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エンジン(内燃機関)を徹底解説!自動車と船舶や飛行機での違いや種類・種別をまとめ

エンジン(内燃機関)とは?

自動車エンジン(内燃機関)の断面図

エンジン イラスト
©iStockphoto.com/anton_novik

エンジンは「内燃機関」とも呼ばれます。内燃機関とは、機関内にて燃料を燃焼させることで発生した燃焼ガスを利用し、動力に変換する原動機です。

これに対し、機関外に設けた燃焼機関で得た気体を動力機関に送る「外燃機関」も存在します。

外燃機関は蒸気機関車・蒸気発電機などに利用される大型の原動機であるのに対し、エンジン(内燃機関)は自動車・船舶・飛行機などに利用される小型の原動機です。燃焼と動力の機関が一緒で機器構成を小さくできるエンジンは、小型の乗り物に合った原動機といえます。

様々な乗り物に採用されている内燃機関の違いと、自動車エンジンの内燃機関について詳しく解説します。

自動車・船舶・飛行機のエンジンの特徴と違い

エンジンにはガソリン機関・ディーゼル機関・ジェット機関・ロケットエンジンなどがあり、それぞれが自動車・船舶・飛行機など、適した乗り物に搭載されています。

それぞれの用途にあった特徴、構造上の仕組みの違いについて説明します。

自動車用エンジン

©moonrise/stock.adobe.com

自動車用エンジンはボンネットに収まるサイズであることが特徴です。採用されているのはレシプロエンジンとロータリーエンジンです。

レシプロエンジンはピストンの往復運動による容積変化を、ロータリーエンジンは独特な三角形の回転動機構による容積変化を利用して熱エネルギーを回転動力に変換する原動機です。

排気量は車種によって数百cc~6,000cc以上まであり、使用燃料はレギュラーガソリンとハイオクガソリンの2種類です。

レシプロエンジンとロータリーエンジンについて詳しくはこちら

船舶用エンジン

©Federico Rostagno/stock.adobe.com

船舶用エンジンは自動車同様にレシプロエンジンが採用されますが、航海中に停止することなく24時間稼働することが求められます。

そこで、回転数が低く機械的摩耗を抑えられ構造が単純なことから、故障にくく耐久性が高いレシプロディーゼルエンジンがメインで採用されています。

大型船舶に利用されるディーゼルエンジンは、同じ軽油を燃料とするトラックのディーゼルエンジンと比較対象にならないほど超大型。スペックは、排気量22,000cc、8.5万馬力にものぼります。

さらに船舶用エンジンは気筒容積あたりの出力が低いものの、気筒容積に制限がないので巨大なエンジンを製造することができることも特徴です。必要な出力が得られるまでエンジンを大型化することができますが、大型になるほどエンジンは低速回転・大出力型の性格になります。

飛行機・航空機用エンジン

©hika019/stock.adobe.com

飛行機・航空機用エンジンは自動車・船舶のレシプロエンジンとは異なる「ジェットエンジン」を採用しています。

ジェットエンジンはレシプロエンジンよりもさらに大きな力を発生させることが可能です。また、船舶用エンジンはパワーアップに伴い大型にならざるを得ませんが、ジェットエンジンは乗り物(飛行機)の大きさの割にコンパクトな大きさ、形であることが特徴です。

多くのジェットエンジンに使用されるのはガスタービン原動機で、外部(エンジン前方)から空気を取り入れて酸素と燃料を燃焼させ、噴流(ジェット)を生成する反作用にて推進します。

ジェットエンジンに使用される燃料は航空タービン燃料油と呼ばれています。天然の原油から精製した成分を主体に構成されており、灯油やガソリンに近い性質です。

自動車用エンジンの種類・種別

燃料による種類・種別

©umaruchan4678/stock.adobe.com

自動車用エンジンの燃料による種類・種別は、以下のとおりです。
基本的には、指定された燃料以外を給油してしまうと、エンジン不調や故障に繋がります。

・レギュラーガソリン(無鉛ガソリン)エンジン
・ハイオクガソリン(無鉛プレミアムガソリン)エンジン
・ディーゼル(軽油)エンジン
・プロパンガス(LPガス)エンジン

一般的な普通車や軽自動車にはレギュラーを給油しますが、高性能スポーツカーや高級外車などはハイオク仕様となっている場合が多いです。また、ディーゼルはレギュラーよりも価格や安く、さらにエンジン自体もトルクが出るため、トラックやバスなどに多く採用されています。

プロパンガスは各液体燃料よりもさらに安く、また排気ガス中の有害物質が少ないという特性があるため、タクシーに採用されています。

「燃料」について詳しくはこちら

排気量による種類・種別

エンジンのシリンダーブロック

出典:flickr.com Author:Paulius Malinovskis CC BY 2.0

自動車用エンジンの排気量による種類・種別は、車のカタログに「660cc」「1.5L」などという数字で示されています。

排気量とは「シリンダーの容量(シリンダー内径 × ピストンが上下する幅) × シリンダー数」のことです。軽自動車は最大660ccまでと定められていますが、普通自動車には制限がありません。

排気量が大きいほど、馬力やトルクが増しパワフルなエンジンとなります。

「排気量」について詳しくはこちら

シリンダー配列による種類・種別

シリンダー配列

日産 シルビア FJ20ET型エンジン
出典:直列4気筒エンジン

レシプロエンジンを採用する自動車において、シリンダー配列による種類・種別は、車のカタログに「直列◯気筒」「V型◯気筒」「水平対向◯気筒」などという表記で示されています。

シリンダーとはピストンが往復する円筒のことで、これが何本あるかが「シリンダー数」、どんな形で配置されるかが「シリンダー配列」となります。

4つのシリンダーが直線上に配列されていれば「直列4気筒エンジン」、6つのシリンダーが左右に3シリンダーずつ配列されていれば「V型6気筒エンジン」といいます。

シリンダー数を増やせばどパワーアップできますが、エンジン自体は大きく、重くなります。

また、ロータリエンジンにはシリンダー自体がないため、シリンダー配列における種類・種別はありません。

「シリンダー配列」について詳しくはこちら

過給器(ターボ・スーパーチャージャー)の有無による種類・種別

ターボチャージャー

©evannovostro/stock.adobe.com

自動車用エンジンは過給器の有無により、自然吸気エンジン(ノンターボエンジン)と過給器付きエンジン(ターボエンジン )に分けられます。自然吸気エンジンとは自然に空気を取り込むエンジンで、過給機付きエンジンとは強制的に大量の空気を取り込むエンジンです。

過給機には「ターボチャージャー」と「スーパーチャージャー」がありますが、どちらも空気を圧縮してエンジンにより多くの空気(酸素)を強制的送り込む装置です。燃焼効率を向上させることでより大きい馬力を生み出します。

ターボチャージャーは排気ガスの圧力を使用して吸気タービンを回転させますが、スーパーチャージャーはエンジンとの連動・モーターにて強制的に吸気する、という違いがあります。

「過給機」について詳しくはこちら

バルブ配列(DOHC・SOHC・OHV)による種類・種別

自動車用エンジンのバルブの配列による種類・種別は、以下のとおりです。

SOHC:Single OverHead Camshaft
DOHC:Double OverHead Camshaft
OHV:Over Head Valve

SOHCはカムシャフト1本だけで吸気/排気バルブを稼働させるもの。DOHCには吸気バルブと排気バルブを別々に制御するカムシャフトがそれぞれ1本ずつ付いています。OHVはバルブ機構をエンジンの側面に位置あるロッドで制御するため、SOHC、DOHCのようにカムシャフトはありません。

機構の複雑さは「DOHC > SOHC > OHV」の順となり、DOHCがより繊細な吸気/排気のコントロールが可能です。

「バルブ配列」について詳しくはこちら

エンジン(内燃機関)は近い将来なくなりEVへ?

テスラモーターズ
©Shutterstock.com/ Nadezda Murmakova

エンジン(内燃機関)は技術開発が進んだとはいえ、有毒ガスを排出し、大気汚染・地球温暖化の原因のひとつになっています。世界規模で排出量を規制する動きがあり、将来的にエンジンを搭載した乗り物自体がなくなるとも言われています。

とくにEUでは具体的な発表もあり、イギリス・フランスは2040年までにガソリン・ディーゼルエンジン車の販売を禁止する方針が打ち出しました。また中国では2017年末にEVメーカーが60社以上存在し世界のEV市場を牽引。米テスラはすでに数車種のEVの生産・販売を開始、自動運転の技術も日進月歩で進化させ続けています。

自動車は近い将来、内燃機関を捨て去り自動運転の技術とともにEVに置き換わるでしょう。エンジンを搭載した車に乗ることができるのは、今がチャンスなのかもしれません。

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宮代ツトム

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