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トランスミッションとは?種類や交換・修理方法までわかりやすく解説

トランスミッションとは?

オートマチックトランスミッション用トルクコンバーターの強化溶接
©Pradit/stock.adobe.com

トランスミッションとは、日本語で“変速機”を意味し、エンジンの回転数を変換し、適切なトルクをタイヤに伝える働きをします。

トランスミッションの主な役割はエンジン回転数の増速と減速。重たい車を停止状態から加速させるためには、エンジンの回転数を減速し、トルクを増大させます。スピードが乗ってくると今度は徐々に減速の度合いを落とし、最終的にはエンジンの回転数以上に増速させて、タイヤを回転させるのです。

トランスミッションの身近な例には自転車の変速があります。自転車はきつい坂道ではギアを軽くして負担を減らし、スピードを出したいときには重たいギアで一気に加速します。

これと同じことを車のトランスミッションはやっているわけです。

変速比と減速比

トランスミッションには、変速比と減速比という言葉があります。変速比とはエンジンの回転数に対してトランスミッションが1回転する値です。

諸元表の変速比欄に記載されている1速3.678といった数字は“トランスミッションを1回転させるのに必要なエンジン回転数は、3.678回転です”という意味です。

この変速比の数字が大きくなるほどトルクは増大し、車を前に進める力が大きくなります。

一般には1速が一番大きな数字となり、トップギアは1を下回ることがほとんど。これはトップギアに入れると、エンジンの回転数以上にトランスミッションが回ることを意味し、トルクが小さくなる反面、エンジンが回る限り加速し続けます。

また、減速比はミッションの回転数に対するタイヤの回転数の比率で、最終減速比は車のトルク性能を大きく決める重要な指標であり、レ―スの現場ではコースに合わせて最終減速比を調整する事もあります。

トランスミッションの原理

DCT(デュアルクラッチトランスミッション)のイメージ画像
©scharfsinn86/stock.adobe.com

トランスミッションは入力側がエンジン、出力側がタイヤになります。

この原理を車に置き換えると、トランスミッションの入力側はエンジンと繋がっており、出力側はタイヤに繋がっています。

厳密にはもう少し複雑な構造をしていますが、ここでは大まかにそういう構造だと仮定しましょう。

車の始動時や上り坂など、トルクが必要なときに使うローギアは入力側よりも小さなギアがついており、エンジンの回転数よりもタイヤの回転数を減速。トルクを増大させます。

次にスピードが乗ってきた車は、エンジンの回転数よりも多くタイヤを回さなくてはいけなくなるので、入力側よりも出力側のギアの方が小さくなります。

このようにエンジンの回転数を最適に減速してタイヤに伝えるトランスミッションは、車を走らせる上で重要な役割を果たしています。

トランスミッションの種類

スバルパフォーマンストランスミッション
スバルパフォーマンストランスミッション

トランスミッションの種類は主に3種類。

どれも似たような言葉ですが、仕組みや構造は全く異なります。

トランスミッションの種類がわかれば車選びのコツやメンテナンスの重要性がより深く理解できるはずです。ざっくりとそれぞれの違いをチェックしていきましょう。

MT(マニュアルトランスミッション)

MTはマニュアルトランスミッションといい、クラッチペダルとシフトレバーを操作して、自分で変速するトランスミッションです。

スポーツカーや大型車には当たり前に採用されていたミッション形式で、シンプルかつ単純な機構となっています。

残念ながら現行で発売されている車のMT車の割合は約1%。運転の楽しみが広がるマニュアル車は、今や絶滅危惧種となってしまいました。

クラッチやシフトの操作は確かに面倒です。しかし一番車を“運転している”と感じるのはMTかもしれません。

AT(オートマチックトランスミッション)

ATとはオートマチックトランスミッションの略称です。ドライバーが変速をしなくても、車が勝手に最適なシフトポジションを選択してくれます。

ATはクラッチ操作やシフト操作が要らないばかりか、MT車にありがちな発進時のエンストも起こらないため、運転操作が非常に簡単です。

手軽に運転できる車ということで一気にシェアが広がりました。今では耐久性も向上し、トラックなどの大型車にもATは採用されています。

CVT

CVTとは、日本語では無段階変速機といい、ATと同じく自動でシフトチェンジを行います。

しかし、ATと違うのは内部に変速ギアが存在しないという点。変速ギアを使用せず、無段階で変速比を調整できるのがCVTの最大の特徴です。

ギアを入れ替えて変速するMTやATに比べて変速ショックが小さく、ミッションも小型・軽量に作成できるメリットがあります。

ミッションオイルの交換

©Byrd Setta/stock.adobe.com

トランスミッションは、定期的なオイル交換が必要です。

しかしミッションオイルの交換はトランスミッションの構造によって交換方法も交換するオイルも異なります。

DIYでミッションオイルを交換したいと思っている方は絶対に使うオイルの種類を間違えないようにしてくださいね。

MTのオイル交換

MTミッションのオイル交換には、“ギアオイル”を使用します。

ギアオイルにはオイルの温度に対する粘度を表す粘度指数というものが決められており、オイルを選ぶときには適切な粘度指数のオイルを選択する必要があります。

交換方法はミッションのオイルパンからオイルを抜き取り、規定量を指定の給油口から入れるだけ。

車をジャッキアップできる環境であれば誰にでも挑戦しやすい作業です。

ATのオイル交換

ATのオイル交換は”ATF(オートマチックトランスミッションフル―ド)”を使用します。

ギアオイルとは異なり、粘度指数の指定はありません。一部ホンダのATは専用のATFを使用しなければなりませんが、その他の車種に関しては基本的に市販のATFで対応できます。

しかしDIYでATFを交換するのはあまりおすすめできません。

というのもATは交換時のオイルの温度に指定があったり、オイルの抜き取り方法が特殊であったりと専門の知識が必要になるケースが多々あるからです。

また、過走行のATではオイル交換によってミッション内部のゴミが循環してしまい、故障の原因を作ることもあります。整備工場では、そういったトラブルを避けるために作業はATF交換専用の機械を使用。温度も測定しながら慎重に交換作業を行います。

一般のユーザーがDIYで行うには難易度の高い作業ですので、オイル交換は素直に整備工場にお任せしましょう。

CVTのオイル交換

CVTのオイル交換は”CVTF(CVTフルード)”を使用します。こちらもATF同様、粘度指数に関する指定はありません。

そして、交換作業に関してもATとおなじく、DIY作業はおすすめできません。

専用の機械を使用することはもちろん、もしCVTとATの見分けがつかずに、誤ってATFを入れてしまうと確実にミッションが故障します。

工賃を浮かせたい気持ちはわかりますが、こちらも作業は整備工場にお願いしましょう。

車のトランスミッションが故障したとき修理できる?

©BLKstudio/stock.adobe.com

車のトランスミッションが故障しても修理は可能です。

しかし、ミッション内部の部品を単体で修理することはできませんので、万が一故障した場合はトランスミッション交換となります。

ミッションの故障は、修理費が非常に高額になるため、もし故障した場合は大きな出費となることは覚悟しておかなければなりません。

トランスミッションの修理代金は車種によりますが、フィットなどの小型車であっても10万円以上は覚悟する必要があります。

大型車であればそれ以上の費用が発生し、軽自動車でも数万円では直りません。

ミッションの故障は車の乗り換えを検討するレベルの故障ですので、万が一トラブルが発生した場合は、整備工場などで修理見積を取ることをおすすめします。

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執筆者プロフィール
MOBY編集部
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新型車予想や車選びのお役立ち記事、車や免許にまつわる豆知識、カーライフの困りごとを解決する方法など、自動車に関する様々な情報を発信。普段クルマは乗るだけ・使うだけのユーザーや、あまりクルマに興味が...

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