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「自動車 対 歩行者」の事故。自動車が100%責任を負うのはなぜ?

「歩行者との事故の場合、必ず自動車側が責任を負う」「歩行者が優先され過ぎではないか?」とよく聞きます。実際に事故に遭った方も違和感を覚えている人は多いようです。ここでは、「何故自動車が100%の責任を負うのか?」「歩行者の過失は加味されないのか?」といった疑問に答えるよう、具体的な過失比率を示しながら説明します。

【目次】
◆原則、「自動車VS歩行者」の事故は
 自動車が100%の責任を負う
◆歩行者の過失がある場合は過失割合が
 一定軽減される(過失相殺)
 ●信号のある横断歩道での事故の場合
 ●信号のない横断歩道での事故の場合
 ●信号も横断歩道もない道路での
  事故の場合
 ●その他、特殊状況での事故の場合
◆お金の話(自賠責保険)
◆ルールを知って、安全運転を

原則、「自動車VS歩行者」の事故は自動車が100%の責任を負う

出典:http://with.sonysonpo.co.jp/

自動車と歩行者との事故が起きた場合、頑丈な自動車はボディが凹んだり、ガラスにヒビが入ることはあっても「生命の危機」に関わるような事態は少なく、歩行者の方が怪我等の被害を被る可能性が圧倒的に高いと考えられます。

従って、不注意など同程度の過失が歩行者にある場合、事故による責任の重さが同じでは「不公平」が生じてしまいます。

そこで、この「不公平」を是正するため、責任の分担割合を決める「過失割合の基準」が存在します。

この「過失割合の基準」により、同程度の過失ならば、原則的に自動車側へ責任を負わせるということになっています。特に自動車と歩行者の場合は、原則100%の責任を自動車が負うことになっています。

基本的に、車両の大きい順に過失割合の比率が重く設定されています。これが「弱者救済」と言われる所以です。

具体的な過失割合は、交通事故の様態に応じて、自動車と歩行者それぞれの過失の程度が考慮されて、最終的な過失割合が決まるようになっていますので、説明していきます。

●信号のある横断歩道での事故の場合
●信号のない横断歩道での事故の場合
●信号も横断歩道もない道路での事故の場合
●その他、特殊状況での事故の場合

歩行者の過失がある場合は過失割合が一定軽減される(過失相殺)

出典:http://trans-p.cocolog-nifty.com/

どんな状況でも自動車が一方的に責任を負わなければいけないわけではありません。歩行者にも交通ルールがあり、ルールを守らずに自動車との事故に遭えば、歩行者でも一定の責任を負う必要があります。

歩行者が交通ルールを守っていないということで、原則100%とされている自動車側の責任が相殺されていく仕組みとなります。

信号のある横断歩道での事故の場合

出典:https://www.pakutaso.com/

【歩行者信号が「青」だった場合】
●過失相殺0%
交通ルールを守っていた歩行者が事故にあったということなので、自動車が100%の責任を負うことになります。これは、自動車が歩道を渡っていた歩行者を巻き込んでしまった場合も同様です。

【歩行者信号が「赤」だった場合】
●過失相殺70%
この場合は、事故原因の大部分は歩行者にあると考えられますので、自動車側の過失割合が高くなりがちな対歩行者事故であっても、過失割合は歩行者が70%となることがあります。

信号のない横断歩道での事故の場合

出典:https://www.pakutaso.com/

横断歩道の存在が分かれ目

信号の無い場所での事故でも、「横断歩道が近くにあるか」という点で過失割合が変化します。これは、道路交通法で歩行者の交通ルールが定められているからです(下記参照)。

従って、事故に遭った歩行者が交通ルールを無視して横断歩道ではない所を渡っていた場合は以下の通りの過失相殺が行われます。

●過失相殺5%~20%程度※
※横断歩道を渡っていない場合

歩行者は、道路を横断しようとするときは、横断歩道がある場所の附近においては、その横断歩道によつて道路を横断しなければならない。

出典:http://law.e-gov.go.jp/

歩行者は、交差点において道路標識等により斜めに道路を横断することができることとされている場合を除き、斜めに道路を横断してはならない。

出典:http://law.e-gov.go.jp/

信号も横断歩道もない道路での事故の場合

出典:https://www.pakutaso.com/

「横断歩道」や「信号」がある場所での交通事故を説明してきましたが、住宅街や地方の道路では必ずしも横断歩道や信号があるわけではありません。

そのような場所で起こった歩行者との事故では、歩行者も横断するときの安全確認を怠ったとされ、自動車が100%の責任を負うことはありません。

よって、「横断歩道」や「信号」のない道路での事故の過失割合は、以下のようになっています。
●過失相殺10~30%程度

その他、特殊状況での事故の場合

出典:https://www.pakutaso.com/

【歩道などの「歩行者専用道」に自動車が侵入し、歩行者との事故を起こした場合】
●過失相殺0%

【「車道」とされる領域に歩行者が侵入して事故を起こした場合】
●過失相殺あり(場合によっては50%超)

【歩行者が自殺のために飛び出してきた場合】
●過失相殺100%

追記:質問がありましたので、記載しました。
【相手がアイアンマンだった場合】
●過失相殺あり(場合によっては被害者側にまわることも)

お金の話(自賠責保険)

出典:http://tomosoe.com/

お金の話をさせて頂きます。ここまで、過失相殺の話をさせていただきました。ここでは、具体的に損害額はどのくらい払わなければいけないの?ということをご説明します。

日本には「自賠責保険」という全て自動車が強制的に加入しなければならない保険があります。この保険のお陰で助かったという人も多いでしょう。

自賠責保険は、「人身事故の被害者」を守る保険です。従って、「過失相殺」という概念は保険の中に組み込まれておりません。これは、怪我をした者が車に乗っていても歩行者でも同じです。

よって、自動車と歩行者との事故により、怪我した人が出た場合、最大120万円が被害者の為の保険金として保険会社から支払われることになります。

ただし、重症を負ったとしても、被害者の過失が70%~100%未満の場合には、2割カットされ、総額も96万円となります。

この金額(120万または96万円)を超える損害額となると、任意基準で、根本から損害額を過失相殺することとなります。

ルールを知って、安全運転を!

「自動車側だけが一方的に不利になるのはおかしい!」と思っていた方も多いかとおもいます。しかしそれには、怪我等を負った被害者を優先して損害補填するといった、しっかりとした理由があります。

事故が起きないようにするには、自動車・歩行者関係なく全員が注意し、お互いが交通ルールを守ることで事故が起きないようにすることです。

運転をされる際は、一歩間違えば凶器となりうる自動車を、免許という国家の許可を得て運転しているという意識し、安全運転を心がけましょう。

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事故の無いように充分に気をつける事はドライバーの一番大切な義務ですが、もしも交通事故を起こしてしまったらどうすれば良いのでしょうか?万が一にもあってはならない事ではありますが、備えあれば憂いなし、という事で、本記事は「交通事故を起こしてしまった時に取るべき行動」を、時系列順に追っていきます。

人身事故を起こすと気が動転してしまい、対処すべきことを冷静に進行することができなくなってしまいます。そこで、慌ててしまって、後で事故処理の仕方に後悔することがないように今回は事故を起こしたときの対処法について、お教えします。

「交通事故なんて自分は遭うわけない」と思っていても、車に乗っている人なら誰でも遭遇する可能性があります。また、交通事故に遭った場合、損をしない為には適切な対応が必要となります。いざ、自分が加害者になってしまって場合は慰謝料はいくらになるのでしょうか?当事者になった時に慌てないように、交通事故になったらまず何をすべきか確認していきましょう。

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