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バッドボーイズ 佐田正樹×日産 ローレル:Vol.1「うちのミッドナイトパープルちゃん」MOBYクルマバナシ

車は人生をともに過ごす仲間。“その車”には、どんな想いが詰まっているのだろう――。かつて福岡最大勢力を誇った暴走族の総長を努め、引退後はお笑いで天下を取るべく芸能界へ。そんな異色の経歴を持つ芸人、バッドボーイズ佐田正樹さんの愛車は、暴走族時代に憧れた日産 ローレル。愛車への想いや車にまつわるエピソード、ヤンチャ時代から現在の話についても語っていただく、“MOBYクルマバナシ”。

【Profile】バッドボーイズ 佐田正樹1978年9月13日生まれ。福岡県糟屋郡篠栗町出身。
よしもとクリエイティブ・エージェンシー所属。かつて福岡では最大勢力を誇った、元・福岡連合二代目総長及び暴走族「幻影」の元総長。福岡第一高等学校の同級生で同じく暴走族「福岡連合」出身の大溝清人と1997年4月に「バッドボーイズ」を結成。ツッコミを担当。現在は得意のDIYを活かしリフォーマンとしても活躍中。
愛車は日産 ローレル(1976年式)。

Vol.1「うちのミッドナイトパープルちゃん」

佐田さんの愛車を教えてください!

1976年式の日産 ローレルですね。グレードはSGXで、通称「ブタケツローレル」です。

愛車ローレルにはどれくらい乗っているのでしょうか?

車検も4回通してるから、8年か9年くらいかな。

こちらが佐田さんの所有する1976年式 日産 ローレル。今回の取材は、佐田さんが普段からメンテナンスを依頼しているショップ「スターロード」にて行われた。

このC130型ローレルは歴代2代目にあたり、バンパーにテールランプが組み込まれたそのデザインから「ブタケツ」の愛称で親しまれた。

ローレルを入手した経緯を教えてください。

もともと上京してきてから何年かは、BMWに乗ってました。お金も無いのに車は欲しくて、知り合いの作家から安く譲ってもらったんです。

ちょうどその頃、『D1』っていう車のイベントの仕事が入りだしたんです。イベント会場でダルマセリカが走るのを見たとき、「うっわー、渋っ!!」と思って。

で、旧車やったら何に乗りたいかなって考えてたら、「そういえば俺、昔ローレル好きだったよな」と思い出して。それからずっと、「ローレルが欲しい!」って思うようになってね。

楽屋で車好きの芸人としゃべるようになったんですよ。「ローレル欲しいんよね」「でもどこで売りよるんやろう」みたいな。

次第にローレルを手に入れたい気持ちが強くなっていったんですね。

そうですね。でもやっぱり恐いのが、旧車ってすぐに壊れたりするじゃないですか。だから好みのローレルを見つけたとしても、ちゃんと走るのかどうかもわからんし、すぐに壊れたりエンジンが止まったりしたら嫌やしっていうのもあって。

いろいろ探してたんですけど、お目当てのローレルがなかなか見つからなかったんです。

そうこうしてたらレイザーラモンのRGが、「ロッキーオートっていう名古屋にある車屋さんに、エンジン乗せ換えで、RBエンジンというのがあるよ」って教えてくれて。

「マジで?」ってホームページ見せてもらったら、ちょうど渋い白のローレルがあって「これ欲しい!!」ってなったんですよ。

ローレルとの運命の出会いですね。

それで、白いローレルを直接見に行きたいなと。その話をD1イベントの関係者にしたら、「じゃあ『ビデオオプション*』の企画にしちゃいましょうか! そしたら名古屋までの交通費、全部出ますよ」って話になった。

俺も「えー!マジっすか!行きてぇ」ってなって、『バッドボーイズ佐田の旧車道』っていう企画をやることになったんです。ロケで実際に名古屋のロッキーオートに行って、いろいろな旧車を見させてもらいました。

でもお目当ては、もちろんローレル。その場で試乗させてもらって、同行していたレーシングチームの監督やってる坂東マサさんに「この車、どうするの?」って聞かれて。

俺、もうその場で「買います!!」って言っちゃったんです。値段も聞いてなかったんですけど、カメラ回ってるから買うしかないじゃないですか。

とりあえずロッキーオートの社長に「このローレルいくらですか……!?」って聞いたら、「430万です」って(笑)。


*ビデオオプションとは、三栄書房の子会社・サンプロスが販売しているチューニングカーやドリフトなどを特集する自動車愛好家向けDVDビデオ

ローレルの金額430万円は、想定内だったのでしょうか?

いやいや、全然無理よ。

そこからはもうチンピラですよね。「えーっ!ちょっと社長、430万ってことはないでしょこれ!いつの車っすか。430万ならもっと良い車買えますよ」みたいな。

負けじとロッキーオートの社長も「いやー、でもこれ乗せ換えて色々整備しなきゃいけなくてさー」ってどうのこうの言ってくるんだけど、「そんなの知らないっすよ!安くしてくださいよぉ!!」って。

交渉してるうちに、社長もカメラが回ってるから気分が良くなってきてね。「もうしょうがない!じゃあ佐田さん、300万でいいですよ」って値段下げてきて。

「うわ、すぐ130万下げよった」って思った(笑)。内心「おおー!」とは喜んだけど、俺はまだ妥協しなかったんですよ。

諦めず、交渉を続けたんですね(笑)。

そうなんですよ(笑)。

なぜかというと、一緒に来てたスタッフさんに「ローレルって車体価格いくらですか?」って事前に聞いてて、「車屋さんの買取価格だと150万~170万くらいじゃないですかね」と伺ってたので。

なので「社長、300万からもうちょい下げられませんか?大事に乗りますし、宣伝しますよ。実際にこうやってDVDにもなってるわけですから。ここで太っ腹なところ見せれば、今後の集客につながりますよ!」って。もうほとんど詐欺師ですよね(笑)。

そこで社長が「じゃあ、こうしませんか?ロッキーオートでやってるイベントがあるんですけど、そこにバッドボーイズが漫才しに来てくれるんだったら、もう少し値段を下げますよ」と提案してくれて。

「なるほど。ちなみになんぼになりますの?」と探ったら「佐田さんは、なんぼがいいんですか?」と聞かれたので、俺はそこで200と言わずに150って(笑)。

スタッフさんに聞いた、車屋さんの買い値と同じ値段じゃないですか(笑)。

言ってみたんですよ。それはさすがに難色を示されて、「佐田さん、それだとうちが損するので」と。だけどこっちも必死ですから、「じゃあ300と150の間を取って、200万でどうっすか!!」みたいな。

全然、間でもなんでもない。俺が得してるんですけど。

そこでようやく社長が「分かりました。タイヤ交換などせず、現状のままで良ければ200万で売りますよ」と折れてくれて。「買います!」と、その場でサインしました。

その時は200万なんて持ってなかったから、すぐに吉本に電話して。吉本ファイナンスから金を借りて、ばーんって払いましたよ!

お見事な交渉術でしたね。そこから未修理のローレルを、佐田さん流にカスタムしていったんですね。

そこからは、旧車のレストア専門店、スターロードさんが協力してくれたんです。『ビデオオプション』の企画として宣伝する代わりに、無料でサスをいれたり、足回りも全部やってくれたり。

購入当時のカラーは白色とのことでしたが、現在は紫色になっていますね。

全く原型ないですよね。普通、車体からホイールを選ぶじゃないですか。

だけどこれは、先に黄色のホイールをスターロードさんに提供していただいたので、それに合わせて車体の色を変えたんです。

黄色と紫って相性いいですし、ちょうど俺のラッキーカラーなんですよ。日頃から選ぶことが多い色合いだったので、いいなと思って。

夜だとブラックに見えますよね。

そうなんですよ、黒に見えますよね。でも、太陽の光が当たったらパープル。

うちのミッドナイトパープルちゃんです。

めちゃくちゃ格好良いです。

うれしいです。ありがとうございます!

某有名テレビ番組では「暴走族カラーだ」といじられてましたよね。

いじられました(笑)。

あの時はホイールが違いましたけどね。ちなみに、内装も全部変えてます。

総張り替えですか?

シート部分は、残し張り替えなんですよ。

当時のまんま残してるところもあるんですけど、ビリビリになってた布もあって。

その布を剥がして、なかに綿を入れてもらってるんです。

こだわりのシートなんですね!

本当はシートごと変えちゃえばいいんですけど、もともとあるものも格好良いじゃないですか。

ローレルの意味わからんマークが付いてるところは残したいから、スターロードさんに「ここは活かしたいので、なんとか出来ませんか!?」ってお願いして、無理難題やってもらうという。

シートの他には、どこをカスタムしたんですか?

あとはエアコン取り付けたりとか、内装でいうと、内側も全部張り替えて。

それとドリンクホルダーは自分で溶接して作ったんですよ。DIYで。

見てください、この昔のエレベーターみたいな(笑)。

無骨で格好良いですね!

すごいでしょ。上は取り付けるために、ビスを打ち込んだんですよ。あとはナビ周りも。

すごいですね。DIYで、こんなに綺麗に取り付けられるとは。

綺麗に埋め込まれてるんですよ。無駄がないでしょ。

シンプルかつ機能的でかっこいいです。

あとはマフラーもこだわってます。太いターボマフラーを入れたんですけど、しょっちゅう車高を擦るんですよ。

だから擦らないようにサイレンサーのところも、ギリギリ低く作ってもらいました。

このマフラー、再メッキかけてもらったんでピカピカです。

こんなところにスターロードステッカーがありますね(笑)。

そうですね。スターロードさんはうちのスポンサーなので(笑)。

愛車のローレルは、もともとロッキーオートさんで買ったんですけど、店舗が名古屋にあるんですよね。旧車は日々のメンテナンスが大事だと思うんで、東京ですぐに修理してもらえるスターロードさんにはすごく助けてもらってます。

こういう簡単なところは自分で塗りましたけどね。DIYは得意なんで(笑)。

今回、撮影にご協力いただいたのは東京都江戸川区の旧車レストア・販売店『スターロード』。ハコスカやケンメリ、S30Zなど日産車を中心に取り扱い、現在は海外から顧客が訪れるほどの有名ショップ。

昔から欲しかったローレル(通称ブタケツローレル)を手に入れ、「全ての部分が好き」だと話す佐田さん。得意のDIYをおこない、細かな部分までこだわるなど、惜しみない愛情を注げる車に出会えてうらやましい限りです。

次回“MOBYクルマバナシ”第2話では、佐田さんの運転事情についてお伺いします。窓を閉め切った車の中では、いまだにヤンチャ!? お楽しみに!

取材:三浦眞嗣、米永豪
撮影:近藤浩之
文:MOBY編集部

撮影協力:スターロード

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