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旧車を復活させる車のレストアとは?費用・修理代や流れを徹底解説

レストアとは英語の「restore=復活する」という意味の言葉で、事故や故障による修理や整備ではなく、ビンテージカーを修復し、本来の機能を復活させるという意味を持ちます。レストアに当たってはどれだけ費用が掛かり、どんな注意点があるのでしょうか?

旧車とは? その定義とは?

旧車の定義とは人によって異なりますが、だいたい製造から四半世紀以上が経過したクルマというのが一応の目安となるようです。
どんなに優秀なクルマでも機械である以上、時間が経てば経年劣化で故障や不具合が生じるものですし、防錆対策が未熟な時代の旧車はボディが錆びに蝕まれることもしばしばです。

旧車のレストアとは?

こうした旧車を修理し、クルマとしての本来の機能を取り戻すことを「レストア」(英語のrestore=元の状態に戻すという言葉からきたものです)と言います。

レストアには膨大な時間と予算、そして必要なパーツを探し出す根気と、地道な作業をコツコツと行う労力が必要になります。
そのためクルマ趣味の世界では、レストアは「王道」あるいは「究極の趣味」とも言われています。

旧車のレストアの費用はどれくらい?

気になるのはレストアの費用ですが、これはピンからキリまで・・・としか言いようがありません。

というのも、間口が広く奥行きが深いのがレストアの世界です。
「機能を回復する」という意味では、古くなったクルマの点検や掃除も広い意味ではレストアとも言えますし、クルマの塗装を剥がし、ホワイトボディ(ボディシェルの状態)にクルマをバラしてから完璧に組み立て直すのもレストアです。

さらに言えば、整備や修復技術を身に付けて自分で旧車を修復するのもレストアですが、お金を払ってプロに板金塗装やメカの修理をお願いするのもレストアです。
つまり、レストアとは課程や方法論ではなく、「クルマの機能を回復する」行為そのものを指すわけです。

しかし、結果は同じだとしても、どんな方法論を取るかで費用はまったく違ってきます。

例えば、経験豊富なレストアラー(レストアをする人)が、設備の整った工房で作業を行えば、時間も費用も大幅に節約することができるでしょう。
その反対に技術も知識もなく道具も揃っていないシロウトが、いきなり本格的なレストア作業に取りかかれば、時間も費用も膨大にかかることは想像に難くありません。

世の中には顧客から代金をもらってレストア作業を行うプロのレストアラーもいます。
ベース車選びからすべてを任せてしまえば、手間は掛かりませんが、その代わりに最低でも数百万円、ときには数千万円の工賃を要求されることもあります。

レストアの世界では「フェラーリだろうが、ポルシェだろうが、ベース車にどんなクルマを選んでも掛かる経費は一緒。結局はベース車の購入費用なんて工賃のオマケくらいにしかならない」などと囁かれているのです(かなりの極論ですが・・・)。

レストア済み旧車の修理代は高い? 安い?

旧車の市場価格とは、そのときの車両価値の評価でしかないのですから、そうした意味ではレストア済みの旧車を購入するのは賢い選択かも知れません。
結局のところレストアにいくら大金を投じようとも、お金を掛けた分がそのまま売却金額に反映されることはまずありません。

もしも自分が探している旧車が完璧にレストアされた状態で売られているのを見つけたなら、多少売値が高くとも迷わず購入するべきです。
レストアに費やす時間や金銭を考えれば、結局は仕上げ済みのクルマを買ったほうがお得なのです。

それでもレストアする人がいるのはなぜ?

しかし、そこは趣味の世界の話。
経済的な損得を超えてレストアする人も世の中には大勢います。

探している旧車が市場に流通しておらず、ベース車からレストアする道を選んだ人、長年乗り継いだ愛着のある愛車を新車時の状態に戻したい人、より完璧な状態を戻してレンチを手に取る人、旧車を直すことそのものに喜びを感じる人などなどレストアする理由は千差万別です。

ただし、レストアに挑む人に共通しているのは、クルマに対する情熱と貴重な旧車を将来に残そうという思いです。

旧車のレストア作業の流れ

本格的なレストア作業の流れを紹介すると・・・

(01)ベース車の選択
(02)ベース車のチェック
(03)部品の調達
(04)塗装の剥離・錆び取り・ボディ修正・板金補修
(05)メカニズムの修理
(06)ボディのペイント
(07)内装の修理
(08)外装の修理
(09)仕上げ
(10)完成!

・・・というのが、大まかな流れになります(一例です)。
プロに作業を外注する場合には(04)〜(08)までは、同時並行で作業を進めることになるでしょうし、ベース車に問題がなければ作業をせずに項目をパスすることもあるでしょう。

まずはレストアのベース車を探そう!

日産スカイライン2000GT(ハコスカ)

日産フェアレディZ(S30型)

上記の項目の中で、レストアの難易度を決定づけるのがベース車の選択です。
ベース車を入手する上で重要な要素となるのが、(1)ベース車の相場(人気や希少性とリンクすることが多いようです)、(2)修理のしやすさ、(3)コンディションの3つです。

ベース車の相場で言えば、近年価格が高騰しているハコスカやS30型Zなどの人気車種は、購入するのに50〜150万円程度の予算を見ておく必要がありますが、同年式でも少し人気が落ちるセドリック/グロリアやブルーバードなら30〜80万円程度で購入することができるでしょう。
さらに人気の薄いサニーやチャリーなら10〜50万円くらいの予算で入手できるかもしれません。市場性のない不人気車ならタダ同然で手に入るかもしれません。

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事前の下調べで知識とレストアの情報を得よう!

日産バイオレット(710型)

ほしいベース旧車のだいたいの相場を把握したら、次にそのクルマの周辺情報を調べて修復作業に当たっての難易度を測ります。
例えば、初心者がいきなり複雑な構造のクルマに挑むのは荷が勝ち過ぎていますし、修復に当たって特殊な知識が必要なクルマに下調べをしないまま臨むのは無謀です。

さらに、部品の流通についても把握しておく必要があります。
一般的に不人気車よりも人気車のほうが、リプロダクションなどのパーツが充実していて部品の入手性が良いようです。
例えば、ハコスカやZなどの人気車種なら、部品によっては純正部品の再生産をメーカーが行うことがありますし、社外品のフェンダーやガラスなどの入手も比較的容易です。

ところが、同じ年代のクルマでもマイナーなバイオレットならパーツの入手はずっと難しくなります。
ただ、こうしたマイナーな車種でもほかのクルマから部品を流用することが可能で、そうしたレストアラーの創意工夫と周辺知識の豊富さが、旧車を復活させるためには欠かせないのです。

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じつは国産旧車よりも外国旧車のほうがレストアしやすい?

また、国産車ばかりでなく外国車にまで目を向ければ、修理がしやすく、維持も容易な旧車というものが数多く存在していることに気づくことでしょう。

世界的に人気のある外国製旧車は、各国にファンがいるので部品の流通量がケタ違いに良く、現在でも新品部品が作られているほか、場合によっては市場に流通しているパーツだけで新車が1台組めてしまうほどなのです。

しかも、需要が多いだけあってパーツも手頃な価格のものが多く、インターネットを使えば、それらのパーツが容易に入手できることも大きなメリットです。

実際に筆者は、7〜8年前に米国から77年型マスタングII用のサスペンションキット(サスとブレーキ一式がフロントメンバーに組みつけられたもの)をネットを通じて米国から個人輸入しました。
支払った金額は邦貨換算で送料を入れても20万円弱で購入できました(1ドル=80円台の時代)。
パーツは注文してから1週間ほどで届きましたので、国内の専門店を通じて購入するよりも、早く、安く買うことができました。

こうした事情からレストア初心者には、国産車よりも外国車のメジャー車種を薦めるベテラン・レストアラーも多くいるほどです。

レストアされることが多い人気の旧車

MG-B

アルファロメオ1750GTV

VWタイプ1(ビートル)

世界的に見るとレストアベースのタマ数が豊富で、構造が複雑でなく、部品の流通が良いMG-Bやアルファロメオ・ジュリアシリーズ、VWビートルなどがレストアされることが多い人気の旧車です。

国産旧車なら北米に大量に輸出されたフェアレディZ(S30型)や日産ブルーバード(510型)などがレストアに適しています(フェアレディZはベース車も高めですが)。

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旧車をレストアするならボディのコンディション重視で!

相場と周辺情報の知識を得たところで、いよいよベース車選びとなります。

コンディションに関しては、とにかく初心者はベース車の購入前に車体を入念にチェックして錆の少ない個体を選んで下さい。
レストア作業というとボディワークを思い浮かべる人も多いと思いますが、錆だらけのコンディションの悪い旧車を完璧にレストアしようすれば、
作業時間と労力、そして予算はどれだけ掛かるかはわかったものではありません。

これも筆者の経験談なのですが、以前ボディ下回りと外装に錆が浮かんだアルファロメオをレストア込みで購入しようと考え、プロのレストアラーに見積もりをお願いしたら、ボディワークだけで300万円を超える見積書が返ってきたことがあります(結局、そのクルマの購入は見送りました)。

エンジンやトランスミッションなどの機械系は、その気になれば修理や交換が可能ですが、ボディの取り替えだけはできません。
ベース車の購入に当たっては何よりもボディのコンディションを重視して下さい。

本格的じゃないプチレストアもオススメ!

ルノー・シュペールサンク

先ほど「間口が広く奥行きが深い」と述べた通り、
実際にはボディワークは再塗装だけで、錆取りや溶接などの板金修理がほとんど必要ないケースもあります。

筆者は昨年、92年型ルノー・サンクを10万円で購入して「プチレストア」を試みました。

入手したサンクに錆や大きなヘコミなどはなく、塗装面が痛んでいただけだったので、友人の塗装工房に痛んだ塗装面の再塗装を依頼し、エンジンからの水漏れは知人のメカニックに直してもらったくらいで、大きな修復作業はありませんでした。あとは自分で点検と消耗品の交換、徹底的な掃除、内装のメーターバイザーの補修を行っただけで作業は完了しました。

仕上がったクルマはピカピカで絶好調! 予算も50万円くらいで済みましたし、何よりも修復作業は楽しく、他では得難い貴重な経験ができました。

もしみなさんの中でレストアに興味をお持ちの方がいらっしゃるのなら、本格的なレストアを始める前に、プチレストアからチャレンジされたほうが良いかも知れません。

レストアして旧車の乗る醍醐味とは?

アルファロメオ・スパイダー(初代)

旧車はノスタルジーだけでなく、強烈な個性、ダイレクトな運転感覚、コストダウンとは無縁の丁寧な作り込みなど、現在のクルマにはない独特な魅力に溢れています。ましてや、自分がレストア(たとえそれがプチレストアだったとしても)したクルマなら思い入れもが深くなることでしょう。

レストアする課程で、そのクルマのメカニズムや設計理念をより深く知ることができますし、レストアの情報を収集する課程でクルマに対する知識も増えて行きます。

それにステアリングを握る度に「このクルマは自分がレストアしたクルマだ!」と実感することができ、それが何にも増して得難い喜びになります。

旧車は維持が難しいクルマではありません。ほんのちょっとの情熱とクルマに対する愛情があれば誰でも乗れるし、維持できるのです。

旧車のレストアを楽しもう!

レストアについてのまとめ記事はいかがでしたでしょうか? 
古い車の見た目が好き!という方にとっては、朗報だったのではないでしょうか。
費用も、手間もかかりますが、レストアされた車の乗る時の気分は最高に決まってます。

以下で、レストアしてでも乗りたい、往年の名車もご紹介しています。
気になった方は是非チェックしてみてください。

レストアしてでも乗りたい過去の名車はこちら

この記事の執筆者

山崎 龍この執筆者の詳細プロフィール

1973年1月東京生まれ。自動車専門誌の編集を経てフリーライターに。自動車専門誌を中心に、航空、ミリタリー、映像作品、オタクカルチャー、政治などの 様々なジャンルに寄稿する雑文ライター。 著書に『最強!連合艦隊オールスターズ』『萌えだらけのクルマ選び』(共にイカロス出版)、『「...