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トヨタのF1復帰やエンジン供給の可能性は?8年間の参戦の歴史も振り返り

多くのファンからF1復帰が望まれているトヨタ。ネットには「トヨタ F1復活が実現するかも」といったうわさがあふれています。またトヨタ F1に関して「せめてエンジン供給でのF1参戦が実現しないかな」といった声を聞くことも少なくありません。今も昔もモータースポーツの頂点といえるF1。その舞台にトヨタが戻ってくる可能性はあるのか、詳しく検証します。

トヨタはF1に戻ってくる?

近年、モータースポーツファンのあいだでは、F1に関する話題が賑わいを見せています。ホンダのトロロッソとの契約は、2017年後半のビッグニュースとなりました。

こうした中で期待されているのが、トヨタのF1への復帰です。トヨタは2009年を最後にF1から撤退しており、ファンからはチーム復活を望む声があがっています。はたして、トヨタのF1復帰はあり得るのか、可能性を検証してみましょう。

トヨタ F1復帰の可能性はあり?なし?

ネットでトヨタ F1について検索すると、「トヨタがF1復帰をほのめかしている」といった情報が多数見つかります。しかし、こうした情報の信ぴょう性は、低いと言わざるを得ません。

はっきり言ってしまえば、近年中にトヨタがF1へ復帰する可能性はほぼゼロです。なぜここまで言い切れるのかというと、トヨタの現社長である豊田章男氏が「私が社長であるかぎりF1復帰はない」と明言しているからです。

豊田社長が考えを変えるか辞任するかしないかぎりは、トヨタ F1の復活は実現しません。豊田社長は現在62歳(2018年5月29日時点)。少なくとも、辞任するのはとうぶん先の話と考えられます。

トヨタの社長はF1が嫌い?

上記のとおり、豊田社長はトヨタのF1復帰を望んでいません。では、豊田社長はモータースポーツが嫌いなのかというと、答えはNOです。

豊田社長は国際C級ライセンスの取得者であり、「モリゾウ」名義で「全日本ラリー」や「ニュルブルクリンク24時間耐久レース」といったレースに参戦しています。

つまり豊田社長は、“超”が付くほどのモータースポーツファンです。ただしこの社長、F1に関してはあまり好感をもっていないご様子。というのも、豊田社長の車に対する考え方とF1の間には、大きな“溝”があるのです。

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豊田社長の自動車思想とF1の溝

豊田章男氏の自動車思想に、「道が車を鍛える」というものがあります。これは簡単にいうと、“悪路を含めた実際的な道路状況を通じてこそ、本当によい車づくりができる”とする考え方です。

この自動車思想に従い、トヨタでは路面状況のよくない「ニュルブルクリンク」のコースを使って、テスト車両の走行を行っています。また、「GAZOO Racing(ガズーレーシング)」でのラリーへの積極的な参加も、上記の自動車思想にもとづくものです。

一方、F1の舞台となるのは、最高の路面に整えられたサーキットです。サーキット上を走るのは、速さだけを追求して作られたフォーミュラマシン。豊田社長が考える“道で鍛えられた車”とは、対局にある車といえます。

こうした自動車に対するスタンスの違いこそ、豊田社長とF1の間にある溝です。この溝が埋まらないかぎり、豊田社長がF1復帰に意欲的になることは考えられません。

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F1へのエンジン供給の可能性はある?

前節までに見たように、トヨタのF1への本格復帰は実現しにくい状況にあります。トヨタから他社のF1チームへのエンジン供給についても、現状では行われないと考えるのが妥当です。

なぜならば、F1にエンジン供給で参加しても、トヨタが得るメリットは少ないからです。ここでいうメリットとは、F1のエンジン開発を通して得られる技術革新を指します。

F1用のエンジンの開発からは、市販車にフィードバックできる新しい技術が得られそうなものです。しかし、現実はそう単純ではありません。F1はエンジン設計の規定が厳しいため、技術開発に適さないのです。

F1の厳しいレギュレーション

F1はエンジンを含めたパワーユニット(以下PUと記載)に関するレギュレーションが厳しく、必ずしも最新技術の開発に適した環境とはいえません。

たとえばF1では、ターボチャージャーの軸とクランクシャフト、MGU-K(運動エネルギー回生システム)を平行に配列することが義務付けられています。

こうした厳格なルールがあるため、F1の環境下ではエンジンやハイブリッドシステムを自由に開発できません。一方、「WEC(世界耐久選手権)」のようなレースでは、PUレイアウトを自由に設計できます。

すでにWECで自由な技術開発を行っているトヨタにとって、あえてF1の開発環境に飛び込む意味はありません。このため、トヨタがf1へエンジン供給を行う可能性は低いといえるのです。

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