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オイルキャッチタンクの効果は?車検に通る?取り付け方とオススメ商品

オイルキャッチタンクとは、ブローバイガスに含まれるエンジンオイルなどの不純物だけを受ける装置です。一般的な乗用車には取り付けられておらず、後付けされることの多いパーツとなります。

通常、サーキット走行などのように、高回転で走る車に取り付けられ、サーキットでは取り付けが必要などの決まりがあることも。

オイルキャッチタンクの構造や効果、車検に関して解説します。

オイルキャッチタンクとは?

©gesrey/stock.adobe.com

オイルキャッチタンクとは、ブローバイガスに含まれているエンジンオイルや燃料などを取り除く装置です。

ブローバイガスとは、エンジン内に発生した燃焼ガスや未燃焼ガスです。ほとんどの燃焼ガスは触媒を介してマフラーから排気ガスとして排出されますが、全部が排出されているのではなく一部はエンジン内にとどまってしまいます。

そのガスをエンジン内にとどまらせないよう、PCVなどの還元装置を使いもう一度燃焼させているのです。

ブローバイガスに含まれているオイルや燃料内には、スラッジやカーボンなどの不純物が含まれています。

そのため再循環させると、どうしても通路に汚れが溜まってしまいます。使用年数が増えるほどにその汚れは固着し、簡単には取り除けない頑固なものになってしまいます。

そのため再循環させると、どうしても通路に汚れが溜まってしまいます。使用年数が増えるほどにその汚れは固着し、簡単には取り除けない頑固なものになってしまいます。

ブローバイガスの不純物を取り除かないと、エアエレメントやインテークマニホールドなどがオイルで汚れてしまいます。そうならないようオイルとガスを分離させ、オイルキャッチタンクを設けることで不純物を取り除いているのです。

オイルをオイルキャッチタンクで溜めておくことで、良好な車の状態を期待できます。

基本的に後付けの装置

オイルキャッチタンクは基本的に後付けの装置です。外車やトラックなど一部の車両では購入時から取り付けられている車はあるものの、ノーマルの状態で取り付けられている車種はほとんどありません。

オイルキャッチタンクが必要であれば、容器やホースを購入する必要があります。また、ペットボトルや空き缶などを使い自作する方もいます。

オイルキャッチタンクの構造はさまざま

タンク内が空洞になっているだけのものから、セパレートタイプと呼ばれる仕切りがあるものもあります。仕切りは縦や横など種類によって違いはあるものの、仕切りを設けることでオイルを受けやすくしているのです。

また、オイルレベルゲージを採用しているタイプもあります。ゲージを設けることで、タンクを開けずに今どのくらいオイルが溜まっているのかひと目で確認することが可能です。

市販品では金属性のタンクを採用し、ブローバイガスを吸引するホース(IN)と、分離させたブローバイガスをエアダクトに戻すためのホース(OUT)2本が付属します。種類はセパレートタイプやゲージ付き、INとOUTのホースの長さが違うものまでさまざまです。

どんな車にオイルキャッチタンクが必要?

©Image Craft/stock.adobe.com

オイルキャッチタンクを必要とする車は、サーキットなどをよく走る車です。高回転域を頻繁に走行する車は、オイルが街乗りの車よりもかき混ぜられているので、ブローバイガス内にオイルが含まれやすくなります。

また、ブローバイガスが他の車より多く発生しやすい車種もあるので、そういった車に使用することをオススメします。

しかし、上記の車以外に取り付けてもOKです。もし気になるなら、一度取り付けてみてオイルの溜まり具合を見てみるのもいいでしょう。

サーキットでは装着が義務付けられている場合も

高速走行を目的としたサーキット会場では、オイルキャッチタンクの設置が義務付けられています。オイルをサーキット内に流してしまうと、大きな事故につながるためです。ただし、ブローバイガス還元装置が取り付けられている場合、この限りではありません。

サーキット走行はナンバーのない車でも可能です。つまり、保安基準に適合していない車でもサーキット走行ができるのです。

そして、保安基準に適合していないということは、なかにはPCVバルブを設置していない車も含まれます。ブローバイガスを大気開放している車は、ブローバイガスと一緒にオイルもまき散らすのでこのような条件を提示しているのです。

しかし、高回転で長時間運転すると、ブローバイガスにたくさんのオイルを含む可能性が高くなります。そのため、サーキット走行を頻繁に行うのであれば、オイルキャッチタンクの設置をオススメします。

オイルキャッチタンクにはどんな効果があるの?

©NCP /stock.adobe.com

オイルキャッチタンクには、ブローバイガスのオイルでエアクリやその周辺の汚れ防止効果があります。エアクリだけでなく、インマニ付近なども同様です。

また、サーキット走行をするのであれば、熱ダレやオイル漏れの予防も兼ねます。もし街乗りの車で使用するのであれば、短期間ではその効果を実感できません。

しかし、長期的に見てエンジンルーム内の汚れ防止に大きく役立つ装置なので、ブローバイガスが多い車にはオススメです。

オイルキャッチタンクをつけるとレスポンスが悪くなるってほんと?

オイルキャッチタンクをつけることでレスポンスが悪くなることはありません。タンクをつけることで、空気抵抗が多少は上がるので分からない範囲で悪くなっているでしょうが、人が感じられるほど悪くなるわけではありません。

レスポンスの悪さを考えるのであれば、むしろつけないで汚れを放置する方がエンジンへ悪影響です。街乗りの車でも、エアクリ周辺がオイルでベタベタになっている車を見かけます。

恐らくその状態の車は、インマニ付近も汚れがひどくなっていると誰でも予測できるでしょう。オイルキャッチタンクをつけることで、このような汚れを予防し、結果的にエンジンの調子を保ち、長く乗り続けることができます。

オイルキャッチタンクは車検に通るの?

©umaruchan4678/stock.adobe.com

オイルキャッチタンクを後付けしても車検には通ります。車検では、ブローバイガスを大気開放しているかどうかを確認するだけなので、オイルキャッチタンクの有無は関係ありません。

しかし自作品の場合、車検で落とされてしまう可能性もあります。考えられる理由としては、密封が甘くブローバイガスやオイルが漏れていると判断されたなどです。

細かな決まりがないので、「自作品だから必ず車検に落ちる」とはいえませんが、できれば市販品を使いましょう。

ブローバイガスの大気放出は違法

現在の保安基準ではブローバイガスの大気開放は違法です。環境面を考慮しこのような法律が定められました。

車検の検査基準のひとつに「内燃機関を原動機とする自動車であってガソリン、液化石油ガス又は軽油を燃料とする普通自動車、小型自動車及び軽自動車ならびに軽油を燃料とする大型特殊自動車であって定格出力が19kW以上560kW未満である原動機を備えたものには、ブローバイ・ガス還元装置を備えなければならない」(審査事務規程第7章)と規定されています。

小難しく書いていますが、ようするに「乗用車にはPCVなどのブローバイガス還元装置をつけてね」ということです。

そのため例外はあるものの、ブローバイガス還元装置を取り付けていない車は車検にはとおりません。また、装置をとりつけていても、途中でホースが切れていて結果的にブローバイガスが大気開放されているのであれば、大気開放しているとみなされるので注意しましょう。

オイルキャッチタンクの取り付け方

オイルキャッチタンクの取り付け方は簡単です。取り付け位置は2箇所あります。

  • PCVバルブホース:PCVバルブに取り付けられているホース
  • ブリーザーホース: シリンダーヘッドに取り付けられているホース

このどちらか、もしくは両方に取り付けます。よく取り付けられている箇所は、ブリーザーホースです。

手順としては、本来取り付けられているホースを抜き、オイルキャッチタンクのホースに交換。ホースの種類はINとOUTの2種類あります。INのホースはブローバイガスを吸引するためのホースであり、OUTのホースは気体と液体を分離後にエンジン内に再循環させるためのホースです。

そして、ホースの間にオイルキャッチタンクを設置します。オイルキャッチタンクは走行中に動かないよう、ステーなどを使いしっかりと固定しましょう。商品のなかには、ラジエーターのサイドタンクのボルトを使い固定するものもあります。

購入する前にはまず愛車のエンジンルームを見て、どの部分に取り付けられそうか確認してサイズや形状を選ぶことをオススメします。

執筆者プロフィール
山北吏(つかさ)
山北吏(つかさ)
1989年生まれ。現役整備士(整備士3級)webライター。webライター歴は1年半。愛車はインプレッサ(GH8)。車に乗るなら絶対MT!実家が田舎だったこともあり山道は得意!整備士として働き始め3年目。前職は輸入業...

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