空冷エンジンのメリットとは|オーバーヒートしやすい?水冷エンジンとの比較も!

エンジンには、2つの冷却方式があります。空冷エンジンは、その一つです。この記事では、空冷エンジンとは何か、メリットやデメリットはどんなものか、水冷エンジンとの違いは何か、オーバーヒートについて、オイルはどういうときに使うのか、などを説明します。

空冷エンジンとは?

空冷エンジン

出典:©Shutterstock.com/Patrik Slezak

空冷エンジンとは、外の空気を使ってエンジンで発生した熱を排熱し、冷却するエンジンのことです。
空冷エンジンは、自然空冷式と強制空冷式の二つの方式に分類されています。

自然空冷式

自然空冷式とは、熱を交換したときに発生した上昇気流を使い、空気を入れ替えて冷却する方式です。
重量は軽く、構造も簡単になっていることから、オートバイなど、発生した熱を走行した際に発生する風による冷却のみで発散することができると想定されるタイプのエンジンに使われることが多いです。
このように、自然空冷式はオートバイに多く使われています。

強制空冷式

強制空冷式とは、エンジン動力で冷却ファンを常時駆動させ、外部の空気を積極的に取り込んで冷却フィンに当て、冷却するという方式です。
名前の通り、強制的に冷却する仕組みとなっています。

自然空冷式に比べると複雑な構造になっていますが、エンジンが回転しているときならば常に強制冷却が行われるという長所があります。
こういった特徴から、強制空冷式は自動車や原動機付自転車に多く使われています。

水冷エンジンとの違いは?

水冷エンジンとの違いについて説明する前に、まずは水冷エンジンについて説明します。
水冷エンジンとは、水や冷却液を使用して、エンジン内で発生した熱を冷却するエンジンです。
ウォータージャケットと呼ばれる空間があり、そこに水や冷却液を流し込んで、燃焼によって発生した熱を抑えています。

水冷エンジンのメリット

水冷エンジンは、熱の容量が空気よりも大きい水を使って、安定した冷却能力を発揮しています。
この冷却能力は、空冷エンジンと比べると比較的安定しています。
また、エンジンを水で包んでいるため、エンジンから発生する騒音を水が抑えてくれるので、空冷エンジンと比べると比較的静かになっています。
その他にも、空冷式エンジンにある公害問題もなく、常に最適な水温を作り出すことができ、ヒートコントロールにも優れています。

水冷エンジンのデメリット

デメリットとしては、冷却水を循環させるための配管が必要になり、その際に使用する部品が増えたり、複雑な構造のため、これまた同じく部品が必要になります。
つまり、重量が増えるということです。
また、冷却水が少なくなってしまったり、漏れてしまったときなどに、故障してしまうという危険性があります。

空冷エンジンのメリットとは?

空冷エンジンのメリット

出典:http://bbs.kakaku.com/

それに対し、空冷エンジンのメリットとしては、水冷エンジンに比べて構造がシンプルになっており、軽量でかつメンテナンスにも手間がかかりません。
そのため、コスト面でも水冷エンジンに比べて有利になっています。
また、シリンダーやシリンダーヘッドに冷却フィンが装着されているのも特徴で、その冷却フィンを活かした独特な造形もメリットであるといえます。
それ以外にも、冷却水が不必要なため、ラジエーターなどの液体の熱を放熱する装置も不要となっていたり、自然が多い場所では空冷エンジン独特のフィーリングを楽しむこともできたりします。

空冷エンジンの代表車

出典:http://www.goo-net.com/

空冷エンジンの代表車といえば、ポルシェ・911でしょう。
1964年に販売されたこの車は、OシリーズやAシリーズなど、これまでに多数のシリーズが発売されてきました。
1989年に最後のモデルが発売された後に、同年に964型に移行しました。
その他にも、ホンダが発売した1300や、フォルクスワーゲン・タイプ1などが、代表的な空冷エンジン搭載車です。

ホンダ・1300

出典:http://www.goo-net.com/

フォルクスワーゲン・タイプ1

フォルクスワーゲン・タイプ1

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空冷エンジンのデメリット

空冷エンジンのデメリット

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空冷エンジンのデメリットは、水冷エンジンに比べて冷却能力が低いことです。
空冷エンジンで冷却するためには、走行しなければならないため、どうしてもその点では水冷エンジンに劣ります。
また騒音なども水冷エンジンに比べて大きくなってしまいます。
それ以外にも、オイル交換などのメンテナンスにコストや労力がかかってしまったり、シリンダー周りの温度が水冷に比べると高く、それに伴ってシリンダーが歪みやすかったり、水冷エンジンと比べて燃費が悪かったりと、様々なデメリットがあります。

公害問題も?

空冷エンジンの最大の問題は、公害問題です。
空冷エンジンは、水冷エンジンに比べて炭化水素の値が多くなってしまいます。
これを減らすには、温水や温風で混合気を暖め、気化を促進し完全燃焼をさせなければなりません。

しかし、空冷エンジンは温度管理に難があり、混合気を薄くすることが難しかったのです。
そのため、炭化水素を比較的減らしている水冷エンジンの方が、環境に優しいエンジンであるということになっています。

空冷エンジンのオーバーヒートについて

エンジンのオーバーヒート

出典:©Shutterstock.com/ZoranOrcik

オーバーヒートとは、冷却が追い付かずにエンジンの温度が上昇する現象です。
これが起きてしまうと、ガリガリ、という異音が聞こえたり、エンジンの回転率が悪くなったりと、様々な不具合が起きてしまいます。
空冷エンジンは、外部の風を使って冷却するため、運転中には常に冷却している仕組みになっています。
そのため、水冷エンジンと比べると走行中ならばオーバーヒートは起こしづらいですが、渋滞などで長時間運転せずに止まっていると、冷却ができません。
オーバーヒートを起こさないように、対策をしなければならないのです。

オーバーヒートの対策法

対策法としては、暑い日などになるべく運転を控えることです。
暑い日は特にオーバーヒートが起きやすいので、なるべく運転しない方が得策です。

その他にも、停止中は風による冷却が出来ないので、停止中はオイルを使って冷却します。
使用するオイルはどれでも大丈夫ですが、冷却機能に特化したオイルがおすすめです。

空冷エンジンはフィーリングが魅力的!

出典:https://hexagonclassics.com/

空冷エンジンに関する記事はいかがでしたか?
水冷エンジンに比べると、どうしてもデメリットが目立ってしまいますが、空冷エンジンならではのメリットもあります。
例えば、現在は採用されてはいませんが、かつてポルシェ911には空冷エンジンが採用されていた時期があり、パワフルな運転やエンジン音などの独特なフィーリングがドライバーには人気でした。
こういったように、単純な性能だけではない魅力が、空冷エンジンにはあるのでしょう。

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