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ウィンカーリレーとは?仕組みと故障や自作での配線から人気商品まで

ウィンカーリレーとは?

©Stefan Bayer/stock.adobe.com

車で溢れかえる都市部での自動車の安全性は、ドライバー同士の綿密な意志疎通があってこそ成り立っているといえます。
そのなかで特に重要な役割を果たしているのがウィンカーです。
減速停止を意味するブレーキランプに比べ、ウィンカーの役割は進行方向の意思表示にとどまらず、発進・停止の予告など多くの意味を持ちます。
ウィンカーは自動車社会におけるコミュニケーションツールといえるでしょう。

それゆえにウィンカーには、点灯よりも目立つ点滅という機能が与えられており、フラッシャーリレーとも呼ばれます。
本記事はウィンカーの点滅を司るウィンカーリレーについて解説します。

ウィンカーリレーの仕組み

機械式CRウィンカーの内部動作の動画です。

ウィンカーランプが一定間隔で点滅するのはウィンカーリレーという部品が機能しているおかげです。
ウィンカーリレーが自動的に電気のオン・オフを繰り返すことで、一定間隔でウィンカーランプが点滅します。

一般的に電子回路における「リレー」とは小さな電流を流すことを指し、別の回路に大きな電気を流すスイッチとして使用されます。
しかし、ウィンカーリレーは一般的な「リレー」とは少し構造が異なります。

ウィンカーリレーの構造

車のウィンカーに多く使われる機械式リレーのCRコンデンサ方式を例に解説します。

CR方式のCとはコンデンサ、Rは抵抗を表しています。
ウィンカーリレーを分解すると、コンデンサと抵抗器、それに鉄芯に細い導線がコイル状に巻き付けられた電磁石で構成されています。

ウィンカーリレーの動作原理

プラス極に抵抗器を入れることで、コンデンサに電気が貯まるまでのチャージ時間を制御できます。
コンデンサが放電すると電磁石が作動し、その磁力で金属接点がくっつき、ウィンカーランプに電気が流れて光ります。
コンデンサが電気を放出しつくすと電磁石の磁力は消え、接点が離れることでランプは消えます。

この繰り返しでウィンカーは一定周期で点滅を繰り返すことができるのです。

その他のウィンカーリレー

古い方式のウィンカーリレーでには、バイメタル方式と呼ばれる金属板の反りを利用したリレーがあります。

バイメタル方式では通電すると、発生した熱により金属板接点が反り返り、接点が外れます。
接点が外れると、再び接点が冷えて元に戻り通電するのを繰り返す方法で通電周期を作り出します。

バイメタル方式は動作タイミングが不安定であり、現在はあまり使われていません。
そして新たに普及し始めているのがマイコンタイマーで通電タイミングを制御するICウィンカーリレーです。
機械的動作をする部分がないため、耐久性が高く、LEDウィンカーに交換た際のハイフラッシュを容易に抑えることができる新しいウィンカーリレーです。

ウィンカーリレーの故障

©Pixel-Shot/stock.adobe.com

ウィンカーがつかない、またはウィンカーがつきっぱなしになるというトラブルが発生することがあります。
ウィンカーの球切れやウィンカー配線の断線でなければ、トラブルの多くの場合がリレーの故障です。

ウィンカーがつきっぱなしになる場合

ウィンカーが点滅せずつきっぱなしになるのは、電磁石接点がくっついたまま固着してしまっているためです。
大きすぎる電流や、頻繁なオン・オフが繰り返されると、発生した熱によって接点が溶してしまうことがあります。

分解して固着を取り除けば復活しますが、再び溶着してしまう可能性が高く、あくまで応急処置と考えた方がよいでしょう。
この場合、固着した原因がコンデンサや抵抗にある場合がありますので、リレー自体を交換することが望ましいです。

ウィンカーがつかない場合

ウィンカーがつかないのはコンデンサが劣化して電気を貯めることができなくなった状態である可能性が高いです。
あるいは電磁石の接点が固着して接点が動かなくなった場合に起こります。

コンデンサが故障した場合は交換が必要ですが、同じ規格の物を半田付けしなければなりません。
接点が固着する原因は、接点同士が接する際に削れた金属カスが熱によって固形化し、接点動作を悪くするためです。
この場合は、リレー内部を分解清掃することで回復させることができます。

ウィンカーリレーの音

ウィンカーリレーの音の比較動画です。

ウィンカー特有の「カッチ、カッチ」という音。
あの音はウィンカーリレーが動作した際の接点がぶつかる音なのです。

ウィンカーリレーがどこにあるのかわからない場合は、音を頼りに探すこともできます。
近年普及してきたICウィンカーリレーでは、機械的接点がないため音はしません。
そのかわりに電子ブザーを接続してウィンカー音を鳴らしています。
例えば、最近のシトロエン車が装備する、数種類のなかからウィンカー音を変更できる機能は些細なことながら魅力的な装備です。

機械式ウィンカーリレーマニア?

1960年製アポロM4ウインカーリレーの動画です。
レトロなウィンカーリレーには独特の味があるような気がします。

電子音のウィンカーに慣れてしまうと、機械式リレーの音が妙に懐かしく感じてしまうことがあります。

機械式ウィンカーリレーはメーカーによっても微妙に音が違うため「たかが金属接点がぶつかる音」に何らかの意味を感じ取ってしまうのが人間のすごいところ。
マニアの方には、好みの音がするウィンカーリレーを探し求める方もいらっしゃいます。
マニアでなくても「あの車のウィンカーの音やリズムが心地よかった」という経験が誰しもあるのではないでしょうか。

執筆者プロフィール
MOBY編集部 カー用品チーム
MOBY編集部 カー用品チーム

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