【自動車の歴史】日野自動車のルーツ・歴史と車種の特徴を知ろう!

日野自動車、というとトラックやバスなどの大型自動車を思い浮かべる人が多いと思います。現在、商用車をメインとして生産している日野自動車は、100年以上に渡り日本のモビリティ文化を支え、激動の時代を歩んできました。そんな日野自動車のルーツと歴史をご紹介します。

日野自動車とは?

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日野自動車は、トラックやバスなどの商用車をメインに製造している国内トラック・バス業界最大手の自動車メーカーです。元々は、ガス・電気器具を生産していましたが、後に、航空機用国産エンジンや軍需車両の製造も手掛けることになります。

1953年には、フランスのルノーの技術提供により、小型乗用車ルノー・4CVの生産を始めることになり、後に完全国産化を果たします。

1966年に >トヨタ自動車(以下トヨタ)と業務提携後は、再び大型自動車をメインに開発・生産を行います。

大型車から小型車、そして再び大型車の開発・製造へ移行した日野自動車のすべてをご紹介します。

日野自動車の歴史とそのルーツとは?

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日野自動車の歴史は明治末期からはじまります。しかし、当時は自動車とは関係ないものをつくっていました。ガスや電気器具の生産です。大型自動車をつくっている現在の日野のイメージとはかけ離れていますね。

では、どのようにして自動車メーカーへと変化を遂げたのでしょうか。

ガス・電気器具の生産から始まった日野自動車

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1872年、横浜や一部の都市部でガス灯が注目されるようになりました。ガス灯は薄暗いという欠点がありましたが、提灯よりは良いということで、東京府から要請を受け、渋沢栄一らにより東京瓦斯株式会社が設立されました。

東京瓦斯株式会社は、ガス灯をさらに明るくするガスマントルという技術を確立させました。このガスマントルの製造のために、同会社は自社工場を建設し本格的にガスマントル製造に取り掛かります。

明治末期から大正時代にかけて、ガスや電気器具が普及し始め、東京瓦斯工業株式会社は、ガス・電気器具を生産していました。そして1913年には、東京瓦斯電気工業株式会社と会社名を改称しました。

市民の生活に捧げたガス・電気器具生産。しかしこの事業は、1914年に開戦した第一次世界大戦により、大幅に変更されることになります。

東京瓦斯電気工業株式会社は、第一次世界大戦時、海外から薬莢(やっきょう:銃砲の発射薬を詰める容器のこと)の大量受注、さらに軍事用の航空機国産エンジン「神風」なども生産し、軍需により業績を伸ばしていきました。

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そして、同じ時期、「TGE」(Tokyo Gas Electric Engineering Co. の頭字語)というブランドで、自動車量産に取り組み始めました。

戦争と国策に翻弄される日野自動車

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1918年、第一次世界大戦が終わると、ようやく本格的に自動車生産に入ります。20年後の1937年には、国策であった「大型車両生産の強化」に合わせ、同自動車部は自動車工業株式会社および共同国産自動車株式会社と合併し、東京自動車工業株式会社を設立しました。ガス・電気器具の生産から自動車生産へ移り変わることになったのです。

戦争、また国策により、日野自動車は翻弄される時期が続きます。

1941年、総合車両メーカーである、ヂーゼル自動車工業株式会社と改称。しかし翌年、戦時体制下の国策により、特殊車両製造部門であった日野製造所を分離独立させ、日野重工業を設立させられることになりました。これは、九七式中戦車などの軍需車両の製造を行わせる国の目的によるものでした。

終戦により、民間へ向けての大型自動車生産開始した日野自動車

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1946年、第二次世界大戦終戦により民需転換し、大型ディーゼルトラック・バス(トレーラー型)およびディーゼルエンジンの生産に入ります。社名を、日野産業株式会社に改称しました。

得意分野であったディーゼルエンジン技術を生かし、当時としては異例の超大型トレーラートラックやバスを開発していきます。

さらに2年後の1948年には、販売部門を独立させ、日野ヂーゼル販売株式会社を設立しました。そして社名を日野ヂーゼル工業株式会社と改称しました。翌年には、東京証券取引所へ株式上場を果たします。

1953年には、国内初のセンターアンダフロアエンジン・バスを発売。

ルノー車の生産開始後は日野自動車独自の開発も

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同年、フランスのルノーと技術提携し、乗用車「ルノー」の生産を開始しました。そして、後に完全国産化を果たすことになります。大型のモビリティに特化してきた日野でしたが、ここで新たな分野に挑戦しました。

その後、日野は小型自動車やワンボックスカーなど家庭用自動車の先進的な開発に取り組みました。日野ヂーゼル工業株式会社は、日野自動車工業株式会社と改称しました。

日野自動車の歴代の代表車種を紹介

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これまで様々なものづくりにチャレンジしてきた日野自動車。歴史に残る代表的な車をご紹介します。

日野・コンテッサ

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1961年には、乗用車「日野コンテッサ900」を発売。これは同社が独自開発した唯一の乗用車となります。

同車は、第1回日本グランプリ1300cc以下国内スポーツカーレースで欧州車を押さえ2位という大挙を遂げます。

1965年まで生産されたコンテッサ900は、日野・ルノーの好評と信頼が得られていた影響で、タクシー業界へも多く納入されました。

日野・ルノー4CV(神風タクシー)

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タクシーとしても使われていた、日野ルノー4CV。フランス・ルノーのデザインの影響で、かわいらしい愛嬌ある姿で有名となり、「亀の子ルノー」と呼ばれて、多くの人に愛されました。

1963年まで生産され、約35,000台が販売されたといわれています。

ヒノ・サムライ

幻のレーシングカーといわれている「ヒノ・サムライ」。日野自動車は、実はレースにもチャレンジしていました。1967年にトヨタ自動車と業務提携したことにより、乗用車開発をやめ、同時にレースからも撤退します。

レース撤退末期につくられたのが、「ヒノ・サムライ」というレーシングカーです。1967年の第4回日本グランプリに出場する予定でしたが、予選前のエンジントラブルで車検に落ちてしまい、出場を逃しました。

その後、「ヒノ・サムライ」は、アメリカに渡り改良を重ねて90年代までマイナーレースに出たりしたそうですが、現在保管されているかは不明です。

日野自動車のバス「レンジャーシリーズ」

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国内初のスケルトンバス発売、御前山テストコース(茨城県)稼働開始するなど、大型車の開発に再び力を入れていきます。

日野自動車のハイブリッド・バス「HIMR」(ハイエムアール)

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1991年には、世界初のディーゼル・電気ハイブリッド低公害システム「HIMR(ハイエムアール)」バスを発表し、環境に配慮したバスづくりへ意欲をみせるようになります。

日野自動車は海外展開へ

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日野自動車は、1962年には、初の海外販売会社をタイに設立しました。そしてその2年後の1964年にはタイに製造会社を設立しました。日野自動車は海外へ向けて大きく展開しようとしていました。

しかし1967年、トヨタ自動車工業株式会社(以下、トヨタ)との業務提携により大きな転機を迎えます。

日野自動車は再びトラック・バスなどの大型車開発へ

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トヨタとの業務提携により、同社は再び大型車および商用車の開発・生産に特化した事業を行うことになります。

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乗用車をつくりはじめた日野自動車がなぜ大型車に特化した車両ばかりつくるようになったのか。それには、いくつかの理由があります。

1つは、日野自動車に大型車から乗用車までカバーできるような技術的戦力、経営戦力がなかったためだと考えられます。幅広いものづくりを進めたい従業員の気持ちもあったのかもしれませんが、日野自動車には乗用車開発・製造の技術が未熟であったことも理由の一つでしょう。

次に、トヨタとの業務提携による影響があります。トヨタも元々大型トラックを作っていましたが、当時は6トン積み程度のトラックづくりが限界でした。その頃、10トントラックが普及しはじめ、トヨタはその波についていけなくなり、大型車のプロ集団である日野自動車に大型車を作るよう仰いだのでしょう。

日野自動車のルーツとは

トヨタ流の経営により、日本の自動車業界を安泰へ

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トヨタは、当時役員であった蛇川副社長を、経営再建中の日野自動車へ社長として送り込み、完全子会社へとビジネスを進めていきました。

日野自動車との業務提携というビジネス展開に成功したトヨタは、完全子会社化することよりトヨタ流の経営を徹底し、日本における自動車業界の安泰を狙ったのではないでしょうか。

合理化を図り「いすゞ自動車」と日野自動車は経営統合へ

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2001年、トヨタの完全子会社化、2003年には、大型車両業界で競い合っていた、いすゞ自動車とバス部門を経営統合することが決定し、ジェイ・バスが設立されました。

2004年には、営業利益が過去最高記録を樹立しました。これには、ディーゼル車の排ガス規制強化に伴い、買い換えが増えたことによる販売数増加が背景にあると考えられます。また、海外での販売も好調であった上、トヨタからの受託生産の増加も影響しました。

さらなる飛躍!海外拠点拡大する日野自動車

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日野自動車の海外拠点はタイのみでしたが、2006年からカナダで北米専用トラックの現地組み立てを開始、また、オーストラリアで初の小型トラックハイブリッドを販売開始するなど、さらなる海外展開を開始していきます。

その他にも、アメリカ、コロンビア、ロシア、インドネシア、香港にもマーケットを広げ、日野は「世界の日野」として活躍を遂げていきます。

日野自動車の特徴とは?

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日野自動車がつくる大型自動車は、人気・技術ともに国内No.1といわれています。エンジン馬力はトップクラス、そして故障も少なくメンテナンス費用が安いことで、ユーザーから支持を受けています。国内の大型車販売において30年以上連続でシェアトップのプロフィアは代表的な車種です。

今まで培ってきた技術を活かした日野自動車のトラック

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大型自動車といえば日野。そう認識される日まで長い歳月がかかりました。そんな日野自動車が作り出す現在の大型車をご紹介します。

日野自動車の小型トラック「DUTRO(デュトロ)」

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主に業務用として販売されている小型トラック「デュトロ」。荷物の積み下ろし軽減仕様、メンテナンスのしやすさ、13か所にもおよぶ収納スペース、道幅が狭くても軽自動車並の取り回しの良さは、作業をする人たちのストレスを知りつくし、ストレス軽減を目指した小型トラックといえます。

日野自動車の中型トラック「レンジャー」シリーズ

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AIR LOOP(エア ループ)は、日野が得意としたパワーを備えつつも、独自のクリーンディーゼル技術により、エンジンを徹底改良した中型トラック。現在、注目されているNOx(光化学スモッグや酸性雨などを引き起こす大気汚染原因物質)やPM(粒子状物質。呼吸器に悪影響を及ぼす危険性あり)を低減するとともにCO2の排出量も抑え、エンジン単体でのクリーン化と低燃費化を達成しています。

日野自動車の大型トラック「PROFIA(プロフィア)」

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ドライバーモニター、車線逸脱警報など、前方不注意を警告する各種装置はすべて標準装備となっています。ドライバーの疲れによる事故防止策を考え抜いた技術が積み込まれている大型トラックです。

日野自動車のバス「Blue Ribbon(ブルーリボン)」シリーズ

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運転する人にも、乗車客にも、環境にも配慮したブルーリボンシリーズのバス。低燃費のためのアイドルストップはもちろん、90kWの大出力を実現した新開発の永久磁石式モーターを積み、より優れたハイブリット車を開発。力強い走りと低燃費の両立を実現させたバスです。

また、日野自動車は完成車だけでなく、産業用のディーゼルエンジンの開発・生産もしています。これらのエンジンは、油圧ショベル、ホイールローダー、クレーン、フォークリフト、発電機、その他さまざまな「働く機械」に搭載されています。

日野の得意とする高出力、耐久性、信頼性は、ここにも活かされているのです。

大型自動車のスペシャリスト「日野自動車」

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日野自動車の歴史、ルーツや車種の特徴についてのまとめ記事はいかがでしたでしょうか?

ガス・電気器具の生産から始まった日野。
戦争や国策に翻弄され、業務提携や子会社化による大きな環境変化を乗り越えながらも、「日野の行く道」を模索し続け、探し出した答えが、「日野といえば、トラック。日野といえばバス」といったイメージに繋がるのではないでしょうか。
ハイパワーを作り出すことに力を入れていた初期、一般人の乗りやすさを求め乗用車を作ってきた中期、そして、現代の環境汚染に対応するハイパワー+クリーン技術を追求する現在……

日野は、変化する時代とともに、その時代に合ったモノをつくりだすスペシャリストたちであるといえるでしょう。

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