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エンジンオイルの種類の選び方を規格や粘度で解説|重要なのはベースオイル?

エンジン内部の部品の潤滑や冷却作用など、人間の血液のように重要な役割を担っているのがエンジンオイル。いざ交換しようとしても、意味不明な数字やアルファベットばかりでわかりにくい人も多いのでは? エンジンオイルを選ぶ際の種類や基準について、初心者の方でも理解できるようやさしくご説明します。

エンジンオイルの種類とは?

エンジンオイルには

・規格等級
・粘度

の2つの組み合わせられた種類があります。

規格等級は簡単にいえば、エンジンオイルそのものの性能となります。
高性能エンジンには高性能なオイルが必要となります。

粘度とは、エンジンオイルがどの気温で使用可能かどうかを示すものです。
オイルも温度が低いとバターのように固まってしまいます。

また、ガソリンエンジン用かディーゼルエンジン用かの種類があります。
ただ、両方に対応するものが多く販売されています。

エンジンオイルの規格はどのようなものになっている?

エンジンオイル規格

出典:http://www.geocities.jp/

エンジンオイルの品質に関する規格には、「API規格」と「ILSAC規格」の2つがあります。
それぞれ頭文字に続くアルファベットと共にグレードを表していて、右のアルファベットが進むほど性能が高くなります。

API規格

・米国石油協会(API)
・SAE(アメリカ自動車技術者協会)
・アメリカ材料試験協会(ASTM)
などが定めた規格です。

ILSAC規格

日米の自動車工業会(ILSAC)が制定したものです。

エンジンオイル規格の目的

エンジンは年々性能が向上していきます。
これはエンジンに高い負荷に耐えられるようになったことでもあります。
高回転、高出力なエンジンは、燃料やエンジンオイルそのものからなどから不純物(デポジット、スラッジ)が発生します。

エンジンオイルは、エンジンを守る役割があります。
エンジンそのものが痛む替りにオイルが傷むということになるため、エンジンオイルには耐久性が求められます。

エンジンオイルを規格化することにより、どの程度の負荷に耐えられるのかなどを明確にすることができます。

下記はエンジンオイル規格の一覧表です。
規格の中によく出てくるエンジンオイル関係用語の意味は次の通りです。

デポジット
エンジン内部に溜まる堆積物

スラッジ
カーボンやエンジンオイル中の灰分が蒸し焼き状態になり固着して形成されるもの

ガソリンエンジン用エンジンオイル規格一覧表

API規格ILSAC規格特徴
SA“ベースオイル”と呼ばれる、負荷の低いエンジンに使用できるオイル。添加物が含まれていない。
SB最低レベルの添加物を配合したエンジンオイル。かじり防止・酸化安定性の機能を改善。
SC1964~67年型のガソリンエンジンに対応。デポジット防止性・磨耗防止性・サビ止め性・腐食防止性を持つオイル。
SD1968~71年型のガソリンエンジンに対応。SC規格より高いクォリティと性能を持つ。
SE1972~79年型のガソリンエンジンに対応。SD規格より高いクォリティと性能を持つ。
SF1980年型以降のガソリンエンジンに対応。酸化・高温デポジット(堆積物)・低温デポジット・サビ・腐食への防止性能を強化したオイル。
SG1989年型以降のガソリンエンジンに対応。吸排気バルブ系の耐摩耗性と酸化安定性が向上。エンジンの長寿命化などSF規格以上の性能を持つ。
SHGF-11993年型以降のガソリンエンジンに対応。スラッジ防止性・高温洗浄性を高め、SG規格以上の性能を持つ。
SJGF-21996年型以降ガソリンエンジンに対応。SH規格以上の蒸発性、せん断安定性を持つ。
SLGF-32001年度に制定された規格。SJ規格よりも省燃費性の向上とCO2の削減を達成。排気ガスに含まれる、CO、HC、NOxの削減。オイル劣化防止性能の向上で廃油総量の削減と自然環境保護に対応。
SMGF-42004年に制定された規格。SL規格よりも浄化性能・耐久性能・耐熱性・耐磨耗性に優れるオイル。
SNGF-52010年に制定。SM規格以上の省燃費性能の持続性と触媒保護性能を強化したオイル。

ディーゼルエンジン用エンジンオイル規格一覧表

規格特徴・条件
CA使用負荷が軽度〜中程度のディーゼルエンジンに対応。軸受腐食防止性と高温デポジット防止性を持つ。使用負荷が軽いガソリンエンジンにも使用可能であるが、良質なガソリンを使用する必要がある。
ディーゼル、ガソリンエンジンともに摩耗防止性およびデポジット性の性能は有しない。
CB使用負荷が軽度〜中程度のディーゼルエンジンに対応。品質のよくない燃料を使用したときの対摩耗性とデポジット防止性を有する。また、高硫黄分燃料使用時の軸受け腐食防止性と高温デポジット防止性を有する。
CCターボ・ディーゼルエンジンの過酷な運転条件に対応。高負荷運転のガソリンエンジンにも使用可能。使用負荷が軽いターボディーゼルエンジンでの高温デポジット防止性、ガソリンエンジンでのさび止め性能、腐食防止性と低温デポジット防止性を有する。
CD高負荷な使用をするディーゼルエンジンに対応。高回転運転で高い耐摩耗性とデポジット防止性を有する。
底質な燃料を使用した場合のターボディーゼルエンジンにも軸受け腐食防止性と高温デポジット防止性を有する。
CE1983年型以降のターボ・ディーゼルエンジンの高負荷使用時に対応。CD級よりオイル消費性能とデポジット防止性能、スラッジ分散性能が向上している。
CF建設用機械や農業用機械など高速回転が必要としないディーゼルエンジンのために開発されたオイルで、CDに代わる各種性能を向上。
CF-41990年代の低硫黄軽油(硫黄分0.5%以下)を使用し過酷な条件下に耐えるディーゼルエンジンオイル。CE規格よりも高温デポジット性能、スラッジ分散性が向上し熱安定性とオイル消費防止性も向上。

エンジンオイルの粘度とは?

出典:http://mechanic-tools.net/

次に重要なポイントとなるのがオイルの性状を表す粘度で、広く普及している「SAE(アメリカ自動車技術者協会)粘度番号」で判断します。

数字が小さいほど水のようにサラサラとしていて、数字が大きくなるほど粘りけを増します。

これはほとんどの場合、季節によって使い分けの必要のないマルチグレードタイプと言って、5W-30、10W-40などと2つの数字の組み合わせによって表示されます。

W(W=冬)の左側の数値は寒い冬など低温時の粘度、右側は高温時の粘度を示しています。

日本では、北海道や東北地方などの寒冷地で使用する場合は、5W-30などの低温側粘度の低いエンジンオイルを使用し、気温の高い九州南部や沖縄地方では、10W-40や10W-50などの高温側粘度の高いエンジンオイルの使用が推奨されます。

性能を大きく左右するベースオイルの種類

出典:http://blogs.c.yimg.jp/

第3の基準は、エンジンオイルの性能に大きく関わるベースオイルの種類です。
「鉱物油」「高VI鉱油」「セミ合成油」「フル合成油」の4種類があります。
主流は「高VI鉱油」です。

「セミ合成油」は、高VI鉱油の粘度特性と低温特性をさらに改良、フル合成油に近い性能を持つベースオイルです。
省燃費性の実現と幅広いユースを考慮しているので、今後主流になるかもしれません。
エンジンオイルは通常、ベースオイルと様々な添加剤によって組成されています。

鉱物油
原油を蒸留、精製したエンジンオイルオイルで、低コストですが、低温流動性・酸化安定性・粘度温度特性などは他のオイルに比べると劣ります。

高VI鉱油
現在、ベースオイルの主流になっているもので、前述の鉱物油の弱点を補ったものとなります。

フル合成油
エンジンオイルの主成分となる炭化水素を化学合成したもので、高い粘度指数と酸化安定性に優れた特徴を持っています。スラッジの生成が少なく、添加剤の効果も高く、最高品質のベースオイルとなりますが価格が高くなります。
ハイパフォーマンスなエンジンに最適です。

エンジンオイルの選び方とは?

エンジンオイルの選び方

出典:http://www.fob-schrank.net/

上記の3点の他にも注意したいのは、自動車メーカーが指定または推奨するエンジンオイルを使用するのが基本だということです。
適当なオイルを使うと、エンジン本来の性能が発揮されないばかりか、トラブルの原因となることも考えられます。

自動車の取扱説明書に使用するエンジンオイルの規格等級など記載されているので、必ずチェックして下さいね。

エンジンオイル選びの参考に、次の記事も併せてご覧ください!

エンジンオイルの点検も忘れずに!

エンジンオイル

様々なエンジンオイルの基準や種類をご紹介しました。
なかなか難しかったのではないでしょうか。
規格の種類など、興味深い部分もありましたね。

基本はその車に合ったエンジンオイルがありますので、まずは取り扱い説明書をきちんとチェックしましょう。

また、日頃のエンジンオイルの点検も忘れずに!
交換のタイミングなどについて詳しくはこちらのまとめ記事をご覧ください。

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