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イタリア人以外で初めてフェラーリをデザインした奥山清行氏が自らデザインしたエンツォを購入!
エンツォ・フェラーリをデザインした男として有名な奥山清晃さんが、自身のデザインしたエンツォ・フェラーリを購入したという投稿をフェイスブックに投稿し話題になっています。 彼とエンツォフェラーリにまつわるエピソードとともに、話題の投稿をご紹介します。
創始者の名を冠した記念モデル「エンツォ・フェラーリ」とは?
創業55周年を記念するプレミアフェラーリ
エンツォ・フェラーリは、創業55周年を記念する限定生産車の名前であり、同時にフェラーリの創業者の名前でもあります。
創業者の名前を冠し、記念碑的な意味合いを持つこの「エンツォ・フェラーリ」は、ある意味でフェラーリ全車種の中で最も重要な車と言えるかもしれません。
限定生産車ということで、当初349台が生産され、その後追加生産で50台、合計で399台のエンツォ・フェラーリが世に送り出されました。
新車購入価格は、日本円でおよそ8000万円ほどでしたが、当然ながらその希少性は極めて高く、1億円を超える価格で取引されることもあったようです。
また、エンツォ・フェラーリには、400台目となる幻の一台があるようです。それは、ローマ教皇がチャリティのためにオークションに出品したもので、結果として1億5000万円という値をつけ、インド洋大津波への義援金として使われたと言われています。
いずれにしても、超希少かつフェラーリにとって超重要な意味をもつ「エンツォ・フェラーリ」ですが、なんと日本人のデザイナーがデザインしたものなのです。
今回は、エンツォ・フェラーリをデザインした日本人、「Ken Okuyama」について、そのエピソードとともにご紹介します。
【自動車の歴史】フェラーリの歴史、ルーツと車種の特徴を知ろう!
Ken Okuyamaこと、奥山清行とは?
イタリア人以外で初めてフェラーリをデザインした男
Ken Okuyama: "Solo los ricos conducirán en el futuro" https://t.co/uIUW4JsqIM pic.twitter.com/4cTvrYOlYG
— Coches (@GoCoches) 2015年10月29日
奥山清行さんは、カーデザイナー、インダストリアルデザイナーとして世界で活躍する日本人。
日本以外では、Ken okuyama(ケン オクヤマ)という名前を使っています。
主な経歴としては、ポルシェのシニアデザイナーや、ゼネラルモーターズのチーフデザイナー、そしてイタリアのピニンファリーナにデザイナーのデザイナーとして活躍しました。
ピニンファリーナとは、デザインを手がけるイタリアの超老舗名門企業です。そして、フェラーリのデザインを手がける会社でもあります。
これからご紹介する、Ken Okuyamaこと、奥山清行さんとエンツォ・フェラーリのエピソードは、このピニンファリーナ時代のできごとです。
奥山清行氏がエンツォ・フェラーリを手がけたエピソード
たったの15分でデザインを描きあげた
「エンツォ・フェラーリ」プロジェクトはフェラーリ社としても、滅多にない一大プロジェクトでした。
そして、デザインの企画は超重要項目。デザインを委託されたピニンファリーナ社も、一流デザイナーを集結させました。
ピニンファリーナ社のエースを集結させたチームの中に、チーフでもなんでもない一人のデザイナーとして奥山さんはいました。
フェラーリの会長にプレゼンをし、「GOサイン」をもらうことがピニンファリーナ社の至上命題。
そのための渾身のデザインを、奥山さんを含む、一流デザイナーたちで絞り出しました。
運命のプレゼンの日、ピニンファリーナ社は絞り出したデザインをプレゼンしましたが・・・結果は「NO」。
がっかりしたフェラーリ会長はそそくさとヘリコプターで立ち去ろうと現場をあとにします。
そして、この時、奥山さんの運命を左右する瞬間が訪れたのです。
ピニンファリーナ社の社長は奥山さんに次のように命じたのです。
「フェラーリの会長をサンドイッチで15分だけ足止めするから、それまでに新しいデザインを描き上げろ!」
信じられない無茶振りですが、なんと奥山さんは見事に15分で新しいデザインを描きあげ、フェラーリ会長からのデザインの「Goサイン」を勝ち取ったのだそうです。
15分で書き上げたエピソードにはこんな裏話も
以上が、「イタリア人以外で始めたフェラーリのデザインを手がけた男」の有名なエピソードです。
それには、こんな裏話があったとも言われています。
奥山氏は、ピニンファリーナのチームの中で、フェラーリの会長にプレゼンする以前から「このデザインはボツだろう」と考えていたそうです。
しかし、そのころの奥山さんはただの平デザイナー。社を代表するデザインに大きな口を叩く訳にもいきません。
そのため、これなら通ると思う自身のデザインを、密かに用意。
そして、そのデザインこそ、結果的にエンツォ・フェラーリのデザインとして採用されたのです。
巡ってくるかもわからないチャンスのために、準備を整えていたようです。
真実のほどはわかりませんが、デザイナーとしてわずかな可能性にかける姿勢が感動的な、美しい裏話ですね。
「いつ来るか分からない15分のために常に準備をしているのがプロで、来ないかもしれないからと言って準備をしないのがアマチュア」
デザイナー奥山清行による「ムーンショット」デザイン幸福論より。
現在の奥山清行氏の会社「Ken Okuyama Design」とは?
本日も青山ショールームオープンいたしました。20時までの営業となります。引き続き3周年記念イベント行なっております。皆様のご来店をお持ちしております!
— KEN OKUYAMA DESIGN (@KenODesign) 2017年1月16日
https://t.co/rdtcoICXB7 #奥山清行 #kenokuyama pic.twitter.com/kYXRy6AJlL
退社して独立
その後、「やりたいことは全てやった」と言い切る奥山さんは、ピニンファリーナを退社し、独立。
ワンオフカーの他に家具や室内インテリアを手がけるデザイン会社「Ken Okuyama Design」を立ち上げ、現在でもCEOとして活躍しています。
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