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イモビライザーだけではダメ?防止できる犯罪・できない犯罪と防犯性を高める使い方

イモビライザーとは?

©Sawat/stock.adobe.com

キー(鍵)と連動させた盗難防止システム

イモビライザーは自動車やバイクのための盗難防止システムの一種です。イモビライザー搭載車両には専用のキー(鍵)が用意されており、その専用キーでのみエンジン始動ができる仕組みになっています。

イモビライザー搭載車両で専用キーをシリンダーへ差し込むと同時にIDの認証が行われます(トランスポンダを内蔵するキーがシリンダー側の磁気に近づくことでIDを発信する)。

差し込まれたキーのIDが車両に登録されているIDと同じであることが確認されると、エンジンを始動できるというわけです。

イモビライザーのメリット:複製キーによる盗難を防げる

イモビライザーのメリットの1つは複製キーによる車両盗難を防ぐことができることです。

その車両でのみ使用可能なキーが電子的に設定されているので、キーの鍵山が一致する別の鍵だととしても、エンジンを始動させるのは不可となります。

この防犯性能の高さにより、過去にはイモビライザー搭載車両の任意自動車保険料を割引く制度がありました。

しかし、普及率の高まった現在ではこの割引制度はほとんどありません。また、イモビライザーをかいくぐった犯罪手口も増えてきています。

イモビライザーで防止可能な犯罪・防止不可な犯罪

セキュリティを高めるうえで必要不可欠なイモビライザーですが、残念ながら必ずしも犯罪を防ぐことができるわけではありません。特に次のような犯罪には別途対策を行うことが求められます。

【防止可能】エンジンを始動させての車両盗難

すでに述べたようにエンジンを始動できるのは車両システムとリンクした専用の鍵のみですから、その専用キーを盗まれない限り、エンジンを勝手に指導されて盗まれるということはほぼありません。

【防止不可】レッカー車を使った車両盗難

エンジンを始動することができなくても、レッカー車でそのまま車両を盗難する手口には打つ手なしです。

【防止不可】車上荒らし

物理的に車両の一部を破壊されて車内に侵入されて車上荒らしに遭う可能性もあります。ただし、イモビライザー搭載キーが使われる車種では防犯ブザーも搭載されていることが多く、そのような際には比較的気がつきやすいです。

【防止不可】イモビカッターによるイモビライザー破り

専用キーを使わずともイモビライザー搭載車のエンジンを始動できるイモビカッターというものがあります。運転席にある整備用のコネクターにイモビカッターを差し込むと、エンジンがかかる仕組みです。

イモビライザー付きキーの紛失時にエンジンを始動できるようにするのがイモビカッターの役割(つまり鍵修理業者等が持つもの)でしたが、それが悪用されて車両盗難に使われるようになったということです。ネット通販などをみると、現在でもイモビライザーを解除するアイテムが販売されています。

また、イモビカッターへの対策方法としてコネクター部に差し込むセキュリティ用品も販売されています。

イモビカッターを所有すること事態が違法になる場合があります。例えば愛知県の場合、愛知県安全なまちづくり条例の第26条の2(イモビライザが取り付けられた自動車の窃取に係る機器の所持の禁止)において、業務及びその他正当な理由の場合を除いてイモビカッターを所持することが禁止されています。

自分の車にイモビライザーが搭載されていることの確認方法

車を借りた時や中古車購入した時、その車両がイモビライザー搭載車両かどうか判断に迷う時があります。その時にはどのように確認すれば良いのでしょうか。

その1:鍵の形状で判断する

©New Africa/stock.adobe.com

昔の自動車やバイクの鍵は溝や凹凸のある形状で、これらの溝はシリンダー側の溝とピッタリと合うように作られていました。つまり、機械的にセルモーターを回してエンジン始動する仕組みです。溝の切られたキーだけがある場合、イモビライザーはその車両には搭載されていないとわかります。

これに対して、イモビライザー搭載キーは電子的なキー照合でエンジンを始動させる仕組みですから、必ずしも機械的なキーであるとは限りません。溝付きの鍵とボタン類がアッセンブリーになっているものもあります。

いずれにせよ、イモビライザー搭載車両であれば、キー側に電子的なID情報(つまりトランスポンダが)あるので、判断材料としては十分でしょう。

その2:インジケーターが点灯の有無で判断する

キーの形状で見極めるよりも簡単なのはインジケーターランプの点灯をチェックする方法です。施錠中の車両のメーター周りを見た時に赤く点灯するのが見えれば、イモビライザーが機能しているとわかります。

普段あまり車に乗らない人や、乗り慣れないレンタカーを借りた場合など、施錠後の車内で赤いランプが点滅していると驚くかもしれません。

しかしこれは「イモビアラームセット中」の警告ランプですので、異常ではありません。また、この点滅でバッテリーが上がることもありません。

イモビライザーに対応したスペアキーの作り方と値段は?

スマートキーやキーレスエントリー化が進み、車のスペアキーは街の鍵ショップやホームセンターでは容易に作成できなくなっています。

イモビライザーの搭載もその理由のひとつで、イモビライザーの防犯上のメリットは鍵を簡単に複製されない点にあるため、正式なスペアキーの作成も容易ではありません。

トランスポンダを判別する機械やイモビライザーキーを登録するための装置、クローンキーを作製するための装置などの専用機材が必要です。

スペアキーはどこで作れる?

イモビ対応キーのスペアは原則として正規ディーラーに依頼して作成してもらうのがおすすめです。

作成可能な鍵ショップもありますが、ディーラーとどちらがお得かは一概には言えない場合が多いようです。

いずれにせよ、イモビ非対応のキーに比べて高額になりますので、少しでも安く作りたい場合は複数店から見積を取ってみましょう。

スペアキーが作れる場所・お店

車のスペアキーは以下に挙げる場所であれば、大抵の場合どこでも作成することができます。

  • カー用品店(オートバックスなど)
  • ホームセンター
  • 鍵専門店
  • ディーラー

ただし、これは車の鍵が古いタイプである場合に限り、前述したスマートキーやキーレスエントリー、イモビライザー搭載車の場合、その車を購入したディーラーに頼む必要があります。

スペアキー作成にかかる値段は?

スペアキーの値段は場所によって違いますが、一番簡単なタイプの鍵であれば、350~500円程度で作成することが可能です。

ただし、キーレスエントリやスマートキー、イモビライザー搭載車といった、ディーラーに頼まなければスペアキーを作成できない車の場合、1万~5万円にもなることがあります。

BMWやベンツなど、外車のスペアキーはその使用材質の違いもあって、国産車のスペアキーよりもさらに値段が高くなります。

スペアキー作成にかかる時間は?

一番簡単なタイプの鍵であれば、数分~数十分とすぐに作成することができます。

ただし、キーレスエントリやスマートキー、イモビライザー対応キーの場合は、部品の取り寄せや情報の再登録といったことをする必要がある関係で、通常の鍵よりも作成に時間がかかります。

早ければ3日、遅いと1週間は待たなければいけないこともあるようです。

イモビライザーキーの紛失・破損時の対処方法

対処方法1:ロードサービスに運搬を依頼する

JAFをはじめとするロードサービス業者に依頼して、お世話になっている整備工場やディーラー等へ当該車両を運んでもらいましょう。レッカーサービスもタダではありませんが、任意自動車保険に加入していれば走行不能時の運搬にかかる費用が保障されるので(上限あり)、近場であれば心配する必要はありません(そもそも任意自動車保険に加入していない人はまず加入しましょう)。

対処方法2:「カギの救急車」などを呼ぶ

「カギの救急車」をはじめとするサービス業者を呼ぶ方法もあります。この場合、業者がイモビライザーに対応しているかどうかを確認する必要があるので、電話する際にはその旨を伝えてください。

外出先で紛失したら遺失届を警察に届け出る

外出先で紛失した際には遺失届を警察に届け出ることも併せて覚えておきましょう。届出先は警察署の窓口や交番・駐在所ですが、電子申請や電話でも届け出ることができます。

イモビライザー対応キー用のケース選び

リレーアタック対策にケースを使うのが基本

イモビライザー仕様のキーに対応したケースが販売されています。これはイモビ無しのキーと比べてサイズが大きい(かさばる)ので収納を便利にという側面もあったりしますが、スマートキーから出ている微弱な電波を悪用して車両を盗むリレーアタックの対策ととして使われることが多いです。

自宅保管時と出先で使い分けるのもアリ?

ここではスマートキーを前提に話を進めますが、自宅保管用と出先用にキーケースを使い分けるのがおすすめです。

自宅で保管する時には電波を遮断する材質の箱等にスマートキーを入れるのが有効です。玄関近くに車両とキーをまとめている人を一定数見かけますが、車両とキーが近ければ近いほどリレーアタックをやりやすいので、スマートキーの電波が拾われないように遮断するのがポイントとなります。

有効なものとしてブリキ缶がよく紹介されています。しかし、出先でブリキ缶にスマートキーを入れて持ち運ぶのは非効率的に思われるので、その際には携帯用のスマートキーケースでなおかつリレーアタック防止用を選んでおくのがベストです。

イモビライザー搭載キーはサイズがあるので、リレーアタックの心配をしていないとしてもケースに入れて持ち運ぶ方が見た目もスッキリして管理場所も決まるので安全です。

イモビライザーの後付けはできる?

イモビライザーの後付け品が販売されているので、装着方法の理解と技術があれば後付けは十分可能です。イモビライザーが標準装備されていなかった昔の車種で、なおかつ盗難が多発しているような車種であれば、イモビライザーを後付けしてセキュリティを頑丈にするのも良いでしょう。

自社に装着可能なイモビライザーが必ずしもあるとは限らないので、対応品の有無を事前に調べてください。

搭載にかかる費用は3万円~40万円と価格帯は広めです。年式の古い車種への取り付け費用は高額になる場合もあります。

複数の防犯アイテム・カーセキュリティを組み合わせるのがおすすめ

車両盗難のセキュリティ対策として一定の効果があるイモビライザーですが、絶対に安全というわけでもありません。

カーセキュリティにはさまざまなタイプの製品があるため、メーカー純正・非純正を含め、複数を組み合わせて対策しましょう。

イモビライザーのみの場合、車上荒らし対策に警報タイプのセキュリティを併用するのがおすすめです。

車両盗難をさらに厳重に防ぎたい場合は、警報のほか「手元の機器に通報してくれるタイプ」「車両の位置情報を知らせてくれるタイプ」なども効果的です。

また、イモビライザーはセキュリティ効果が高い分、キーを雑に取り扱って壊したり紛失すると、その後の対応で余分な時間とコストのかかるリスクもあります。盗難や破損を防ぐためにも適切に取り扱いましょう。

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執筆者プロフィール
中華鍋振る人
中華鍋振る人
自動車とバイクに関連する記事を書いています。モータースポーツは観戦よりも参戦派。道交法や違反に関する情報を、法律に詳しくない人にもわかりやすく解説しています。

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