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【意外な理由】トヨタのキーンルックとは?採用した経緯や本当の理由とは?

トヨタ自動車は、顔にこだわる車創りを始めています。その背景には、世界に目を向けたこれからのトヨタの威信がかけられていたのです。リスク覚悟の大改革、果たしてその戦略は成功するでしょうか。モデルチェンジした「ハリアー」もキーンルック採用、2020年にモデルチェンジの噂がある「86」にも、引き続きキーンルックが採用されそうです。

トヨタの顔 キーンルックとは?

トヨタ カローラ スポーツ

「最近のトヨタ車は、みんな同じような顔つきをしているなぁ」と感じている方も多いのではないでしょうか。

「キリッ」とした細長いヘッドライトと、V字にきれあがった顔は、獲物を見つけて飛ぶ猛禽類の鋭い目と顔つきに似ているという人もいるようです。

キーンルックの「キーン (英語: keen)」という言葉は、「感覚的に鋭い、鋭利な」という意味があります。その意味が示すように、キーンルックのデザインは、エンブレム(メーカーや車を表す標章のこと)を中心として、V字にきれあがったグリルと、細めの鋭いヘッドライトの形が相まって、知的で、精悍な印象を与えるものとなっています。

キーンルックを採用したトヨタの新型車はこちら

最初に採用された車はトヨタ オーリス(2012年)

最初にキーンルックを身に着けてデビューしたのは、2012年にフルモデルチェンジをして生産・販売を開始した「オーリス」でした。

初代オーリスは、2006年から生産・販売が開始されました。「Cセグメント」というクラスに分類される車で、フォルクスワーゲン・ゴルフなどのライバルが存在しています。オーリスは国内だけでなく世界戦略車という位置づけで、2007年からは欧州市場でも発売されるようになりました。

キーンルックが採用されたのは、2012年から生産され始めた2代目オーリスからです。その目的は、トヨタ車を世界的な車にしようとする、トヨタ販売戦略によるものです。

なぜキーンルックを?意外な理由?

トヨタらしさをデザインに反映させるため

世界戦略のため、トヨタ自動車は世界のどこに行っても一目でトヨタ車とわかるデザインを採用することにしました。その一つが、キーンルックのデザインです。

例えばBMW社は、万人向けではなく高級車に特化し、自社の個性を生かしたデザインの車で勝負してきました。トヨタも「トヨタらしさ」をデザインに反映させ、個性を重視した戦略に舵を切ることにしたのです。

この改革のため、今まではデザインを決めるのに、数十人の役員で審査していたのをやめ、現場の感覚で決定できるようにしたそうです。

キーンルックの導入により、全ての車の顔を同じ特徴のデザインにしてしまうと、もしそのデザインが多くの人たちに受け入れられない場合、売り上げが大きく落ち込む可能性が出てきます。

嫌われるかもしれないリスクを覚悟し、心に響くデザインを設計する、リスク覚悟の施策は、トヨタにとっても大きな変革となりました。

今までの「万人受けする無難な車」作りから脱却

キーンルック導入の背景には、海外の自動車メーカーとの競争が激化したことも挙げられます。

2012年当時、トヨタ自動車の売り上げは、豊富な販売網を駆使した強力な販売力と、トヨタの得意とする高品質を武器に右肩上がりの成長を続けていました。今売れる車を創るという車創りにシフトしていたトヨタには、言い換えれば、万人受けする無難な商品ばかりが増えていたのです。

そうした間にも、海外の自動車メーカーでは、燃費の向上など性能面で力をつけてきており、デザイン面においても、ドイツ車の先行に加え、韓国メーカーの追い上げも凄まじいものがありました。

こうした競争の激化により、トヨタ自動車も、今までのやり方では勝負に負けると危機感を抱いたのです。キーンルックの導入により、今までの「万人受けする無難な車」作りから脱却する狙いが見られます。

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