実はもう必要ない?暖機運転の意味とメリットやデメリットとは?

少し前までは、初心者ドライバーは、車を傷つけないため、「発進させる前には極力暖機運転をすること」と教えられていました。しかし、昨今では暖機運転は必要ない、むしろリスクがあるとも言われています。暖機運転をやった方がいいのか、車のためには暖機運転をしない方がいいのか、暖機運転の必要性や意味、メリット、デメリットをまとめてみました。

暖機運転を行っていますか?

暖機運転についてはいろいろな考え方があります。
専門家でも人によって違う意見が出たりするほどで、少し検索すると「必要ない」という意見もあれば「やらないとダメ」という意見もあり、「やってはいけない」とまで言うものまで出てきます。

これは「どこを重視するか」によって、意見が食い違っているのでしょう。
そこで、それぞれの意見を整理して、暖機運転の必要性や意味、メリット、デメリットについてまとめてみました。

暖機運転とは

暖機運転(だんきうんてん)とは、機械を始動した直後などに低負荷での運転を一定時間行うことをいう。 単に「暖機」と呼ばれることもある。 機械用語の一つであるが、自動車やオートバイ等を運用(運転)する際にも必要な知識の一つであることから、比較的一般的な用語でもある。

出典:https://ja.wikipedia.org/

暖機運転の意味は?

寒冷地の車の画像

出典:http://www.carsensor.net/

なぜ暖機運転が必要?

暖機運転の目的としては「エンジンを暖める」ということが挙げられると思います。
エンジンはなぜ暖める必要があるのかをきちんと説明できる方は少ないかもしれません。

昔の車はエンジンが暖まっていないと、走りたくても思うように走れないというのが実情でした。
気温が低い冬などは特に、しっかり暖機運転をしてエンジンが暖めてから発進しなければならなかったのです。

暖機運転のメリットとは?

出典:http://minkara.carview.co.jp/

暖機運転の必要性

前述の通り、最近の車は性能が向上したため、エンジンが暖まっていなくても走ることに支障はありません。
その理由のひとつは、エンジンのほとんどが電子制御されていることにあります。
電子制御の普及により、最近の車はエンジンが冷えた状態でも燃料の噴射量などを適切に制御することで、エンジンの性能を引き出せるようになっているのです。

さらに言うと、「エンジンの自動制御」によって、暖機運転状態にならなくなってもいます。
そのため、車両が停止した状態(アイドル状態)で「暖機」することは、エンジンや駆動伝達系の保護(寿命延長)にはあまり効果がないと考えられます。

暖機運転は必要ない?

では、暖機運転は全く不要なのかと言うとそうとも言い切れません。
基本的に、エンジン内部のパーツが本来の性能を発揮できるのは、適正な温度に温まった状態であるということです。
走行前にその状態まで持っていくことで、エンジンの消耗だけでなく、オイルの消費や燃費も抑えられます。

つまり、車の性能向上によって、暖機運転をやらなくても支障はなくなっていますが、メリットもあるということです。

暖機運転はエンジンの傷みを防ぐ

暖機運転をするメリットとしては、「エンジンの傷みを防ぐ」ということです。
その根拠は、エンジンの構造とエンジンオイルの働きにあります。

エンジンオイルは、オイルポンプの働きでエンジン内を循環しますが、エンジンが回っている間しか循環しません。
エンジンが停止した状態では、エンジンオイルはエンジンの最下部にある「オイルパン」という場所に溜まるしくみになっています。
そのため、エンジン始動時には、エンジンを保護するエンジンオイルがない状態になっています。
そこで急激に負担をかけると、エンジンが傷みやすいということです。

つまり、暖機運転はエンジンへの負担が一番低いと考えられる「アイドリング状態」から、エンジンオイルを循環させるのが目的なんですね。
車種や状況によって差はありますが、エンジンオイルが各部を循環するまで大体1分程度と言われています。
エンジンのためには、それ以上は必要ありません。

毎日運転する場合は、暖機運転はしなくても大丈夫?

エンジンの性能があがっていると書きましたが、向上しているのはエンジンだけではありません。
エンジンオイルもかなり高性能になっています。

最近のエンジンオイルは、エンジンが停止してエンジンオイルがオイルパンに戻っても、オイルの薄い膜をしっかりと維持します。
長期間に渡ってエンジンをかけない状態が続いたり、急発進などの負担をかけない限りは、エンジンは傷みづらくなっています。
定期的に、エンジンオイルの交換等のメンテンスをきちんとしていれば、「アイドリング状態での暖機運転」の必要性はほぼありません。

エンジン以外に暖機運転は必要?

エンジン以外にギヤ、タイヤ、ブレーキなどの温度で影響を受ける部分はありますが、走行しないと温まらなかったり、一般車では意識する必要がなかったりします。
これらの観点では、アイドリング状態での暖機運転のメリットはほとんどないと言ってよいでしょう。

暖機運転をした方が良い場合

車やオイルの性能向上によって、暖機運転の必要性が昔ほどありませんが、状況によっては、暖機運転をした方が良い場合もあります。

・長期間(目安として1週間以上)放置していた場合
エンジンオイルの油膜は、時間の経過とともに薄くなります。
久しぶりにエンジンをかける時には、暖機運転はした方が良いでしょう。

・外気温がマイナス10℃以下の場合
車種にもよりますが、寒冷地ではエンジンの状態が安定しない場合があります。
目安としては水温計が動き出すまで充分です。

間違った暖機運転のデメリット、注意点

冬場の暖機運転の画像

出典:http://www.nikkeibp.co.jp/

暖機運転でエンジンの燃費は向上しますが・・・

ガソリンは「粒子が小さく、温度が高いとき」ほど燃えやすい特徴を持っています。
ガソリンは揮発性が高い(蒸発しやすい)液体であり、温度が高いほど揮発性が高くなります。
真冬にエンジンがかかりにくいのは、気温が低いとガソリンが気化しにくいことがあります。

エンジンが温まっていない状態で走行すると、燃焼効率は良くありません。
燃焼効率の悪さを、ガソリンの量を増やして出力を補っているからです。
エンジンが温まっていない時に加速できず、より多くアクセルを踏んでしまう状態と言えば、おわかりになる方もいらっしゃると思います。

ですから、暖機運転をして、燃焼効率が良い状態(エンジンが温まった状態)にしてから走行した方が燃費のためには良いということが言えるのです。

アイドリング状態(停止状態)の暖機運転で燃費が悪くなる?

しかし、エンジンの駆動力を伝達する変速機、デフ(ディファレンシャルギア)、等速ジョイントなどは、走行して負荷を与えないと、内部のオイルの粘度が低くなりません。
つまり、アイドリング状態で暖機運転をしても、エンジンは良い状態になっていても、駆動伝達系の状態は改善していないということです。

その状態で、暖機が終了したと思って高速運転をすると、逆に燃費が悪い状態になってしまう可能性があります。
アイドリング状態(停止状態)の暖機運転は、燃費の面では無駄ということになります。

また、暖機運転中に排出される排気ガスやCO2も、デメリットに数えられます。

アイドリング状態(停止状態)の暖機にはリスクも!

アイドリング状態の暖機は、充分なオイルが供給されないため、カムシャフトやクランクのメタルなどの回転系パーツが磨耗を起こしやすい状態にあります。
長時間の空ぶかしは、車を損傷するリスクがあります。

効果的な暖機運転とは

昨今のエンジンの性能向上で、寒冷地などを除けば、エンジンのためだけの長時間の暖機は必要なくなっています。

燃費の点では、「暖機運転で使用した燃料」と「暖機運転をせずロスした燃料」のどちらの消費量が多いかということになります。
最近の車は、アイドリング時の燃料消費量が非常に低く抑えられています。
その効果は充分に期待できますが、アイドリング状態(停止状態)では、駆動系の暖機はできていません。
走行しながら暖機することもやはり必要です。

道路などの条件が許す範囲内で、エンジンの回転数が落ち着く程度のアイドリングと走行状態での暖機を組み合わせることが、車にとってはベストの方法だと言えます。

暖機運転の注意点

エンジンだけしか温められないアイドリング状態での暖機を短時間で済ませ、低回転、負荷をかけない運転をすることで、暖機運転を済ませましょう。
目安として、水温が安定する頃には車全体の暖機がほぼ完了していると考えて問題ありません。

1、アイドリング状態での暖機
 目安:エンジンの回転数が落ち着くまで、10秒~30秒程度。

2、走行しながらの暖機
 注意点:低回転での運転を心がけ、必要以上にアクセルを踏み込まない。
 シフトチェンジでのエンジンブレーキ等、トランスミッション等に負荷がかかる運転は控える。
 目安:水温計が通常の位置で安定するまで。

ヒトも車も同じ?寝起きは穏やかなスタート=暖機運転を!

古い常識で、「車を運転するときは、エンジンを温める必要がある」と思い込んでいました。
暖機運転といっても、エンジンの様子やメーターを見ながら、ゆっくり落ち着いて走りだす程度でよいということがわかりました。

緊急時を除いて、急発進や急加速、急ハンドルなどを避けることは安全運転にもつながります。
ヒトも車も同じ、寝起きは穏やかにスタートすることが大切ですね!

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