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ガソリンスタンドの給油ノズル
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ガソリンは何年で腐るの?使用期限やエンジンへの影響・対処法など解説

ガソリンは何年入れっぱなしだと腐る?

ガソリンスタンドの給油ノズル

「給油から長期間経ったガソリンは腐る」といわれることがあります。愛車にたまにしか乗らず、給油の頻度が少ない方にとっては気になる言説でしょう。

実際にはガソリンが腐ることはありません。ただし、長期間放置されたガソリンは成分の変質により劣化し、「腐った」と形容されるような状態になってしまいます。

ガソリンは多種類の炭化水素および添加剤でできた混合物です。その成分は酸素や水分などの影響を受けやすく、生産時から刻々と状態が変化しています。

ガソリンに起こる変質には、粘度や臭いの変化、変色などがあげられます。これらの中でも粘度変化は車に与える影響が大きく、エンジントラブルの原因になる場合もあるため軽視できません。

【要注意】腐ったガソリンはどんな悪影響がある?

トヨタ プリウス(4代目)のエンジンルーム
劣化したガソリンはエンジン周辺パーツに詰まって故障の原因となる

高粘度化が招くエンジン故障

長期間の放置によりガソリンの揮発成分が気化すると、不揮発性物質がガソリンタンクに残留します。この残留物質は粘り気があり、ガソリンの粘度を高めてタール状に変質させてしまいます。

ガソリンは車の血液のようなもの。タール状になったガソリンは、燃料噴射装置やフィルターなどのパーツを詰まらせ、エンジンの故障を引き起こします。高脂血症が生活習慣病の原因になるように、ドロドロのガソリンは車にダメージを与えてしまうのです。

エンジントラブルが事故につながる場合も

タール状のガソリンが起こす症状には、エンジン始動不良やアイドリングの乱れ、エンストなどがあげられます。特に注意したいのがエンストで、走行中に発生すると事故につながる場合があり大変危険です。

金属部品の腐食にも要注意

粘土の高いガソリンがエンジン周辺のパーツに付着すると、金属部品の腐食が促進します。部品の腐食はガソリン漏れの原因となり、ひいては車両火災の遠因となる場合があります。

酸化による悪臭の発生

ガソリンスタンドの前を通過するバイク
バイクはエンジン類がむき出しのためガソリン臭の変化を感じやすい

ガソリンが劣化すると、成分変化により悪臭を放つようになります。一般的には、ガソリンに含まれるアルケン(二重結合を含む鎖式不飽和炭化水素)の酸化が異臭の原因と考えられています。

劣化したガソリンの臭いは「酸味が強く耐えられない臭さ」「世界の終わりの臭さ」などと表現されます。かなり強烈な悪臭という感じですが、筆者の記憶にある古いガソリンの臭いはそこまでキツくありませんでした。

筆者が嗅いだのは、長期間放置していたバイクのガソリンの臭いです。このときは酸味のある臭いではなく、クレヨンがカビたような異臭がしました。もう20年以上前の話になりますが、エンジンが露出しているせいか、バイクの周辺に臭いが漂っていたのを覚えています。

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ガソリンに使用期限はある?

ガソリンタンクに注がれるガソリン
©nexusseven/stock.adobe.com

ガソリンは時間とともに劣化する製品ですが、一般的に使用期限は定められていません。というのも、ガソリンの状態は保管環境によって変わるため、保証期間や品質保持期限を設定できないのです。

一部の石油会社では、参考情報として「半年程度であれば保存したガソリンを使用しても問題ない」との見解を示しています。ただし、これは気温が安定した冷暗所でガソリンを保管した場合の話であり、一般家庭にそのまま当てはめられる情報とはいえません。

現実的な目安は給油後2〜3ヶ月

車のガソリンタンクは外気の影響を受けやすいため、気温の安定した冷暗所とはいえません。この点を踏まえると、車に給油したガソリンは2〜3ヶ月以内に使い切ったほうがよいと考えられます。

また、2〜3ヶ月というのもあくまで目安であり、ガソリンは日々劣化していくため、なるべく早く使い切ったほうが安全です。気温の高まりにともないガソリンタンク内の環境が大きく変化する夏場には、特に早めのガソリン消費を心がけましょう。

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ガソリンが劣化した場合の対処法は?

車の前で電話をかける男性
©yamasan/stock.adobe.com

急な単身赴任や入院などの事情で車に乗れなくなり、給油していたガソリンを劣化させてしまう場合があるかもしれません。このような場合は古くなったガソリンの処分について、お住まいの地域の自治体または廃品回収業者に相談してみてください。

個人でのガソリンの廃棄はNG

ガソリンは消防法に定められた危険物であり、個人では処分できません。布に染み込ませてゴミとして捨てたり、水道に流したりすると、火災や爆発事故の原因になる場合があり大変危険です。自己判断でのガソリンの処分は絶対に避けましょう。

ガソリンの適切な扱いはドライバーの義務

ガソリンを適切に使用し、必要に応じて安全に処分することはドライバーの義務といえます。愛車の中でガソリンが日々劣化していることを意識し、計画的な消費と給油を心がけてください。お住いの地域でのガソリンの処分方法についても、この機会に調べてみることをおすすめします。

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執筆者プロフィール
加藤 貴之
加藤 貴之
1977年生まれのフリーライター。10年以上務めた運送業からライターに転向。以後8年以上にわたり、自動車関連記事やIT記事などの執筆を手がける。20代でスポーツカーに夢中になり、近年は最新のハイブリッド車に興...

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