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坂道発進マニュアル
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坂道発進の手順とコツは?MT車・AT車をエンストさせずに運転する方法

坂道発進とは「坂道上の車が停止から発進させること」

画像:写真AC

車を運転していると、上り坂の途中や坂を登り切ったあたりで信号や停止線があり、停車させるシチュエーションがあります。そのような場面でドライバーは、再び車を発進させようと操作するでしょう。

上記のようなアクションを「坂道発進」と呼びます。坂道の途中あるいは登り切った段階で停止した車を、再び走行させるためにドライバーはアクセル・ブレーキなどのペダルを駆使して前に進めるよう操作しなければなりません。

坂道発進は運転免許取得のため自動車教習所に通っていた人なら教習および仮免許の技能検定で目の当たりにする、あるいは日常で車を運転している人ならよく遭遇するシチュエーションでしょう。運転免許を取得できた人でも、坂道発進を苦手とする人は多いかもしれません。

どうすれば、上手に坂道発進を成功させて快適に車を運転できるでしょうか。今回は、坂道発進の手順とコツをテーマに、運転初心者の人でもわかりやすく取り上げてみました。

マニュアル車について詳しく知りたい方はこちら

坂道発進の手順

@One/stock.adobe.com

この項目では、「坂道発進の手順」を解説します。

車のトランスミッションは大まかの2つの種類が存在しているのを知っている人が多いかもしれません。

  • マニュアル車(マニュアルトランスミッション車)
  • オートマ車(オートマチックトランスミッション車)

「マニュアル車」および「オートマ車」は、ハンドルはまったく同じではあるものの、運転席の足元に備わったペダルの数やシフトレバーの形状が異なっているため、車の走らせ方が異なります。ペダルやシフトレバーの違いにより、坂道発進での操作にも若干の違いがあるため注意すべきでしょう。

以下、マニュアル車とオートマ車、それぞれの坂道発進での手順を追ってみましょう。

※この解説では、坂道で車を停めた段階から始まるのを想定しています

マニュアル車で坂道発進をするケース

@Natallia/stock.adobe.com

マニュアル車での坂道発進の方法は大まかに分けると、以下の6つの段階を経て車が再び発進する流れです。

停車したら右足はブレーキペダル、左足はクラッチペダルを踏んだままで、シフトレバーを1速(ローギア)を入れる。
サイドブレーキを引く(電子スイッチ式ではスイッチを押す)
目視で周囲の状況を確認する(サイドミラーやルームミラーも活用するとよい)
右足をブレーキペダルから離してアクセルペダルへ踏み替える。アクセルペダルに足を置いたら、少しずつ踏んでエンジンの回転数を上げる。
右足でアクセルを踏むことによりエンジンを回しつつ、左足はクラッチペダルを徐々に上げていき「半クラッチ」の状態を作る。
クラッチペダルを上げていくと車体が前に進む様子を感じ取れるため、アクセルを踏んだ状態でサイドブレーキを解除し車を前進させる。

マニュアル車での坂道発進の流れ

まず、車が停止している状態となったら、右足でブレーキペダル、左足はクラッチペダルを踏んだままでシフトレバーを1速(ローギア)に入れます。

その際、シフトレバーを「N」(ニュートラル)以外のギアに入れて、クラッチから足を離すと「エンスト」(エンジンが停止してしまうこと)してしまうため注意しなければなりません。確実に右足はブレーキペダル、左足はクラッチペダルを踏むのを忘れないようにしましょう。

引き続き、ペダルを踏んだ状態+シフトレバーを1速に入れた状態となったら、サイドブレーキを引きます。

サイドブレーキを引いた状態であれば“パーキングブレーキが働いている状態”となり、発進操作を行う際に車体が後退するのを少なく食い止められるからです。サイドブレーキを引いていない状態でも順に説明するペダル操作で坂道発進はできます。しかし、安全に坂道発進をするなら、サイドブレーキを引いた状態であったほうが落ち着いて対応できるでしょう。

サイドミラーやルームミラーを使いつつ目視で周辺の状況を確認したのち、安全が確認できたら右足をブレーキペダルからアクセルペダルへ踏み替えます。少しずつエンジン回転数を上げるようにアクセルペダルを踏み込みつつ、クラッチペダルを上げてみてください。

クラッチペダルを上げてみると、車体が前へ進むような感覚が身体に伝わります。この状態を「半クラッチ」と表すケースが多いです。アクセルペダルは踏み込んだままでクラッチペダルを引き上げ、“半クラッチ”を維持したままサイドブレーキを解除すると車が前に進み始めます。この状態のままクラッチをゆっくり上限まで引き上げて、アクセルを少しずつ踏み込んでいくことにより車体を前進・走行させてみてください。

マニュアル車での坂道発進のコツ

車が前進するのを身体で感じ取れてからサイドブレーキを解除するのが、マニュアル車での坂道発進のコツです。

アクセルペダルを強く踏み込みすぎたり、クラッチペダルを素早く引き上げ過ぎたりしてしまうのもエンストの原因となります。アクセルペダルとクラッチペダルの力加減を的確にして、車が前進するのを感じ取ってからサイドブレーキを解除すると、スムーズに発進できるでしょう。

マニュアル車(MT車)のギアチェンジ・運転方法を知りたい方はこちら

(補足)「電子スイッチ式パーキングブレーキ」を使っているマニュアル車で坂道発進をするケース

©KATSU/stock.adobe.com

なお、昨今販売されている新型のマニュアル車をチェックしてみると、レバー式のサイドブレーキではなく「電子スイッチ式パーキングブレーキ」も存在します。通称「オートブレーキホールド」(ABH)とも呼ばれている機能です。

電子スイッチ式を採用している車種であれば、スイッチを押すことでパーキングブレーキのロックがかかります。

もし、電子スイッチ式を採用しているマニュアル車であれば、スイッチを操作してレバー式のサイドブレーキと同様にパーキングブレーキのロックがかかった状態にするとよいでしょう。

発進の際はレバー式のサイドブレーキと同様にアクセルペダルとクラッチペダルを操作します。しかし、レバー式とは異なりアクセルを踏み込むだけでパーキングブレーキのロックが自動解除される仕組みを採用している車種が多いです。ペダルの操作に集中して坂道発進ができるでしょう。

※ 車種によって電子スイッチ式パーキングブレーキの仕組みが異なるケースもあるため、詳しくはカタログや車両の取扱説明書を確認しましょう

オートマ車で坂道発進をするケース

©tarou230/stock.adobe.com

オートマ車での坂道発進の方法は大まかに分けると、以下の6つの段階を経て車が再び発進する流れです。

  1. 停車したら右足はブレーキペダルを踏んだままで、シフトレバーを「D」(ドライブ)に入れた状態とする。
  2. サイドブレーキを引く(電子スイッチ式ではスイッチを押す)
  3. 目視で周囲の状況を確認する(サイドミラーやルームミラーも活用するとよい)
  4. 右足をブレーキペダルから離してアクセルペダルへ踏み替える。
  5. 右足でアクセルを踏み、エンジンの回転数を上げる。
  6. アクセルを踏んだ状態でサイドブレーキを解除し車を前進させる。

オートマ車での坂道発進の流れ

オートマ車で坂道発進をする際は、マニュアル車と異なりクラッチペダルがないためシンプルな操作方法です。

車を停車させたら、右足はブレーキペダルを踏み込んだままで、シフトレバーを「D」レンジに入れた状態とします。この際、サイドブレーキ(レバー式だけではなく、電子スイッチ式もあり)でパーキングブレーキのロックをかけておくと安心です。

マニュアル車と同様、周囲の交通状況を確認してから坂道で停車した車両を発進させます。右足をブレーキペダルからアクセルペダルへ踏み替えて踏み込み、サイドブレーキを解除してパーキングブレーキのロックを解除します。すると、車両が前進して走行を始められるでしょう。

なお、電子スイッチ式のパーキングブレーキを採用しているオートマ車では、アクセルを踏み込むと自動でパーキングブレーキのロックが解除される仕組みを取り入れている車種が多いです。発進する際はアクセルペダルを適度に踏み込み、前後に停車している車両の動きにも注意しながら発進しましょう。

オートマ車での坂道発進のコツ

オートマ車での坂道発進を成功させるコツは「ヒルスタートアシスト」を活用する点です。

近年市販されている車種にはヒルスタートアシストと呼ばれる、1秒あるいは2秒の短時間ブレーキペダルから足を離しても車両が坂道で後退しない機能が搭載されています。

オートマ車ではマニュアル車と異なり操作が簡略化されている中で、ヒルスタートアシストを活用すると後退する心配が減り、安全に坂道発進の操作ができるでしょう。

エンストとは?坂道発進で起きるとどうなる?

@Satoshi/stock.adobe.com

「エンスト」とは、「エンジンストール」の略で、ドライバーの意図せずにエンジンが停止してしまうことを意味しています。どのような原因でエンストしてしまうのでしょうか。

MT車でエンストする原因

MT車(自分でギアを操作しながら運転する車)は、発進するとき、左足を使ってクラッチと呼ばれるペダルを操作(踏み込んだり、離したり)しなければいけません。

その際、一気にペダルを離してしまうとエンジンが強制停止してしまうのです。

特に坂道発進のときにエンストすると、エンジンが止まり、バックしてしまいます。後方から来ている車に接触してしまう可能性があり大変危険です。

AT車でエンストする原因

AT車は、クラッチペダルがないので基本的にはエンストしません。よって、坂道であってもアクセルを踏めばバックせずにスムーズに発進できます。

万が一、AT車に乗っているのにエンストしてしまう場合は、別の原因が考えられます。故障であったり、燃料切れであったり、いずれにせよ、すぐに整備工場などで診てもらう必要があります。

オートマでも教習所で坂道発進を教えるのはなぜ?

©キャプテンフック /stock.adobe.com

教習所のカリキュラムにオートマの坂道発進が含まれているからと答えることが正直なところですが、具体的な理由を考えると、オートマでも坂道発進時に車が下がる場合があるからと思われます。

オートマ(AT)車、CVT車、BEV(電気自動車)などはドライブモードにすればアイドリング時(アクセルオフ)の状態でも車両が動き出すので坂道発進時に下がることはなさそうに見えます。

しかし、坂道の傾斜の程度によっては当たり前のように下がってきます。ゆえに坂道発進の練習をオートマでもやりましょうということと思われます。

仮にオートマで坂道発進の練習することなく免許を取得したとしましょう。傾斜のきつい道でブレーキペダルから足を離した時に車が突然下がり出したらパニックになりかねず、慌ててブレーキを踏もうとしたら間違ってアクセルペダルを思いっきり踏んでしまって前の車両に追突するといったみたいな二次災害になりかねません。

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執筆者プロフィール
MOBY編集部
MOBY編集部
新型車予想や車選びのお役立ち記事、車や免許にまつわる豆知識、カーライフの困りごとを解決する方法など、自動車に関する様々な情報を発信。普段クルマは乗るだけ・使うだけのユーザーや、あまりクルマに興味が...
監修者プロフィール
鈴木 ケンイチ
鈴木 ケンイチ
1966年9月15日生まれ。茨城県出身。国学院大学卒。大学卒業後に一般誌/女性誌/PR誌/書籍を制作する編集プロダクションに勤務。28歳で独立。徐々に自動車関連のフィールドへ。2003年にJAF公式戦ワンメイクレー...

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