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普通免許で乗れる「公道を走行するカート」とは?レンタルや中古車販売と自作から事故・規制についても

「公道を走行するカート」は自作できる?

©Rawpixel.com/stock.adobe.com

「公道を走行するカート」とは原動機付自転車と同じ規格の『排気量50cc以下で、全長2500mm×全幅1300mm×全高2000mm以内』の基準さえ満たしていれば、フレーム強度計算書や動力・ブレーキの性能計算書などの届け出が必要なく、細かな仕様の規定がないため自分でカートを造ることもできます。

とはいえ、ゼロからつくるのはよほどの知識と技術がなければ難しいでしょう。レーシングカートを改造したり、原動機付自転車の部品を流用して製作されるのが一般的です。

ナンバーを取得するには

公道を走るためには、灯火類・速度計・後写鏡・警笛の他、前輪にも制動装置を取りつける必要がありますが、それら道路運送車両保安基準を満たすことができれば原動機付自転車と同じ手続きでナンバーを取得することがでます。

ただし、ナンバーを取得できたから安全というわけではありません。公道を走れる自作カートを含むマイクロカーは、「現時点で取り締まることのできる法律が存在しない」だけであって、見るからに危険な車両や周囲の交通を妨げる恐れのある車両は、取締の対象になるでしょう。

自作カートの紹介

YouTubeに投稿されている公道を走れる自作カートの動画を紹介します。

2ストロークエンジンの心地良い音がします。レーシングカートを保安基準に適合させ、ナンバーを取得したカートの動画です。

こちらもベースはレーシングカートですが、ホンダ スーパーカブのエンジンに載せ替え、トランスミッションも搭載しています。
より「公道を走行するカート」として完成度の高い仕様です。

人気YouTubeユーザーによる、廃材を利用した自作「公道を走行するカート」・製作ドキュメント。興味がある方は、ぜひpart1からご覧ください。

「公道を走行するカート」の事故と規制

公道カート
Marco Verch CC BY 2.0
出典 : https://www.flickr.com/

費用が安く、レンタカーほど煩雑な手続きを踏む必要がないことや、機動性と開放感が観光客に大人気となっているレンタル「公道を走行するカート」。手軽とはいえ、運転技術の伴わない走行による単独物損事故や、低い車体ゆえの他者からの見落とし接触事故が相次いでいます。

またその話題性から、利用者がコスプレをしてSNSに画像や動画を投稿するのも人気であり、運転中のスマートフォンの使用や、コスプレ衣装がタイヤに巻き込まれるなどの安全運転に支障をきたすことも懸念されています。

事故の原因の考察

公道仕様のレンタルカートとはいえ、その操作性は自動車と大きく異なります。レーシングカート程ではないにしろ、ステアリングはクイックであり、わずかな蛇角で大きく曲がるうえ、短いホイールベースは後輪がスライドしやすい構造です。

またタイヤが露出しているために、カート同士のタイヤが走行中に接触すれば、軽い車体は簡単に跳ね上げられてしまいます。普段慣れない左足ブレーキを強要するカートの構造上、いざというときにブレーキの反応の遅れと踏力不足を引き起こし、パニック時にはとっさにアクセルである右足を踏み込んでしまう恐れもあります。

死亡事故は時間の問題 進む法整備

東京都内で昨年3月27日から今年2月26日までに発生した事故は約50件。
死亡事故こそ発生していないものの、今後発生する可能性は時間の問題といえるでしょう。

そのため国土交通省では、今後販売される新車および既存車に尾灯の設置を義務化し、周囲から視認性を高める構造への改修や、フェンダー・ヘッドレスト・衝撃吸収機能を備えるハンドルなどの乗員保護の装備を求める法整備が進められています。

「公道を走行するカート」は迷惑?今後について

公道カート
Big Ben in Japan CC 表示 – 継承 2.0 / CC BY-SA 2.0
出典 : https://www.flickr.com/

その手軽さが魅力の「公道を走行するカート」ですが、それによる交通事故への懸念が社会問題にまで発展しています。
これまで事故を起こした利用者の多くが外国人であり、2020年の東京五輪・パラリンピックに向けて外国人観光客の増加に伴う、さらなる事故増加は想像にかたくありません。
また、問題は都心部だけでなく、地方の有名観光地でも起きています。
レンタルカートは便利な観光の足として利用されていますが、ゴミのポイ捨てや景観破壊などの観光公害が拡大し、利用車の高いモラルが求められているのが実情です。現在の法律では、「公道を走行するカート」にはヘルメットやシートベルトの装着義務がないため、わずかな接触事故でも大惨事に発展するおそれがあります。

交通事故の懸念から利用者のモラルの問題まで、大小さまざまな問題が山積みの「公道を走行するカート」。今後の法整備により、規制の強化は免れないでしょう。

車の法律の関する記事はこちら

執筆者プロフィール
MOBY編集部
MOBY編集部
新型車予想や車選びのお役立ち記事、車や免許にまつわる豆知識、カーライフの困りごとを解決する方法など、自動車に関する様々な情報を発信。普段クルマは乗るだけ・使うだけのユーザーや、あまりクルマに興味が...

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