スーパーチャージャーとは?仕組みとターボチャージャーとの違いとメリットを解説!

今ではあまり聞きませんが、かつては多くの市販車に搭載されていた『スーパーチャージャー』。 ただ、この仕組みを詳しく知らない方は少なくないと思います。どのような仕組みなのか、ターボ搭載の車とはどう違うのか、今回は詳しく説明したいと思います。

スーパーチャージャーとは?ターボとの違いや仕組みを解説!《目次》

・スーパーチャージャーとは何なのか?
└・スーパーチャージャーの前に過給器を知ろう
└・スーパーチャージャーとは?
└・スーパーチャージャーの種類
・車にとってのスーパーチャージャーとは?
・ターボチャージャーとの比較で分かるスーパーチャージャーのメリット
└・スーパーチャージャーは少ない排気量で動く!タイムラグがない!
└・スーパーチャージャーは熱量が少ない!
└・スーパーチャージャーは燃費や反動が少ない!・スーパーチャージャーのデメリットは?
└・スーパーチャージャーによる動力源への負担
└・スーパーチャージャーの最大パワーの限界
・なぜ今スーパーチャージャーは見かけなくなったのか?
・海外ではまだまだ需要があるスーパーチャージャー
・廃れたのではなく適材適所で進化しているスーパーチャージャー

スーパーチャージャーとは何なのか?

スーパーチャージャーの画像

出典:http://www.buzz-factory.net/custom/supercharger.html

現在の車では見かける事の少ない「スーパーチャージャー」搭載車。意識して見かけたり、乗った記憶のない方でも名前だけは聞いたことがあるのではないでしょうか。

ただ、何となく「凄そう」「速そう」等のイメージだけで、詳しく知っている方はあまりいないでしょう。

本記事では、スーパーチャージャーとは何なのかを解説し、スーパーチャージャーを装着するメリットやデメリット、スーパーチャージャーの種類などをご紹介します。

スーパーチャージャーの前に過給器を知ろう

スーパーチャージャー

出典:http://www.avoturboworld.jp/index.php/en/products/86-2013-12-23-23-55-55

スーパーチャージャーの説明の前に過給器について少し解説します。

ターボやスーパーチャージャーは何となく「何かエンジンに特殊なものが付いてるのでは?」と思われている方がいると思います。あながち間違いではありませんが、少し違います。

車が走行するうえで、一番の動力を生み出しているのはエンジンです。エンジンにガソリンを送り込み、そこで爆発させて動力を生み出し、車は走っています。正に車の心臓部分です。

単純に速く走ろうと考えれば、この心臓部分を大きくし、大きな排気量を生み出すエンジンを積み爆発力をあげれば良いのですが、エンジンは鉄の塊のようなもので大きくなるということは、大きくなる分だけ重量も増します。

また、その重量や爆発力を支える為に車体のフレーム等も頑丈にしなければいけません。結果、速くしようと思って単純にエンジンを大きくしようとすると、かえって車重は重くなり、遅くなってしまいます。

ここで、重要になってくるのが「過給器」です。

過給器とは、エンジンが元々持つ大気圧の力より、更に高い気圧をエンジンに送りこみ、圧力を上げ、一度に多くの燃料を燃やして動力にする装置です。

これがあることによって、エンジンを大きくせずに、爆発力をあげ走行することが可能になります。その機構・装置自体を過給器・ターボと呼ぶわけです。

最近よく耳にするようになったダウンサイジングターボなどもこの一種です。

スーパーチャージャーとは?

スーパーチャージャーの画像

出典:https://www.khi.co.jp/rd/tech/162/nj162tr07.html

その過給器の役目を機械式に行うのが「スーパーチャージャー」です。

機械式のスーパーチャージャーの仕組みは、エンジンと連動し、エンジンから生まれた動力をベルト等で過給器に伝え、その動力でコンプレッサー(圧縮機)を作動させ、空気を圧縮させ、高気圧を生み出し、それを再び、エンジンに送るというもです。

このスーパーチャージャー元々、ジェットエンジンが主流になる前のプロペラエンジンの飛行機に搭載されていました。

もちろん飛行機は高度の高いところを飛行するわけですから、高度の高い、つまり酸素の薄い燃焼効率の悪い場所でエンジンを燃焼させるにはこの機械式の過給器スーパーチャージャーが欠かせなかったというわけです。

スーパーチャージャーの種類

出典:http://www.weblio.jp/content/%E3%83%96%E3%83%BC%E3%82%B9%E3%82%BF%E3%83%BC

スーパーチャージャーには実は多くのタイプがあり、タイプによって採用されている乗り物が異なります。ここでは簡単にその種類をお伝え致します。

■遠心式
主に航空機に採用されている方式で、かつては一部の車にも採用されたことがあります。

■リショルム式
内部圧縮があり高圧過給でも効率が落ちず、振動も少なく、騒音が少ない為、潜水艦等に用いられています。

■スクロール式
渦巻形の羽を2つ組合せて動く過給器。渦巻の外縁から空気を取り込み、圧縮させながら中心へと送って吐出する方式で、かつてはフォルクスワーゲン社が「Gラーダ」という商標をとり、車に使っていました。

■スライディングベーン式
過給器内部の空間を狭くする事で空気を圧縮して吐出する方式です。航空機やオートバイにも使用されていました。

■レシプロ式
シリンダー内をピストンが往復し、圧縮すす過給器。かつては2ストロークガソリンエンジンの掃気用として採用例があります。

■ルーツ式
最初は大型送風機等に用いられていていました。内部圧縮はなく高圧過給には向いていないが、コスト面などで、この方式が車に多く用いられています。

車にとってのスーパーチャージャーとは?

スーパーチャージャー

出典:http://www.apio.jp/proshop/2155-01.html

ここまでで、何となくスーパーチャージャーがどういうものなのか分かっていただけたでしょうか?
ここからは、「車にとってのスーパーチャージャーとはどういうものか?」をお伝えしていきます。

スーパーチャージャーには上で書いたように、ルーツ式を用いるのが主流でした。低コストで搭載出来るからです。

エンジンが作動すれば、エンジンから動力をタイヤに伝えるためのクランクシャフトや、電動モーターでコンプレッサーが作動します。
なので、タイムラグが無く、加圧された空気がエンジンに送り込まれ、エンジンに爆発的な力を与える事が出来るのです。

通常の車は、回転数を上げて、走れば走る程加速していきスピードが増していくものですが、スーパーチャージャー搭載だと、低回転域でも力を発揮する事が可能です。

スーパーチャージャー搭載車の画像

出典:http://usedcarnews.jp/archives/43791

上の画像は映画等でも見かけた事がある車だと思います。
海外のドラッグレース等でも登場しています。

このボンネットからはみ出ているのがスーパーチャージャーです。
これは改造で、後からエンジンに外付けされたスーパーチャージャーです。

ドラッグレースは短い距離を如何に速く走れるかが勝負ですから、低回転域で力を発揮するスーパーチャージャーが活躍するのです。

ターボチャージャーとの比較で分かるスーパーチャージャーのメリット

スーパーチャージャーとターボは全く違う!

次に、スーパーチャージャーのメリットをターボチャージャーと比較をしつつお伝えしていきます。エンジンに更に力を与える役目として「スーパーチャージャー」と「ターボチャージャー」があります。ターボ車と書けばしっくりくる方もいると思います。

この二つのチャージャー。似ているようで、実は全く別の仕組みです。

スーパーチャージャーは少ない排気量で動く!タイムラグがない!

スーパーチャージャーが機械式でエンジンの動力で過給を行うのに対して、ターボチャージャーは、エンジンが出す排気で、ターボチャージャー内にあるタービンと呼ばれる風車を回転させて、その風車の回転する動力でコンプレッサーを作動させて空気を圧縮させ、エンジンに力を加えます。

なので、風車が回転する排気が十分になければターボとしての機能は働きません。これが「ターボラグ」というものです。

いくらターボチャージャーを積んでいても、エンジンからの排気が十分になるまでは、全く力を発揮しません。

一方、スーパーチャージャーは上記でも説明しましたが、エンジンが作動すればスーパーチャージャーも作動しますので、この「ターボラグ」がありません。

よって、少ない排気量でもエンジンをより爆発させることが出来ます。
ターボ車が流行った時代、どうしてもこのターボラグがあったため、対抗して作られたのがスーパーチャージャー搭載車です。

主にトヨタからはMR2やカローラレビン・トレノに搭載されていました。
また、少ない排気量でも作動することから、軽自動車にも搭載されています。

■スーパーチャージャー搭載車 MR2

MR2の画像

出典:http://voices.221616.com/report/cartype_report/c_0101002.html

■スーパーチャージャー搭載車 レビン・トレノ

レビントレノ

出典:http://www.goo-net.com/usedcar/TOYOTA__SPRINTER_TRUENO__Aichi/index.html

スーパーチャージャーは熱量が少ない!

ターボチャージャーはエンジンの排気によって風車が回転しますので、排気による熱を受けてしまいます。
また、エンジンを切っても、風車は回転が収まるまで回り続けてしまいます。
エンジンや機械系統にとって熱は天敵ですので、どうしても負荷がかかってしまいます。

一方、スーパーチャージャーはベルトによってコンプレッサーを回すので、ターボのように熱がこもったりする影響がほぼありません。

エンジンにもあまり負荷のかからないのがスーパーチャージャーです。

スーパーチャージャーは燃費や反動が少ない!

ターボチャージャーはエンジンの排気で作動しますので、どうしても燃費効率が良いとは言えません。また、セダンタイプ等のに搭載されているターボだとターボが作動した瞬間に大きな反動がかかります。

それに比べて、スーパーチャージャーは、エンジンの作動で働きますので、反動が少なく、低回転域から中回転域で作動しますので、ターボチャージャーに比べ燃費効率は良いのです。

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