォルクスワーゲン アルテオンでしょう。ベンツやBMWも魅力的ですが、同価格帯のグレードは馬力でジュリアに劣ります。「クルマの価値=馬力」というわけではありませんが、「この価格でこんなに速いのか!」という体験はジュリアやアルテオンならではの魅力でしょう。

ジュリアとアルテオンで異なるのは、運転支援技術の有無。アルテオンには車線を逸脱しそうになるとステアリング操作をサポートする機能※が搭載されていますが、ジュリアは車線逸脱警報のみ。車がステアリング操作に介入することはありません。
「ハンドリングはドライバーの意のままに」という、アルファロメオらしいこだわりが現れているジュリアには、あえて導入していないと言ってよいでしょう。

その他、前車追従や自動ブレーキなどの運転支援は、両車ともほぼ同じ機能が利用できます。

※ハンドル操作と加速・減速などのうち、同時に複数の操作を車が支援してくれる運転支援機能には以前、「自動運転レベル2」という表現が用いられていたが、あくまでも運転支援機能であるため、表現が改められた。なお、完全自動運転は「レベル5」に相当する。

フォルクスワーゲン アルテオン

ライバル車として最も競っているのはアルテオンでしょう。全車四輪駆動なうえ、最高出力280PS、「エレガンス」「R-ライン アドバンス」などの上位グレードは599万円です。ボディサイズはアルテオンの方がわずかに大きめです。

▼フォルクスワーゲン アルテオン
 最高出力:280PS
 車両価格:549万~599万円

メルセデス・ベンツ Cクラスセダン

Cクラスセダンには唯一の四駆モデル「C 200 4MATIC アバンギャルド」がラインナップしており、価格帯も同等のため、ジュリア ヴェローチェQ4のラインナップとしてピックアップしました。

▼メルセデス・ベンツ C 200 4MATIC アバンギャルド
 最高出力:184PS
 車両価格:588万円

最高出力は184PSと、ジュリア ヴェローチェには劣ります。
運転支援システム「インテリジェントドライブ」を全車搭載しており、前車追従機能、ステアリング操作アシストなどが利用可能です。

Cクラスのガソリンエンジンモデルでは、この「C 200 4MATIC アバンギャルド」が最高出力となっています。(ディーゼルエンジン搭載の最高出力は「C 220 d アバンギャルド」の194PS)

つまり、Cクラスにジュリア ヴェローチェの280PSと同等のパワーのモデルはありません。それ以上はハイパフォーマンスラインの「AMG」に、3.0~4.0Lエンジン搭載の390~510PSのモデルがラインナップ。価格も959万円~1,407万円といっきに跳ね上がりますので、ライバルとは言えなくなってしまいますね。

BMW 3シリーズセダン

先日フルモデルチェンジして日本発売となった3シリーズセダンからは、スポーティグレード「Mスポーツ」をピックアップしました。

▼BMW 320i M Sport
 最高出力:184PS
 車両価格:583万円

▼BMW 330i M Sport
 最高出力:258PS
 車両価格:632万円

3シリーズは運転支援システム「ドライビング・アシスト・プロフェッショナル」などを全車搭載しており、前車追従機能、ステアリング操作アシストなどが利用できます。
「320i M Sport」「330i M Sport」はいずれもジュリア ヴェローチェQ4よりもパワーは劣ります。価格帯は「330i M Sport」が頭ひとつ上、といったかたちです。

ジュリア クーペこと「スプリント」復活の噂も?

ジュリア スプリント(新型2ドアクーペ)の予想CG

アルファロメオは1906年に、高性能なスポーツカーメーカーとしてその歴史をスタートします。当時、車の名前には「1600」「1900」などの数字が用いられていましたが、第二次大戦後に「ジュリエッタ」「ジュリア」といった可愛らしい名前が付けられるようになりました。

そのため、近年のアルファロメオにおいて、4ドアセダン「159」の後継モデルに「ジュリア」が、4ドアハッチバック「147」の後継モデルに「ジュリエッタ」の名前が採用されたことは、アルフィスタ(アルファロメオ愛好家のこと)にとっても嬉しいニュースでした。

さらに、ジュリアの歴史においては1963年に2ドアスポーツクーペ「ジュリア スプリントGT」が登場しているため、現代版ジュリアにも「ジュリア スプリント」の名前で2ドアクーペがラインナップするのでは?という噂もあるようです。

インターネット上では、「新型ジュリア スプリントはハイブリッド車になる」という情報も飛び交っています。

噂によれば、フェラーリのハイブリッドモデル「ラ・フェラーリ」に搭載されているハイブリッドシステム「HY-KERS」をさらに発展させたものが採用されるとも。高性能の電気モーターによって、ガソリンエンジンが苦手とする低速域でのトルクを補うという、エコよりも走りを重視したモデルになると期待されています。

まだ推測の域を出ませんが、時代は変わってもアルファロメオという車に対する「走り重視」への期待は変わらないようです。

「ジュリア」の名前から受け取るアルファロメオからのメッセージ

アルファロメオのフラッグシップセダン「ジュリア」は、国産セダンやドイツ御三家にはない個性的なスタイリング。自らハンドルを握る楽しさを味わいたいというドライバーにはぜひおすすめしたモデルです。

さらに、アルファロメオという自動車メーカーの魅力は、クルマそのものだけでなく戦前から脈々と続く歴史と伝統にあると、個人的に思っています。もちろんこれは、アルファロメオだけにとどまらず、国内外の自動車メーカーに言うことができます。

ジュリアが誕生する前は、車の名前には「1600」「1900」などの数字が用いられていました。第二次世界大戦後、「ジュリエッタ」「ジュリア」といった可愛らしい名前が付けられるようになった理由は諸説ありますが、わたし個人としては「戦後から復興に向かう人々の明るい気持ちの表れ」「戦争のための乗り物ではなく、一緒に気軽に出かけられる相棒としての存在として、車を再定義したかった」などの背景を想像してしまいます。

さらに、2000年代に「159」の後継として「ジュリア」の名前が復活したことにも、何か意味があるのではないでしょうか。

アルファロメオ エンジンフード

エンジンフードにも燦然と輝くAlfaRomeoの文字

現代においては、自動車は便利な移動手段としてなくてはならないものですが、家電化してしまっているという見方もできます。もちろんそれは決して悪いことではありません。
しかし、アイデンティティとして、アルファロメオにとって特別な名前「ジュリア」が選ばれたのであれば、明らかにただの家電や乗り物として定義されてはいないでしょう。まさに「移動のための道具ではなく、一緒に気軽に出かけられる相棒」ということだと思います。

このように、エンジンやステアリング、タイヤといった基本的な構造は同じながら、国やメーカー、ブランドによって全く違うデザインや走り、性格に進化してきた自動車。現行モデルが誕生するまで、多くのモデルがその土台を形成しています。当時の時代背景と誕生したモデルを重ね合わせ、そのクルマがなぜ生まれたのか、どのモデルに受け継がれたのかを考えるのも、とても楽しいものです。

歴史から物語のようにクルマを紐解いていくことも、クルマの楽しみ方のひとつとしておすすめです。ジュリアはアルファロメオにおいてはなくてはならない存在ですから、名前が復活したことでメーカーの歴史や過去にもスポットライトが当たるきっかけにもなってほしいです。


次は、新しく登場した2.2LのターボディーゼルエンジンのFRのジュリアに乗って違いを体験したいですね。

撮影:宇野 智(MOBY)

この記事の執筆者

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