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【xDriveとは】BMWの4WDシステムを徹底解剖!構造から性能や評価まで

X1をはじめとするBMWのクロスオーバーモデルに搭載されるAWDシステム「xDrive」。BMWのAWDシステムは電子制御を駆使したインテリジェント「xDrive」について、性能と評価を交えて徹底解剖します。

xDriveとは?

BMW 新型X5

「xDrive」とはBMWが採用するAWDシステムの名称。主にBMWのクロスオーバーシリーズに採用され、高い車両安定性とトラクション性能を確保するための4輪駆動システムです。
雨や雪や凍結による路面状況を常にモニタリングし、タイヤと路面との細かなグリップ変化を前後左右で素早く最適化できるのがxDriveの最大の特徴。それでいて、BMWのスポーティな走行フィールも一切犠牲にせず、以前ならば常識であった「BMWはFR」の定説をつくがえす存在がBMWの4輪駆動システム「xDrive」です。

AWDとは?

xDriveの構造と仕組み

xDriveの構造を解説した動画です。

BMWのxDriveは、センターデフの動作をコントロールすることで前後の動力を自由に分配できる構造をしています。センターデフ内の多板クラッチのつながり具合を電動モーターで制御し、0:100のFR状態から、50:50の完全AWD状態まで、タイヤの駆動力をシームレスに変更できることが特徴。
一般的な4WDシステムはトランスミッションの後端に設置されたセンターデフを介し、前後タイヤが滑って回転差が発生してから、滑っていないもう片方のタイヤへと動力を伝達することで車体の安定を保つ仕組みになっており、その一瞬のタイムラグが車体を不安定にさせてしまいます。

BMWのxDriveは走行状態や路面状況を予測し、4つのタイヤそれぞれが刻々と変化する路面に対して最適なグリップを発揮できるように駆動力を調整し続けることで、安定した走行を実現します。

xDriveの制御方法

走行状態や路面状況を予測できるといっても、AI(人工知能)が未来を予測しているわけではありません。車両安定装置システムでモニタリングされた車速・アクセル開度・ブレーキの状態・ステアリング角度・前後左右のG(加速度)などの情報を統合することで、現在車がどのような走行をしているかを理論的に予測しています。

たとえば、アクセル開度が大きく車速が高め。ステアリングが切られている状態で大きな横方向の加速度をセンサーが検知していると、システムは高速コーナーを想定し、前輪に多くの駆動力を分配して直進安定性を確保。しかし、速度が高すぎると前輪がスリップして車が曲がらない「アンダーステア」が発生する可能性が高まるため、xDriveは「アンダーステア」が発生する前に駆動力を後輪に移します。

もしも「アンダーステア」が発生した場合には、前輪の駆動力を小さくすることでタイヤのグリップを回復させると同時に、車体を曲がりやすくするために外側後輪に大くの駆動力を分配することで、車が曲がりやすい「オーバーステア」方向へと調整し、走行ラインが乱れるのを防ぎます。

xDriveが優れているのは、センターデフによる調整をドライバーが挙動の乱れに気づく前に行い、気づかれないよう滑らかに調整し続け、なにごともなかったかのように走れてしまう点です。BMWのxDrive搭載車は、タイヤ1輪につき1人のレーシングドライバーが精密なアクセル操作していると思えばわかりやすいでしょう。

xDriveの性能

xDriveの性能を解説した動画です。

BMWのxDriveは人間よりも早い反応速度と繊細なセンサーを備え、急な路面変化でも速やかに駆動力分配を最適化し、人間がアクセルを操作するより早く安定を取り戻します。それは濡れた路面や、滑りやすい雪道や砂利道、起伏の多い凸凹道でも正確に安定した動作を約束します。

一般的なAWDでもスタックしてしまうような、タイヤが完全に浮いてしまうオフロードでもそれは変わらず、接地している残りのタイヤに駆動力を素早く確実に伝達するので、BMW X1をはじめとするクロスオーバーシリーズにはオフロード車に備えられているようなデフロック機構は必要ありません。

また、BMWのほとんどの車に搭載されるxDriveですが、スポーツモデルのMシリーズに搭載されるxDriveはある程度までタイヤを滑らせることで、モータースポーツにおいてタイヤのグリップを最大限に発揮する独自のセッティングが施されます。もちろん、常時後輪駆動に切り替えることも可能でドリフト走行も思いのままです。

xDriveはBMW X1にも 搭載車種一覧

xDrive搭載車種一覧
X1
X3
X4
X5
X5 M
X6
X6 M
218d グランツアラー
218d アクティブツアラー
320i
320d ツーリング
320d グランツーリスモ
420i グランクーペ
540i
M5
640i
740d
740Ld
760i

FFベースのシャシーを採用するX1と2シリーズ、一般的なFRベースとなるその他のシリーズ、スポーツ性能に特化したMシリーズでは車体特性や目的が違うため、最適なトラクションが確保できるようにxDriveの制御プログラムが微妙に変更されています。

各車種の詳細はこちらの記事で

BMW X1 xDriveの評価

BMW X1 xdrive

BMW X1d 2016年

©Shutterstock.com/Teddy Leung

2015年に登場した最小クロスオーバーSUVのBMW X1はエンジン横置き前輪駆動がベース。先代X1ではBMW伝統のFRを採用していましたが、2代目X1はBMW MINIのシャシーを流用。2代目X1に先行して登場した2シリーズアクティブツアラーと、その後に登場したグランツアラーもFFシャシーが採用されています。

FFは重いエンジンとトランスミッションがフロントタイヤの前に鎮座するために、フロント回りの重さを常に意識しなければならなりませんが、トランスミッションが室内空間を圧迫せず、居住スペースを確保しやすい点がFFのメリットです。

小型クロスオーバーSUVとしてのユーティリティスペースを確保するためにFFシャシーを採用したX1は、xdriveで細かく前後駆動力を調整することでFF特有の鼻先の重量感を軽減し、優れたハンドリングと快適な居住性を両立することに成功するとともに、AWD特有の優れた悪路走破性を実現。

FFシャシーへの変更で、BMWとX1に対する疑問の声が上がりましたが、登場してみればBMW2代目X1はクロスオーバーシリーズの中でもっとも売れているモデルとして高い評価を受けています。

BMWはFRを捨ててしまったのか?

FR特有の優れた車両重量バランスと自然なステアリングフィール、リアタイヤで蹴りだされるドライビングプレジャーは他に代えがたいものであり、それゆえにBMWは長きにわたってFRにこだわり続けてきました。

しかし、電子制御を駆使したXDriveシステムの進歩は、ベースとなる駆動方式を問題としません。それぞれの駆動方式のネガティブな部分を払拭しながらメリットをさらに引き出しすセッティングは、高い運動性能とドライビングプレジャーをドライバーに提供します。

駆動方式うんぬんではなく、その絶妙なセッティングこそがBMWの掲げる『駆けぬける歓び』の真髄なのでしょう。

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