日産 シルビア歴代全モデルの歴史と現在の中古車価格は?【日本の名車】

1965年4月に日産シルビアは、世界に通用する小型高性能ツーリングカーとしてデビューしました。一時は絶版となりつつも、今やシルビアと言えば漫画やゲームの影響もあり硬派なスペシャリティFRスポーツカー、ドリフトカーとしてのイメージが強い車です。今も人気が高く7代目まで続いた歴史の長い車でもある日産シルビア素顔を探ってみましょう。

日産 シルビアのすべて

目次

■日産 シルビアとは?歴史と名前の由来
・美しく先進的 初代シルビア・CSP311(1965年-1968年)
・セクレタリーカー 2代目シルビア・S10(1975年~1979年)
・ヒット作 3代目シルビア・S110(1979年~1983年)
・人気低迷 4代目シルビア・S12(1983年~1988年)
・大ヒット作品 5代目シルビア・S13(1988年~1993年)
・姉妹車の再来 180SX(ワンエイティ)・RS13~RPS13(1998~1999)
・顔面スワップ?シルエイティとワンビア
・失敗作再び…6代目シルビア・S14(1993年~1998年)
・スポーツカー不振の時代 7代目シルビア・S15(1999年~2002年)

■モータースポーツでの活躍
・スーパーシルエットフォーミュラ・シルビアターボ・S110
・コンペティションマシン・240RS
・スーパーシルエットフォーミュラ・S12
・WRC・S12
・ワンメイクレースGTI・S13
・JGTC全日本GT選手権-GT300・S14
・JGTC全日本GT選手権-GT300・S15
・全日本ラリー選手権2WD部門・S15

■気になる中古価格は?
・5代目シルビア・S13以降は中古車市場にアリ

■日産 シルビアの今
・憧れから現実へ

出典:http://jalopnik.com/

日産 シルビアとは?その歴史と名前の由来

1964年第11回東京モーターショーにてダットサン クーペ1500として登場。
翌65年4月に「シルビア」という華麗な名を与えられ、2シーターノッチバッククーペの小型高性能ツーリングカーとしてデビューしました。

世界に通用する当時の最新技術が存分に注ぎ込まれる一方で美しいスタイリングにも力を注ぐ伝統は、後に続くモデルにも継承されスタイリングと高性能技術のバランスの素晴らしさもシルビアならではです。

シルビアの名前の由来は、ギリシャ神話に登場する清楚な乙女の名前からであり、その語源はラテン語で「森」を意味します。

美と高性能技術の塊、初代から引き継がれた日産シルビアの伝統をご紹介しましょう。

美しく先進的 初代シルビア・CSP311(1965年~1968年)

出典:http://www.earlydatsun.com/

ダットサン フェアレディ1500をベースにSUツインキャブ、デュアルエキゾースト、9.0の圧縮比R型1,600cc OHVエンジン(90ps/6,000rpm)搭載。
軽くスムーズなダイヤフラム式を新採用、国産車初のポルシェタイプシンクロ4速MT。

フロントにディスクブレーキ、無給油式プロペラシャフト、ロングライフクーリングシステム、傾斜スライドシート、シートベルト新採用。
上記された新採用の物は、当時としては画期的な新技術の採用となり後にフェアレディ1600やその他の日産車に反映され、一般化されたのはその数年後の事となり、どれだけ先進的機能を搭載した車かが伺えます。

出典:https://en.wheelsage.org/

クリスプルックと呼ばれたボディは「宝石のカット」のように美しいと賞賛されました。美を追求したボディワークに細心の注意がされ、ドア、ボンネット、トランク以外には継ぎ目がありません。

クリアでシャープなスタイルを生み出したのは、完全ハンドメイドの職人の手で作られたボディなのです。ラジエターグリルもアルミ削り出しの本格派志向、まさに宝石であり世界を意識した初代シルビアです。

初代シルビアの元となったダットサンに関して詳しくはこちら!

セクレタリーカー 2代目シルビア・S10(1975年~1979年)

出典:http://thatyellowvolvoguy.tumblr.com/

初代シルビアで一時絶版となりましたが、5年以上のブランクを経て1975年10月に再デビュー。

大手企業の社長秘書をしている女性が乗るような車をセクレタリーカー(セクレタリー:秘書という意味)と呼ばれます。
二代目シルビアは、そんな気品とハイクラスの女性をターゲットにしたコンセプトで開発され、当時としては非常にアメリカンテイストなスタイルでした。

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二代目シルビアは三代目サニー・B210をベースとしています。
ダットサン フェアレディベースと最新技術の結晶だった初代から比べればダウングレート感は否めません。

初年度はシングルキャブL18(直4OHC1.8L・105PS)エンジンでしたが、時代はアメリカのマスキー法をはじめ排ガス規制の波が押し寄せ、NAPS(ナップス)と呼ばれる日産の開発したエンジン制御システムと電子制御式燃料噴射を備えたL18E(直4OHC1.8Lインジェクション・115PS)エンジンを換装しました。

ヒット作 3代目シルビア・S110(1979年~1983年)

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三代目シルビアは四代目サニー・B310をベースに、センターピラーを持たないハードトップと呼ばれるノッチバッククーペで1979年3月に登場し、8月には3ドアファストバック(ハッチバック)を追加しました。
3代目シルビアのエンジンは、L18に変わってZ18(直4OHC1.8L・105PS)、Z18E(直4OHC1.8Lインジェクション・115PS)、Z20E(直4OHC2.0Lインジェクション・120PS )の3タイプを用意され、ディスクブレーキも採用されました。

角目4灯のマスクと線を基調としたボディラインは当時の流行でもあり、スタイリングでも成功。
国産車初ドライブコンピューター、専用設計のカーオーディオ、夜間ドライブを意識したトータルイルミネーションシステムなど、ドライブ中のムードを演出したデートカーとしても意識された充実の装備も魅力的でした。

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3代目シルビアは1981年のマイナーチェンジでZ18ET(直4OHC1.8L)エンジン搭載のターボモデルも追加。
1982年にはR30型スカイラインRS用に開発されたFJ20E(直4DOHC2.0L)搭載のRSモデル登場。

当時の流行を追っての充実装備と2タイプのボディラインナップ、ターボモデルやスカイラインとの共通性も出しヒット作となりました。

このS110から姉妹車ガゼールがデビューしました。
シルビアが日産サニー店、ガゼールが日産モーター店と、販売店向けの区分け要素の姉妹車でした。

■3代目シルビアS110・当時のCM

人気低迷 4代目シルビア・S12(1983年~1988年)

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1983年8月に登場の4代目シルビアのスタイルで大きく注目されるのはリトラクタブル・ヘッドライト採用です。80年代のスポーツカーで多く見られ世界中の自動車メーカーが採用していた流行を取り入れたものでした。

3代目と同じくノッチバックと3ドアファストバック(ハッチバック)の2種ボディラインナップ。ハードトップと呼ばれていたノッチバックはセンターピラーを持つボディの為クーペに変更となりました。このモデルから北米仕様はダットサンから200SXの名となります。

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4代目シルビアのエンジンラインナップは、CA18系(直4OHC1.8L)3種(CA18S・100PS、CA18E・110PS、CA18ETターボ・135PS)、FJ20E(直4DOHC2.0L・150PS)、FJ20ET(直4DOHC2.0Lターボ・190PS※1986年で廃止)の豊富なラインナップです。
1987年の北米仕様にはVG30E(V6DOHC3.0L・163PS)が搭載されました。

低くなったフロントノーズとウエッジシェイプなデザインが日産車らしくないという事でキャラクター的に低迷し、3代目シルビアほどの人気車にはなれませんでした。1986年には姉妹車ガゼールも廃止され、仕様変更を繰り返し多様化に対応しつつも、静かにモデルチェンジ待ちの車で終わることとなりました。

■4代目シルビアS12・当時のCM

大ヒット作品 5代目シルビア・S13(1988年~1993年)

出典:http://www.mad4wheels.com/

1980年代中期以降のスペシャリティカー市場を独占していたホンダ プレリュードの鉄壁を崩したのが1988年5月に登場の5代目シルビアです。
ノッチバッククーペの1ボディのみのラインナップでスタイリング、インテリアなどスマートでモダンなデザインを採用しました。
同年7月にはコンバーチブルも発売されました。

広告のキャッチコピーは、アートフォース・シルビア(ART FORCE SILVIA)と謳われ、エレガンスストリームラインとも言われる丸みを生かした流麗なスタイルは、機能と美しさを持ち合わせた初代シルビアの再来と語られました。
そのデザイン性の高さから1988年通産省選定グッドデザイン賞を受賞したのも頷けます。
そして、'88~89年日本カー・オブ・ザ・イヤーも受賞しました。

走りの性能も大幅にポテンシャルアップされ、シャーシのディメンション一新、ホイールベース、トレッドの拡大、前ストラト/後マルチリンクサスペンションが採用されました。
マルチリンクはそれまでの日産の主流であったセミトレーリングアームに変わる新世代のサスペンションで、4代目シルビアが初採用となりました。

第2世代のHICAS-Ⅱを設定し、ノーマルサスはFRらしいピュアなハンドリング特性でありHICAS-Ⅱではクイックな旋回性能を持ちリアのスタビリティも高くなりました。

パワーもありレスポンスに優れアクセルワークでリアをコントロールする走りの性能を全面的に出した機能美は、以後のシルビア全世代に受け継がれる事となります。

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エンジンラインナップはCA18DE (直4DOHC1.8L・135PS)、CA18DET (直4DOHC1.8LターボIC・175PS)の2種。
1991年のマイナーチェンジでSR20DE(直4DOHC2.0L・140PS)とSR20DET(直4DOHC2.0L・205PS)へアップ。
4輪操舵のHICAS-ⅡがSUPER HICASへと進化、タイヤサイズが195/60-15から205/60-15へ変わり外・内装の変更なども行われました。

光岡自動車のクラシックカーボディに換装されたカスタムカー、初代ラ・セードのベース車にも採用されました。

5代目シルビアは、歴代シルビア史上最高の人気を得て累計生産台数は30万2329台に達します。

姉妹車の再来180SX(ワンエイティ)・RS13~RPS13(1998~1999)

出典:http://www.mad4wheels.com/

1989年4月、シルビアの姉妹車として180SX(ワンエイティ)・RS13が登場しました。
ボディスタイルは、輸出仕様240SXの日本向けモデルであり3ドアファストバッククーペ(ハッチバック)です。

3代目、4代目の姉妹車ガゼールのように大きく目立った外見上の違いが無かった物から、大きく違いの分かるリトラクタブルライトを採用しました。
CA18DETエンジンのみラインナップです。

180SXの車名の由来は、排気量1.8Lからと輸出仕様の日産ミドルクラススポーツカーに付けられるSXの組み合わせです。

■180SX(ワンエイティ)・RS13画像

出典:https://en.wheelsage.org/

180SXは大人気のシルビアとは違う外しチョイスとして人気を保ち、約10年に渡り5代目6代目のシルビアに寄り添う形で存在していました。
1991年、中期型からSR20DET(直4DOHC2.0Lターボ・205PS)エンジン搭載、1996年からの後期型は、SR20DE(直4DOHC2.0L・140PS)エンジン搭載のカジュアルなモデルTypeSを追加し、スタイル変更及び熟成へと進化しまていきます。

人気車種であった為、5代目シルビアの生産中止後も1998年12月の車種統合まで製造が続けられました。

顔面スワップ?シルエイティとワンビア

出典:日産純正シルエイティ カタログ

出典:https://en.wheelsage.org/

シルビアと180SXは、外装の互換性がある為、シルエイティ、ワンビアなどという混合したようなモデルがユーザーメイドで存在しました。
個性を出す為の外しウケ狙い要素として顔面スワップ(フロントセクションの換装)が流行します。

本来ユーザーメイドだったシルエイティは、限定500台で日産純正車としても販売されました。
ワンビアは輸出仕様の240SXのノッチバッククーペの意匠からユーザーメイドされていたようです。

■5代目シルビアS13・当時のCM

失敗作再び…6代目シルビア・S14(1993年~1998年)

出典:http://www.carsensor.net/

1993年10月登場の5代目シルビアのボディスタイルは、ノッチバッククーペ。
ファストバッククーペ(ハッチバック)の180SXそのまま継続で販売されました。
エンジンラインナップも改良型パワーアップのSR20DE(直4DOHC2.0L・160PS)とSR20DET(直4DOHC2.0L・220PS)の2種でした。

5代目からボディも大きくなり、3ナンバー化されました。
バブル末期の当時は、3ナンバー化するライバル車種が多い事も要因の一つだったかも知れません。

結果的にはマーケティングリサーチの結果の悪例でもあり、リアシートの狭さがFRの常識とするなら「大きくすれば良い」の結果が招いたスタイルの劣化。大きく肥大化した上にマイルドなマスクはハズレ要素で、人気が低迷し失敗作と呼ばれました。

出典:https://en.wheelsage.org/

1996年の不評だったマイルドな印象のフロントマスクまわりを研ぎ澄まされたつり目ライトへ意匠変更されました。

1997年には、オーティックジャパンのファインチューニングが施され、
IHIターボとフジツボのエキゾーストシステムの導入でパワーアップしたSR20DET(直4DOHC2.0L・250PS)搭載のオーテックバージョン K's MF-Tを発売。
大型エアロ、16インチ化ホイール、215/50R16・90VのブリヂストンポテンザRE710Kai、専用スポーツサスペンション他豪華内装など充実装備でした。

数々のテコ入れも虚しく、起死回生も無いままモデルチェンジ待ちの車として消えて行きました。

■6代目シルビアS14・当時のCM

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