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メルセデスベンツ V型6気筒エンジン
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V6エンジンとは?メリット・デメリットやどこがスゴいのか解説!

V6エンジンとは?何がスゴい?

メルセデスベンツ V型6気筒エンジン
メルセデスベンツのV型6気筒エンジン

V型6気筒エンジンは、ふたつの直列3気筒エンジンを1本のクランクシャフトに対して『V字型』に組み合わせた構造を持つレシプロエンジンのことです。ガソリン車もディーゼル車も存在します。

このタイプのエンジンはモータースポーツの世界でも古くから使われてきたほか、一般的に高性能なものと考えられており、これまでに多くの自動車メーカーが開発してきました。

まず、V6エンジンのメリットに関してご説明していきましょう。第一に、同じ排気量の直列6気筒エンジンと比べて全長を短く設計することができます。

左右にシリンダー列を分けるため幅は広がってしまうものの、総じてコンパクトなエンジンとすることができます。ですからエンジンルームレイアウトの自由度が高めることができるほか、前後タイヤの間にエンジンを置くミドシップとしたり、クランクシャフトを縦方向にも横方向にも置かれたモデルなども存在しています。

さらには高出力を発揮させることもでき、スポーツカーをはじめ高性能モデルに採用されることも多いです。

そしてV型6気筒エンジンは、2本の直列3気筒エンジンをV字型に組み合わせるため、非常にバランスが良くすることができ、そのため高い出力や太いトルクを得ながら振動が少なく、よりスムーズな走行を可能とします。

V6エンジンのデメリットは?V8と比べてどう?

©Maksym Yemelyanov/stock.adobe.com

一方でV型6気筒エンジンのデメリットを考えてみると、直列3気筒エンジンをV字型に組み合わせるという設計をするために、直列にシリンダーを配置するエンジンと比べて構造が複雑になります。その結果、製造コストが高くなり、維持する場合の事を考えても修理やメンテナンスも高額になりがちです。

さらにV型6気筒エンジンは高出力を発揮するため、燃費が悪くなることもあります。ハイブリッドモデルも増えてきてはいますが、燃費の事をシビアに考えるドライバーには不向きなエンジンかもしれません。

V型6気筒エンジンはシリンダーのバンク角度によって、左右のバンクでパワーの偏りが生じる場合があります。そのため、車両のバランスに影響を与える可能性があります。それを軽減するために、V型6気筒エンジンの開発時にはバランスウエイトやバランスシャフトを用いることも多いです。

そしてV型6気筒エンジンは排気量が大きいものが多く、他のエンジンタイプに比べて重量が重くなることがあります。そのため、車両の重量が増加し、操縦性が低下する可能性も考えられるのです。

比較のために、ここでV8エンジンのことにも少し触れておきましょう。V6エンジンが3気筒エンジンをV字型に組み合わせているのに対し、V8エンジンは4気筒のエンジンをV型に組み合わせた形です。

一般的には気筒数が増えるほど高出力を発生することができるとされておりますが、その反面で設計の難しさや製造コストが高くなる傾向があり、それはV6とV8エンジンの関係性に当てはめることができます。

よってV8エンジン搭載車の方が、V6エンジンモデルよりも高性能かつ高価となる場合がほとんどとなっています。

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V6エンジン搭載モデルは魅力的なクルマばかり!

日産 グロリア Y30
日本初のV型6気筒エンジン搭載モデルであるY30型グロリア 

V型6気筒エンジンを採用した代表モデルには、日産 セドリック/グロリア(Y30型)やホンダを代表するスーパーカーであるNSXや、フェラーリの名機ディーノ206/246などを挙げることができます。

私もこれまでにV型6気筒エンジンを採用したモデルを何台か乗り継いできました。その中でも印象に残っているのはクライスラーのミニバンであるボイジャー(ダッジ キャラバン)と、ジャガーのXタイプ、そしてメルセデスベンツ E240です。

戦後アメリカの自動車はボディサイズがどんどん大きくなってゆき、それに伴い排気量を増大しやすいV型8気筒エンジンの人気が高まっていきました。今でも『アメ車=V8』と考えている人は多いはずです。しかし、その後のオイルショックや度重なる不況などの時代背景もあり、V型8気筒エンジンのシリンダーサイズを減らし、ダウンサイジングさせたV型6気筒エンジン搭載車がどんどん増えていきました。

そんなアメリカで作られたクライスラー ボイジャーは、私が所有したモデルには排気量3,000cc V型6気筒エンジンを採用していました。フィーリング的には太いトルクを発生させゆったりとした乗り心地をもたらしてくれました。

どちらかというとV型6気筒エンジンはスポーツカー的に高回転を楽しめるものも多い中で、街中からロングクルーズまで優雅に走らせることができたことは今も記憶に残っています。

ジャガー Xタイプ
V型6気筒エンジンを搭載ていたジャガー Xタイプ

ジャガー Xタイプは2,100cc V型6気筒エンジンを搭載していました。低中回転域からしっかりとしたトルクがありながら、レッドゾーンまで気持ちよく吹け上がるキャラクターのエンジン。

ジャガーならではのしなやかに路面を追従する足まわりと相まって、高速道路やワインディングも楽しめるセッティングとなっていました。ただ妻が近所への買い物をメインとして使っていたこともあり、燃費が悪かったことを覚えています。

2,400cc V型6気筒エンジンのメルセデスベンツ E240では、最高出力170馬力と十分なポテンシャルを備えている上に、シャシーの剛性がそれに勝っているためカチッとした乗り味でした。

特に関東—関西間の日帰り往復など長時間高速道路を走破するような場面では、アウトバーンを持つ国・ドイツが生み出したプレミアムモデルならではの、シャープで快適な移動を楽しむことができたことは忘れることができません。

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V6モデルは今がねらい目かも

メルセデスベンツ E240
メルセデスベンツのW210/S210系EクラスではV型6気筒エンジンを主流としていた。

V型6気筒エンジンはこれまで様々なモデルで採用されてきました。その裏には、性能やフィーリング的なことはもちろん、V8エンジンモデルを上位に持つモデルのボトムグレードとして、逆に直列4気筒エンジンを搭載したモデルの上位グレードとしてなど、様々な存在意義がありながら、多気筒エンジンならではの高性能を最も身近に触れることができるエンジンだからだと思います。

現在ダウンサイジング化や電動モビリティへの移行が進む中、将来の事を考えると、V型6気筒エンジンを採用したモデルが、どのような位置づけとなっていくのかということは一概には判断できかねますし、もしかすると消滅してしまうかもしれません。

ですので、今自動車の購入を考えた際に、V型6気筒モデルを注視して探し出し、実際に所有するということは、幸せな選択となるかもしれませんね。

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執筆者プロフィール
小松 男
小松 男
幼少時からクルマ、バイクをはじめ乗り物全般の運転を好み、社会人になり中古車業を営むも上手くいかず業界から離脱。その後は出版社に勤め、幅広く雑誌媒体を手掛ける。こだわりがないというこだわりを掲げる昭...

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