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車のエアコンが効かない・冷えない!カーエアコンの故障の原因と修理費用

カーエアコンは、いまやなくてはならない車の必需品。カーエアコンの故障の原因や、カーエアコンが効かない、冷えない、温まらないなどの症状が発生した場合の対処と修理費用をまとめています。またカーエアコンからなぜ冷風や温風が出るのか、エアコンの仕組みも徹底解説します。

車のエアコンが故障!カーエアコンの仕組みとは?

年々厳しくなる日本の夏の暑さ。
気温は40℃近くまで上がり、炎天下での車内温度は50℃を超えるほどまでに上昇します。
そんなときに車内を適温に保つカーエアコンが突然壊れたら、命にかかわる一大事。
しかし、エアコンの標準装備が一般的になった現在でも、その仕組みについてはあまり知られていないのが現状です。

エアコンは故障しやすい?

エアコンで空気を冷やす仕組み「気化熱冷却」をおこすためには、機械部に高温高圧の大負荷をかける必要があり、車のなかでもトラブルの原因となりやすい箇所です。
カーエアコンの冷房と暖房の仕組みと、故障の原因と対処法、修理費用について解説します。

冷房の仕組み

エアコンが車内を冷やす原理は、液体が蒸発する際に周囲の熱を奪う「気化熱冷却」という性質を利用したもの。注射前にアルコール消毒した箇所がスーっと冷たく感じるのが、アルコールが蒸発する際に起こる気化熱冷却です。

車用のエアコンとはいえ、その仕組みは家庭用エアコンとほぼ同じ。
エアコン内には冷媒(エアコンガス)と呼ばれる、常温で気体の物質が充填されています。
冷媒を圧縮することで液状化させ、液体となった冷媒が再び気体に戻ろうと蒸発する際の気化熱冷却を利用して急速に周囲の空気を冷却するのが冷房の仕組みです。

エアコンシステム内に充填された冷媒は、エンジン動力や電気モーターを使った圧縮装置(コンプレッサー)で約1.5MPa(大気圧の約15倍)まで圧縮され、約80℃の高温高圧の半液状となります。ラジエター前に装着された「コンデンサー」と呼ばれるエアコン冷媒用のラジエターにより、走行風を利用して約60℃まで冷やされた冷媒は、高圧を保ったままさらなる液化が進められます。

その後、長い配管を通り車内まで運ばれ、小さなラジエターの様な形をした「エバポレーター(減圧器)」内に霧状に噴射された液体冷媒は、急速に蒸発。その際の気化熱冷却で一気に-5℃まで下がります。
ブロワファン(送風ファン)からの送風が冷たくなったエバポレーターの隙間を通ることで空気が冷やされ、吹き出し口から冷風が出るのがエアコンシステムの具体的な仕組みです。

暖房の仕組み

車にはエンジンという大きな熱源があるため、暖房には冷房ほど大掛かりな設備は必要ありません。
多くの車に搭載される水冷エンジンは、エンジン内を循環する冷却水に熱を逃がすことで、オーバーヒートを防ぎ、安定してエンジンを稼動させます。
車の暖房は、エンジンによって加熱された冷却水をダッシュボード奥に設置されたラジエター状の「ヒーターコア(蓄熱器)」まで引き込み、ブロアファンによる送風がヒーターコアの隙間を通ることで温められた空気が温風として車内に吹き出されます。

電気自動車の暖房は?

エンジンがない電気自動車の暖房には、電熱ヒーターかヒートポンプ方式が採用されます。
電熱ヒーターは抵抗値の高い金属に電気を流すことで発生する熱を暖房として使う、いわゆる電気ストーブと同じ仕組みですが、消費電力が大きいのが難点です。
一方のヒートポンプとはエアコンと同じ原理。 コンプレッサーで冷媒を圧縮した際に発生する熱をそのまま熱源として利用するため、消費するエネルギーはカーエアコンと同じだけで済ませることができます。

電気自動車について詳しくはこちら

冷房が効かない・冷えない原因

エアコンコンプレッサー(右下)

エンジン ファンベルト セルモーター コンプレッサー オルタネーター

©shutterstock.com / Shi Yali

エアコンガス漏れ・ガス不足

冷房が効かなくなるもっとも多い原因がエアコンガスの不足です。
よく勘違いされますが、エアコンを使ったからといってガスが減ることはありません。
密閉されるエアコンガスは漏れることがないとされますが、 車は常に振動にさらされるため、実際には配管接合部分のわずかな隙間からガスが漏れ出てしまうのです。

古い車ほど接合部分の劣化が進み、漏れる量が多くなる傾向にありますが、2〜3年でガス不足になる程度ならば正常範囲内といえます。
エアコンガスが不足しても致命的に漏れていない限りは、エアコンガスを補充することで、性能を回復させることができます。

コンプレッサー不良

コンプレッサー自体は、非常に強固で丈夫につくられているため、故障することはめったにありません。
しかしエンジンの動力をベルトを介してコンプレッサーに伝え、断続させる電磁クラッチの不良により、エアコンが効かなくなる例が数多く報告されています。

電磁クラッチは、 エアコンをオンにすると電磁石に電流が流れてエンジン動力をコンプレッサーに伝えますが、電磁クラッチが壊れるとコンプレッサーは回らなくなるため、エアコンからは冷たい空気が出なくなります。
電磁クラッチおよびコンプレッサーの修理交換は、重整備となるため整備工場に持ち込むのが得策です。

暖房が効かない原因

サーモスタット

冷却水不足

車の暖房はエンジンの廃熱を利用して室内を温めるため、エンジン水温=暖房の最大温度という関係になります。
もし冷却水不足になった場合には、室内側ヒーターコアまで冷却水が回ってこないため、ヒーターコアの温度は上がらず、温風は出ません。
車によっては温風が出ない症状に陥る前に、オーバーヒートでエンジンが歪み、エンジンストップしてしまっているでしょう。

オーバーヒートについては以下で詳しく説明しています。

サーモスタット故障

車のサーモスタットとはエンジンとラジエターホースの間に設置され、水温の温冷により開閉する弁を指します。

エンジン始動直後はサーモスタットが閉じてラジエターへの流水経路を閉鎖して水温上昇を促進し、水温が上がってくるとサーモスタットが開いてラジエターへと冷却水を流し、走行風で冷やした冷却水を循環させることでエンジンの水温を安定させるのがサーモスタットの役割。
経年劣化によりサーモスタットが開いたままになると、水温が上がりづらくなることから暖房の効きは落ちてしまいます。

また、サーモスタットが故障した状態での高速走行で水温が低下しても暖房の性能は落ちてしまいます。
さらに、気温が低いほど水温は下がるため、暖房が必要な冬場こそ暖房性能が低下する症状が出やすい傾向にあります。

暖房性能にもかかわるサーモスタットについてはこちら

車のエアコンの修理費用は?

暖房・冷房の修理費用は故障箇所により大きく価格が変わってきます。
複雑なうえ、高温高圧のガスや冷却水を扱うため、修理には専門の知識と安全対策が必要となりDIYで修理することは難しいでしょう。

エアコンガスの補充程度であれば、DIYでも作業可能ですが、ガスの入れすぎもトラブル発生原因となるため、しっかりとした圧力ゲージを用いて作業する必要があります。
近年のカーエアコンに使用されるエアコンガス「HFO-1234yf」は可燃性であるため、信頼できるプロに任せるのがベターです。

カーエアコンの修理費用
故障箇所修理費用
エアコンガス補充約3,000~5,000円
エアコンガス漏れ
約2~3万円
コンプレッサー不良5万円~
ブロアモーター故障2万~3万円
サーモスタット故障1万円前後

エアコンガス補充について詳しく知りたい方はこちら

エアコンをいたわる使い方

カーエアコンには劣化を防ぐ使い方があります。
寿命を延ばす冷房・暖房の使い方をおぼえることで無用なトラブルを防ぎ、余計な出費を防ぐことにもつながります。

●エアコンオンは低い回転数で
エアコンはなるべくエンジン回転数の低い状態でオンにしましょう。
エンジン側とコンプレッサー側の回転差を少なくすることで電磁クラッチの劣化を防ぐことができます。

●スポーツ走行時はエアコンオフ
エアコンコンプレッサーはエンジン回転数に比例して回転数が上昇します。
過剰圧力を逃がす保護機能は備えるものの、高回転までエンジンを回すスポーツ走行時は、なるべくエアコンをオフにした方がコンプレッサーの保護につながります。

●エアコンは使わないと故障する
エアコンコンプレッサーを長期間動かさないまま放置しておくと、可動部の潤滑剤が固着してしまう場合があります。
その状態で無理に動かすと可動部に傷がつき、そこからエアコンガス漏れや可動部のガタに発展する恐れがあります。
そのためエアコンコンプレッサーは定期的に稼働させた方が寿命は伸びる傾向にあります。

●定期的な冷却水量のチェック
構造が単純な暖房に関しては、できることは少ないのですが、オーバーヒートを防ぐ意味でもまめな冷却水のチェックをおすすめします。

エアコンの使い方についてはこちらの記事も必見

車のエアコンが故障したらプロに任せよう!

カーエアコンの寿命は10年といわれ、徐々に性能が劣化します。
高温高圧になるエアコンシステムは、DIY修理はほぼ不可能。トラブルがあった際は速やかにプロに任せましょう。
一昔前までオプション設定だったカーエアコンは、著しい気温の上昇傾向にある現在の日本の夏には必須の装備。
燃費が悪くなるから、あるいは故障しているからとエアコンを使わず、運転中に熱中症にでもなったら大変です。
いつでもエアコンが使用できるように、メンテナンスを怠らないことが大切です。

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