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ケンドーコバヤシ×4代目クラウン:Vol.4「底まで落ちた己の地位」MOBYクルマバナシ

車は人生をともに過ごす仲間。”その車“にはどんな想いが詰まっているのだろう――。他の芸人とは一線を画する唯一無二のスタイルで、どんな時でも自分を貫き笑いに変えていく孤高のピン芸人。そんなケンドーコバヤシさんの車やドライブにまつわる話から、私生活まで存分に語っていただく、“MOBYクルマバナシ”。

【Profile】ケンドーコバヤシ1972年7月4日生まれ。大阪府大阪市出身のお笑い芸人。吉本興業所属。愛称はケンコバ。本名は「小林卍丸」や「鬼斬林虎殺丸」など諸説ある。
独自の世界観を持ち、嘘か真かわからない発言をよく繰り出す。プロレスやマニアックな漫画に精通しており、男性から絶大な人気を誇っている。ゴールデン番組でも平然と下ネタを言い放つが、ワイルドかつ愛らしいルックスと低音ボイス、紳士的な振る舞いから女性人気も高い。テレビのみならず映画やドラマでも活躍中。
愛車:4代目クラウン 2600スーパーサルーン

前回までのインタビューはこちら:
Vol.1「先輩芸人からの一本の電話」
Vol.2「快適性0!?の優雅な車」
Vol.3「経験豊富な古いものが好き!」

底まで落ちた己の地位

コバヤシさんがまだクジラクランを所有していなかった若手時代、著書で「焦りは感じていなかった」と書かれていましたが、実際はどうだったのでしょうか。

そうですね。「なんとかなるやろう」と。……というよりは「なんとかなるやろう」とも「なんともならないやろう」とも思ってました。この年齢になったらそうはいかないでしょうけど、若いときって健康じゃないですか。寝ずとも普通におれるし。死ぬことはないと思ってたんでしょうね。

当時はどういった生活だったのでしょうか?

夜にラーメンの麵だけ食べて、翌朝ラーメンの汁イッキして、胸やけで夕方まで耐えて。そんなのを繰り返してました。でもその頃はラーメン買えるだけ恵まれてる方ですよ。「俺もとうとうラーメン買えるようになったんや」って思ってましたもんね。もっと全然貧乏なときもありました。いまあんな状態になったら「死ぬかも」って思うんでしょうね。

その時はどうしていたのですか?

まー、ほんとに恥ずかしながら、コンビニのごみ箱を漁ってた時期ありましたからね。クリームパンのクリーム無いところが、捨てられてるのを拾って食べてましたからね。それでもあんまり焦ってなかったですね。

ただ若手なんで、なんていうんすかね。劇場レギュラーかけたリーグ戦がしょっちゅうあるんすけど。そんときだけ、ほんとに自分を笑かすためだけのネタを作って勝ち残ってましたけどね。ただ、そういうネタは芸人もやっぱ笑うんすよね。いつもやらないのに、急にそんなことするから。

その頃バイクは所有されていましたか?

その時期は『ヨンフォア』っていうホンダの古い中型バイクに乗ってたんです。もちろん好きは好きでしたけど、若手のときは地下鉄に乗るよりガソリンのほうが安かったんで、生活必需品っていう感覚でしたね。

また、よしもとって若手に厳しくて。かなり遠い営業先でも現地集合やったんで、その電車賃考えたらバイクは必須でした。

成人式の営業にバイクで乗り付けたときは、不安で仕方がなかったです。イキがったやつらにバイク倒されるんちゃうかって、パクられるんちゃうかって、ちょいちょい見に行ってましたもんね。

ドライブデートするとしたら、どういう女性がいいですか?

これはもうずっと共通してるんですけど、やっぱり優しい人がいいですね。人にやさしい人。

それはドライブデートに限った話じゃなくて、悪口言う人はよくないですよね。

そういった考え方は芸風にも表れているように思われます。

そうなんですよ。若手のときから「過激だ」とか言われることがあるんすけど、俺は己しか傷つけてない。己の地位はほんと「底まで落ちたな」とは思いますけどね。

そんなケンドーコバヤシさんが思う、芸人に一番必要な心意気とか気概とは何ですか?

これはねえ……あんまりよくない話かもしれないですけども「負け試合を飲める」というか。

これって芸人とだけ仕事していると気づかないんですけど、アイドルの方とか、俳優の方とかとも仕事することがあるじゃないですか。そういうとき負け試合を飲めない人が多いもんで「ああ、やっぱ芸人って心が広いな」って、そん時にいつも思うんですよね。でも、たまに俳優さんでも負け試合を飲める人もいて、そういう人はすごく好きですけどね。

「負け試合」とは、具体的にどういうことでしょうか。

「自分が恥かいて終われるかどうか」ってことですかね。それでみんなが笑ってくれるんやったらいい、ってなる人。

芸人だけと仕事してるときは、あんまり感じなかったんですけどね。たまに俳優さんにもそういう人がいて、「この人は自分を落として場を明るくできるんや」って思ったときに、そういえば芸人ってそれ出来てる人多いな。って。

やっぱり男なんで勝ちたいし、かっこよく終わりたいっていう欲望がある中で、「自分がかっこ悪いほうが、みんな盛り上がれる」と、そこ飲み込めるかどうかじゃないですかね。

自分も若手のときは、飲み込めてなかったと思うんですよね。

それはまだ大阪にいらしたころでしょうか?

そうですね。若いころは「あんまり恥かきたくないな」っていう気持ちも強かったなって。だから、「プライド捨てられるか」っていうより、「そこにプライド設定できるか」どうかですよね。場を盛り上げてこそプライドというか、どっかで“ビシっ”としてるっていうかね。

もっと上いってる人はそこに踏み込んでも大丈夫っていう。そこを踏み込むか、踏み込まないかっていうのは個人的には楽しんでますけどね。やっぱ大物であればあるほど、実はもっと踏み込んで来いよ。っていうサインをどっかで出してたりしてる。どこまで踏み込めんのかなっていう。個人的に、これはもうお客さんとか視聴者関係なく、個人の趣味としてやってますけどね。面白いです。それは。

「こいつには敵わない」と思った芸人さんはいますか?

芸人界で俺が一番やなって思ってたことがあって、それがペニスの横の広さ。長さはすごい奴が結構おっても、横の広さに関しては俺がナンバーワンちゃうかなって。そう思ってたんすけど、劇団ひとりがさらにすごかった。それはちょっと感心した覚えがありますね。

ちなみに長さでいったらほっしゃん。に勝てる人はいないと思います。あれはすごいですよ。赤ちゃんの腕くらいあります。業界ナンバーワンはアンガールズの田中とも言われてるんですけど、俺はほっしゃん。のほうがデカいんちゃうかなと思います。

でも身長差があるんで、実際に並んで夢の対決してもらわないとね。身長との対比でほっしゃん。がデカく見えるって可能性もあるんで。

「こいつはこれからくるんじゃないか。」という後輩芸人さんは誰ですか?

俺がめっちゃ面白いってずっと言ってるやつがいるんですよ。だから「ぜったいこない」と思ってます。

「虹の黄昏」っていうやつらなんですけど。保証してもいいです。ぜったいこない。とにかく無茶苦茶やるコンビなんですけど、バイきんぐの小峠がかわいがってるんですよね。そいつら。

以前、小峠さんに同じ質問をした際には、そのお名前は挙がりませんでした。

あー出てこなかったですか。そうなんですよ。小峠も「こない」と思ってるんですよ。俺も「こいつらはこないな」と思います。でも面白い。

いっとき深夜に、漫才でもコントでもピンでもいい『マンピンコン』って番組がやってて。リーグ戦で勝ち上がったやつがトーナメントやるみたいなのやってたんですけど、去年か一昨年か、「虹の黄昏」が全敗してたんで腹抱えて笑ってました。

いや、俺は正直「面白いな」と思ったんですよ。その状況だけじゃなく、ネタも面白かった。でも、「こないな」と。無茶苦茶やるタイプでいったら、野生爆弾がそうですけど、あいつらに対しては「くるな」「いつか面白さが届くやろな」と考えてましたからね。

だけど「虹の黄昏」には思わない。その分、倍増しておもろかったです。常に注目はしてます。

ケンドーコバヤシさんが芸人をやっていて、良かったと思うことはありますか?

意外と、常に思ってますけどね。芸人で良かったなって。

ある意味なにしてもいいっていうか。俺はよく風俗に行きますけど、「もし俺がジャニーズやったらできへんかったんやな」って。芸人って、ほんと自由。

天職とまでは言わないですけど、「なれてよかったな」とは常々思いますね。ほかの仕事、たとえば自分が女子高の教師やったら、すぐにクビになってそうですもんね。生徒に手を出すとかじゃなく、普段の行動でだいぶ注意されてるでしょうし。

極貧の若手時代、自分を信じその芸風を貫き通すその姿勢は、聞いていてドキドキしました。プライドをどこに設定するか。笑いのために、己の地位を底まで落とせる芸風には脱帽です。

次回、2018年5月20日に公開予定、ケンドーコバヤシさんの“MOBYクルマバナシ”最終話「まずはリングにあがれ!」では、車の失敗談から今欲しい車まで語っていただきます。どうぞお楽しみに!

前回までのインタビューはこちら
Vol.1「先輩芸人からの一本の電話」
Vol.2「快適性0!?の優雅な車」
Vol.3「経験豊富な古いものが好き!」

取材:米永豪、三浦眞嗣
撮影:佐藤亮太
文:MOBY編集部

【出演者一覧】インタビュー特集はこちら!

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