MOBY

【自動車の歴史】リンカーンの歴史、ルーツと車種の特徴を知ろう!

アメリカの高級自動車メーカー、リンカーン。2つの大きな戦争に直面し、それでも消えない情熱。世界中のオーナーを熱狂させてきた信念ある車づくり。そんなリンカーンの歴史と、時代ごとに魅せる車の特徴を紹介します。

リンカーンってどんな車会社?

出典:http://www.lincoln-japan.jp/

第16代アメリカ大統領の名を冠した自動車メーカー、リンカーン。
キャディラックと並んでアメリカを代表する高級車メーカーとして知られています。
現在はフォード・モーターの一部門として、高級車の販売を行っています。

高級車メーカーへの道のり

出典:http://matome.naver.jp/

リンカーンが高級車メーカーとしての地位を得るのは、簡単なことではありませんでした。
1917年、リンカーン設立。
戦争がリンカーンを誕生させ、また、同じ戦争によってリンカーンは苦しめられることになります。

第一次世界大戦とリンカーン

出典:http://www.lincoln-japan.jp/

写真は創始者、ヘンリー・マーティン・リーランド

第一次世界大戦中、創業者のリーランドはエンジンメーカー、リンカーンを設立します。
戦時下、政府から航空エンジン生産の要請を受けたこと、そして、それを生産することが目的でした。
同社は戦後までに6,500基のリバティ航空エンジンを納入しています。

戦後の再出発と困難

出典:https://commons.wikimedia.org/

1922年式モデルL・ツーリング

終戦後、リンカーンは高級車メーカーとしての路線を歩み始めました。
そして、1920年に試作品が完成した「モデルL」は、徹底した品質管理と群を抜いた性能により大きな前評判をとりました。
しかし、注目を集めたはずのモデルLの販売実績は思ったほど伸びませんでした。
原因はスタイリング。
モデルLは、性能は抜群でしたが、富裕層に好まれるデザインではなかったのです。
加えて、戦後不況や戦時中の利益に基づく追徴課税がリンカーンを直撃しました。
財政難の末に、リンカーンはフォード・モーターに買収されることになるのです。

フォード・モーターの高級車ブランド

出典:http://www.lincoln-japan.jp/

写真はエドセル・フォード

フォード・モーターの創始者ヘンリー・フォードの息子であるエドセルは教養人で、欧州の社交界にも知己を持つ人でした。
その人の元で、リンカーンは「フォード・モーターの高級車ブランド」として歩を進めることになります。
リーランドにはなかったヘンリーの優美な感性は、リンカーンの自動車に華麗な装飾を施し、それらは富裕層に受け入れられていきます。
やがて、アメリカを代表する高級車という評価を勝ち取るのです。

新しいリンカーンと2度目の戦争

軌道にのったリンカーンは新たな路線を開拓します。
目指したステージは上位中級車市場でした。

進歩性の象徴・ゼファー

出典:https://www.toyota.co.jp/

ゼファー・1937年モデル

1936年、リンカーンの新たな試みは大好評を持って迎えられます。
それまでのものに比べ価格を抑え、しかし洗練されたデザインを残したゼファーは流線型のデザインが斬新でした。
ゼファーは偉大な名を残すことになります。
アメリカ車一般に、流線型のスタイリングが普及する嚆矢となった車種として。

コンチネンタルの成功

出典:https://commons.wikimedia.org/

初代コンチネンタル

ゼファーのヒットを受けて、リンカーンはゼファーのコンセプトを発展させた車の開発を熱心に行います。
その結果が、同社でもっとも成功したといえる「コンチネンタル」です。
コンバーチブルやクーペを擁したコンチネンタルは、モデルLの後続モデルであるモデルKに代わるイメージリーダーとして、上流人士から高い人気を集めました。

2つのリンカーン

出典:http://www.lzoc.org/

ゼファーとコンチネンタルの『2つのリンカーン』は、辣腕なデザイナーの手で毎年細やかなデザインチェンジが施され、堅調な売り上げを重ねます。
第二次世界大戦中はストップした生産も、戦後はきっちりと再開され、キャディラックとは別の個性を持った高級車として国民の懐に認識されていきました。

リンカーンが送り出した名車たち

出典:http://www.lincoln-japan.jp/

アメリカ国内ではもちろん、リンカーンの洗練された名車は世界各国に熱狂的なファンを生み出しました。

リンカーン・ナビゲーター

出典:https://www.calwing.com/

大型高級SUV、ナビゲーターは1998年に鮮烈なデビューを果たしました。
2001年にはアメリカの大型SUV市場の4割もが、ナビゲーターによって占められたといいます。
そしてその3年後、リンカーンは満を持して新型モデルを発表。一目でナビゲーターとわかる特徴的なエクステリアに、人々は沸きました。
インテリアは、もちろんレザーやウッドなどの厳選された上質な素材。
エンジンはフォード新世代のスタンダードとなりつつある、V6 直噴3.5L ツインターボ「ECO BOOST」を採用しました。これにより、最大出力380ps、最大トルク59.5kgmを引き出します。
ラグジュアリーカーの快適な乗り心地を守りつつ、スポーティーなハンドリングも楽しむことのできる、リンカーンの自信作です。

コンチネンタル マークⅤ

出典:http://acars-mg.jp/

その堂々たる姿はまさにキング・オブ・アメリカ。
現在では希少車のひとつに数えられるコンチネンタルマークⅤ。
2ドアでありながら全長5850mm、全幅2024mmという巨大なボディは、生産された1970年代のアメリカの精神を思わせます。
エンジンは6.6L V8を採用。最大出力は168ps/3800rpm、最大トルクは433N・m/1800rpmで、3速ATが組み合わされています。
エアコン、パワーウィンドウ、パワーステアリング、パワーシートの標準装備は、発売当時には考えられないほどゴージャスかつ最先端なものでした。

タウンカー

出典:http://blog.livedoor.jp/

1981年から2001年まで、リンカーンブランドの看板としてアメリカの街を走ってきたタウンカー。
抜群の乗り心地を誇るフルサイズセダンです。
その優雅な走行は最後の製造から15年経った現代でも充分に感じることができ、イギリスの人気番組「Top Gear」でおなじみのジェレミー・クラークソンは「空襲されたばかりの都市を眼科手術しながら走ろうと、手術は問題なく成功するはずだ」と表現しています。
ちなみに一般的なセダンと違い、最大6人まで乗車することができます。

共通するリンカーンの魅力

リンカーンの車に共通するもの。
それは洗練された美しいボディ。そして、なにより常に時代の最先端をいく確かな技術と素晴らしい乗り心地。
伝統的なコンセプトを守りつつ、研究することを怠らないその姿勢が、これらの名車を生み出しているのです。

大統領専用車両としてのリンカーン

出典:http://tugaruya1.exblog.jp/

リンカーンはキャディラックと並んで、リムジンを合衆国の大統領専用車として提供してきました。

2人の大統領に仕えたリムジン

出典:https://commons.wikimedia.org/

クーリッジ大統領が愛用したリンカーンのリムジン

はじめてリンカーンがホワイトハウスに納入されたのは1924年。大統領はカルビン・クーリッジでした。「サイレント・カル」と呼ばれた、無口な大統領です。
このとき納入されたリムジンは、次の大統領、ハーバート・フーヴァーに受け継がれます。

サンシャイン・スペシャル

出典:http://tugaruya1.exblog.jp/

街を行くサンシャイン・スペシャル

1942年、ホワイトハウスに巨大なオープンカーが納入されました。
サンシャイン・スペシャルの愛称で親しまれた、リンカーンのオープンカーです。
フランクリン・ルーズベルトの時代でした。
サンシャイン・スペシャルは、モデルKシャーシーを延長し、1942年型リンカーン・ゼファー似のボンネットと、サッシュ付防弾ガラス窓を備えたオープンボディを載せたものでした。
この車は、次代のハリー・S・トルーマンも愛用しています。

史上もっとも有名な大統領車

出典:https://commons.wikimedia.org/

暗殺直前のケネディ夫妻

サンシャイン・スペシャルの引退後、4人の大統領を乗せた「バブルトップ」を経て、ホワイトハウスには1台のリムジンが納入されます。
そのリンカーン社のオープンカーは、1963年、ケネディ大統領夫妻を乗せダラスを走りました。
そして、ケネディ大統領暗殺の主役として、世界中の人の記憶に刻まれることになるのです。

リンカーンがリンカーンであり続けるために

フォード傘下になっても受け継がれるリンカーンの情熱

出典:http://www.lincoln-japan.jp/

なぜ、リンカーンは特別な存在であり続けることができるのか。
それは、リンカーンを築き上げてきた人たちの情熱、そして、車づくりに対する信念が世界中のオーナーを魅了し続けるからです。
情熱と信念のはじまり、創始者であるヘンリー・リーランドは、厳格な技術者でした。
彼の血脈は、フォード・モーターの傘下に入ったいまでも、リンカーンの車に受け継がれています。

リンカーンを走らせるということ

いかがでしたか?
アメリカの高級車であり続けること。それは並大抵のことではないと思います。
それをまさに体現しているような、圧倒的存在感を放つ車たち。
そこには創始者リーランドと、それに続く人たちの執念すら込められているような気がします。
きっと、日本の街を走ったら拡声器で演説するより目立つのではないでしょうか。そんな趣の、コンチネンタルマークⅤ。
いつか、自分の身を委ねて走らせてみたいものです。

アメリカ車に関連するおすすめの記事

その他の自動車会社の歴史についてはこちら

関連キーワード
キーワードからまとめを探す


関連する車種/メーカー
車種/メーカーからまとめを探す