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【日産 ラシーン】いまも人気! 実燃費やカスタムから評価まで

日産 ラシーンの歴史

日産ラシーンは1994年から2000年まで生産されたコンパクトSUVです。実はこの車、1993年10月の東京モーターショーに参考出品された試作車のうちの1台で、来場客から大変好評であったことから翌年12月、発表即売会が行われ、予定していた生産台数を遥かに上回る受注を決め、量産化が即決定した異例のクルマなのです。

当時販売されていたスペックは1,497cc、最高出力105馬力の直列4気筒DOHCのGA15DE型を搭載、全車フルオートフルタイム4WDで3タイプと廉価モデルを1タイプの4グレードで販売されていました。

生産開始から終了まで一度もフルモデルチェンジされなかったこの車は、今でも愛されていて、この車を専門に扱う中古店までほどなのです。

マイナーチェンジ後の追加モデルは?

ラシーンは販売開始から3年後にマイナーチェンジを果たします。外装のフロントバンパー、グリルの変更、ターンシグナルのクリア化、安全装備にデュアルエアバック、ABSを標準装備として、新たに1.8Lモデルの「ラーシーンft」を追加しました。

このモデルは当時R32スカイラインで定評のあった4WDシステム「ATTESA」を積んでの追加モデルだったので、1.8Lモデルのラシーンは再び脚光を浴びます。

その2年後には東京モーターショーで参考出品されていた「ラシーン フォルザ」が新たに追加されました。これは2.0Lエンジンに特徴的な丸目4灯、ATTESA装備のモデルで販売と同時に話題をさらいました。

ラシーンの生産中止

徐々にそのラインナップを拡充していたラシーンなのですが、2000年8月31日をもって生産を終了してしまいます。生産終了後も中古車市場でラシーンは人気車種となっています。

その人気は国内のみならず、海外にも飛び火していて、有名な建築デザイナーや映画監督が自家用車で日本から輸入するほどです。また、カスタムショップも盛り上がりを見せています。10年以上前に廃盤になった車種が今また注目されています。

日産 ラシーンはCMも個性的でした

ラシーンのCMはインパクトはありませんでしたが、CGのドラえもんがどこでもドアから覗いて、いかにもどこかへ連れ出してくれるような、心に残るCMでした。

このCMがラシーン=ドラえもんのイメージを与え、ライトブルーのラシーンは通称ドラえもんカラーと呼ばれました。

マイナーチェンジ

マイナーチェンジされたラシーンの追加モデル「ラシーン フォルザ」のCMキャラクターはムーミンでした。当時の日産のCMは映像センスの良さと明確なキャッチコピーで見せてくれますね。

このCMからラシーンのCMキャラクターがドラえもんからムーミンへ変わります。

CMだけではなく映画にも出ています

永作博美主演の映画「さいはてにて」より、ラシーンが主人公の愛車として登場しています。この映画は2015年に上映された映画で、監督がラシーンファンだから自身の映画に登場させたと逸話が残っています。

生産終了から15年も経って映画のワンシーンに出てくる日本車は数少ない傾向です。ラシーンは海外のファンも多く、日本国内だけでなくオーストラリアや北米、台湾などにも中古車が輸出されています。

日産 ラシーンの基本情報

日産ラシーンのスペックと維持費は?

ラシーンの気になるスペックは下記の通りです。

【エンジン型式】
GA15DE:1.5L 直4 105PS
SR18DE:1.8L 直4 125PS
SR20DE:2.0L 直4 145PS
【ボディーサイズ】
全長:3,980〜4,210mm
全幅:1,695/1,720mm
全高:1,450/1,515mm
【車両重量】
1,160-1,310kg
【駆動方式】
4速AT/5速MT

年間の自動車税は1,500ccが34,500円。1,800cc、2,000ccが39,500円になりますが、全てのモデルが13年以上経過しています、重課で15%上乗せになります。

日産ラシーンの中古車価格

中古車相場を調べてみるとラシーンの相場はここ数年落ち着いて推移しています。これは前記したようにラシーン専門店の台頭や日産が未だに部品供給を続けていることから、中古市場の価格が安定して維持されています。

自動車メーカー全般に言えるのですが、廃盤の車の部品はメーカーストックで部品在庫がなくなったら供給がストップします。日産は日本のメーカーでは珍しく、ディーラーに相談すると当時の部品をそのままに造ってくれます。

このサービスによりラシーン専門店は純正部品が入手でき、サービス面でより柔軟に対応できることからパイクカーは中古市場で人気です。

日産 ラシーンの中古車価格はこちら

最新「ラシーン」中古車情報
本日の在庫数 130台
平均価格 111万円
支払総額 38~327万円

日産 ラシーンに見る当時の日本車デザインとは?

日産 ラシーン タイプⅢ
出典:wikipedia.org Author:TTTNIS パブリック・ドメイン

デザインがいいよね!とラシーンが発売される前年から10年程、日産車は随分と車に対するデザインに冒険してきた様に筆者は感じています。日産自動車は企画・デザインは自社にて行い、製造・生産の技術的なところは他社に任せるといった住み分けが出来ていました。

今では当たり前になっているOEM生産ですが、これが当時からうまく機能していたメーカーは実は日産自動車だけだったのです。

当時の日産自動車のラインナップは非常に個性的で、ラシーンや同時期に限定数生産されたBe-1、フィガロ、量産スポーツカーの180SXなどは日産自動車が生産したものではなく、高田工業という他社が生産していたのです。

ジュークのデザインのルーツは?

OEM生産が成功していたからこそ、日産はデザインに力を入れることができた背景があり、粘土モックを実物大で作り出していたのもこの頃からです。

今でこそ受け入れられたジュークのデザインは、ラシーンや他のパイクカーシリーズのデザインがあってこそ産まれた個性なのです。

日産 ラシーンが手軽なクロカンだった理由

ラシーンは日産が当時展開していたパイクカーシリーズ(Be-1やフィガロ、パオ)の流れ組んだ商品企画(パイクカー)であったことは間違いありません。

前記したように発表当日で予定生産台数を遥かに超える受注を超えたため、180SX同様、生産ラインに乗り、量産される運びになりました。

車体の型式が「R#NB14」型となっていて同時期のB14型系サニーと思われがちですが、共通する部品がひとつもなく、1世代古いB13型サニーの4WD車やN14型系パルサー4WDと共通する部品が多く使われていました。

コンパクトSUVに近い

4WDとはいえ開発段階から悪路の走行を想定していない割り切った車でした。開発陣は「クロカン車の持つ走破性にこそ車としての価値がある」という市場意識をいい意味で壊した最初の車です。

ラリーカーのベースにもなったN14型系パルサー4WDの部品を共用しているにもかかわらず、日産の開発陣は「街乗りクロカン」という新しいジャンルに挑戦。これは今で言うコンパクトSUVに近いジャンルで、この心意気が受け継がれたジュークは今では1つのジャンルの代表的な車として市場を座巻しています。

日産 ラシーンの実燃費や乗り心地は?

ラシーンは今でも人気の車種です。燃費や乗り心地に関してのレビューがあったのでまとめてみました。

デザインが好きで購入しました。経済的に燃費が悪いのが少し気になりますがこの車を購入して良かったです。

ルックスが可愛い。インテリアもオシャレなのでそれだけ買ってもいいと思いました。

エンジンは少し非力なので購入するなら1800が良いです。街乗りならリッター7~8kmです。

足回りは4WDと言ってもサニーやパルサーベースなので少々弱く、車高が低いので、軽いオフロード走行を何度か繰り返すとブッシュなど故障しやすい傾向でした。

他にも2リッターの4駆(マイナーチェンジ後に追加されたモデル)の割に足回りが硬くなさすぎず運転していて楽しい、ある程度小回りが効いてくれる、ボディー形状がシンプルなので車幅がわかりやすい等、乗り心地に関しては不満は少ないようです。

ただし燃費は総じて7km~10kmとの声が多数を占めています。これは排気量の割に車体重量があるので燃費はそこで犠牲となってしまいます。

日産 ラシーンはカスタムベースとして未だに人気車種

ラシーンはカスタムベースの車としても人気です。デザインが角ばってますから色々と遊べそうなのは間違いありません。カスタムカーをいくつか紹介します。

内装を革張りにしてインパネ回りにウッドを貼って高級感を出しています。オーナーのこだわりを感じます。

ありました、レース仕様のラシーンです。ラシーンフォルザは2000ccのエンジンを積んでも余裕の剛性があったので、このようなカスタムは十分できるのです。

ハマーに似せて改造されたラシーンを中古市場でよく見かけます。こちらはエンジンを載せ替えてタイヤサイズをアップ、オーバーフェンダー追加とフロント回りを変更の改造です。

基本的に改造やカスタムとなると外装はハマーやジープチェロキーに似せてフロント周りを変更するカスタムが多いようです。また、内装は元のシートを革張りにしたりハンドルやインパネを変更するカスタムもありました。

この手の改造を専門で請け負っている業者もあります。興味があったら覗いてみましょう。

なぜ日産 ラシーンは廃盤になったのか?

ラシーンが廃盤になってしまった経緯その1

日産 ラシーンの実燃費、カスタム、評価などについて紹介してきましたが、ラシーンが廃盤になってしまった理由は、車体の安全性能を年々厳しくなる国の安全基準に満たさなくなったから、というものがあります。

角ばったスタイルのラシーンは当時から接触事故を起こすとかなりひどい破損を起こし、ユーザーの不満のひとつでした。デザイン重視の車なのでここは目をつぶろうと世間が許していたのは2000年まででした。

ラシーンが廃盤になってしまった経緯その2

大きな転換期は日産自動車がルノー資本になった1999年のことです。有利子負債を2兆円規模で抱えていた日産はついにルノー傘下に入ります。

そこでカルロス・ゴーン率いるルノー経営陣が、日産自動車村山工場の閉鎖など次々に日産社内を改革していきました。

ラシーンが廃盤になってしまった経緯その3

「子会社の統廃合」が日産のエンジニアを揺るがしました。OEM生産をお願いしてきた高田工業も見直しの計画に入っていて、最後まで抵抗した生産企画部門の社員は日産を去ることになり、結果、高田工業のような個人のOEM工場から外れることになってしまいました。

結果コスト度外視で生産されたパイクカーは日産から姿を消すことになります。そしてラシーンを始めとする高田工業で生産されていた車種は次々に姿を消すことになったのです。

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執筆者プロフィール
MOBY編集部
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新型車予想や車選びのお役立ち記事、車や免許にまつわる豆知識、カーライフの困りごとを解決する方法など、自動車に関する様々な情報を発信。普段クルマは乗るだけ・使うだけのユーザーや、あまりクルマに興味が...

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