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【被害拡大】スマートキーへのリレーアタック盗難とは?手口と対策について!

スマートキー車両を狙ったリレーアタックという手口の盗難が欧州で相次いでいます。リレーアタックとはどんな盗難方法なのでしょうか。またその対策はどうしたら良いのでしょうか。リレーアタックに関する疑問にお答えします。

リレーアタック盗難とは?

リレーアタックの概要動画

あるべきはずの場所に、自分の車がない。
肝を冷やす思いとともに、これは夢ではないかと薄れる現実感。
自動車盗難に見舞われた際には、そのような感慨を抱くと思われます。

利便性と防犯性を兼ね備えたスマートキーの普及により、自動車盗難が減少すると思われた昨今ですが、「リレーアタック」という新たな自動車盗難の手口が世界規模で横行しつつあります。
リレーアタック盗難とは、スマートキーと車両が発する微弱電波を増幅・送信して、あたかもそこにスマートキーがあるように車をだますことで、難なく車を盗み出すことができる恐るべき手口です。

スマートキーとは?

リモコンキー 女性

スマートキーとは、従来の鍵やキーレスエントリーのように鍵穴に差し込む必要も、ボタンも押す必要もなく、持っているだけでドアの施錠、解錠、エンジンスタートが可能になる電子キーです。
2000年頃から普及し始め、2010年以降に生産されたほとんどの車に搭載されるようになりました。
スマートキーはトヨタでの呼び名。
日産はインテリジェントキー、マツダならアドバンストキー。
メーカー各社で呼び名は違いますが、おおむね同じような仕組みをしています。
車両とキーは常に約1m圏内で超短距電波を発信しており、車両とスマートキーが通信できる距離まで接近し、認証IDが一致した場合のみロックを解除し、エンジンスタートができる仕組みです。

スマートキーを分かりやすく説明すると

スマートキー搭載車両は、周囲に向けて常に合言葉を問い続け、スマートキー自身は常にその合言葉の答えを発し続けているのです。
しかも、その合い言葉はとても複雑な言語なので、偽造することは不可能です。
合言葉が届いたときにだけ、ドアロックが解除されエンジンがかかるという仕組みです。
このやりとりがスマートキーに内蔵されたイモビライザーという万全なセキュリティシステムです。
しかし、そのシステムの万全さゆえに、窃盗団はリレーアタックというイモビライザーを無効化する手口を考え出したのです。

車のスマートキーについてはこちら

リレーアタックその具体的手口

リレーアタックの具体的な手順を説明した動画。

リレーアタックには2人以上の協力と、車両とスマートキーが発する微弱電波を受信し増幅、送信する機器が必要になります。
スマートエントリーに使用される電波はテレビ放送や無線LANで使用されている電波と同じものなので、電波通信の知識さえあれば数千円の部品代で作れてしまうものです。
この通信機器を用い、電波を増幅器によってリレーさせることで、離れた場所でも車両とスマートキーの電波通信を可能としてしまうのがリレーアタックです。

機器を作動させ、一人が車の前で待機し、もう一人がスマートキーの持ち主の近くにいれば、車はすぐそばにスマートキーがあると認識してまいます。
その状態でドア解錠スイッチを押せば、車両が発した認証確認の電波信号が、増幅器を介して持ち主のスマートキーに伝わり、スマートキーは増幅器を介して認証IDを車両に伝えます。
車はドライバーとスマートキーが近くにいると認識し、ドアロックは外れ、いとも簡単に車内へ侵入することができてしまいます。
同様にその状態でエンジンスタートボタンを押せばエンジンは何の問題も始動し、車が持ち出されてしまうという一連の流れがリレーアタック盗難の具体的な手口になります。

リレーアタックの被害

驚く女性

リレーアタックと思われる盗難は、主に欧州で被害が拡大しています。
しかし、スマートキーそのもので解錠するのとなんら変わりがないため、事件の証拠が残りにくく、実体の把握ができていないのが現状です。
それに輪をかけるように、中国でリレーアタック用の機材が流通し始めているという情報があり、被害は今後さらに拡大すると予想されます。

日本では、2013年に中部地方で起きた外国人窃盗グループによる大型SUVの大量盗難事件が発生していますが、これは中国でイモビライザーを解除する装置の流通直後の事件です。
リレーアタック用の機材が本格的に出回れば、いつ再び大量盗難事件が発生してもおかしくない状況です。

リレーアタックによって盗難された車はどうなる?

お金 夜景 東京タワー

©iStockphoto.com/ F3al2

盗難された車はキーがない状態ですが、エンジンを切るまで走り続けることができます。
安全な場所まで運び、スマートキーがなくても扱えるように細工を施し、ナンバープレートやコーションプレートを偽造してしまえば、盗難車として発見されることはほとんどありません。
それでも、国内で使用や販売することは盗難車発覚のリスクが高いので、多くの場合はすぐに海外へ輸出されるか、分解して部品単位で販売されることになります。
また、別の犯罪に使用されるケースもあります。

リレーアタックで盗難されやすい車ワースト3

第1位 トヨタ プリウス

トヨタ プリウス 3代目

第2位 トヨタ ハイエース

トヨタ ハイエース ワゴンGL 2WD 2700ガソリン

第3位 トヨタ ランドクルーザー

トヨタ ランドクルーザー プラド 2017マイナーチェンジ

高い燃費性能を誇るトヨタのハイブリッドカーは海外でも高い人気があります。
また、高い走破性と多用途に使えるSUVやバンは、道路整備が未熟な新興国で絶大な需要があります。
法整備も行き届いていない新興国などは、盗難車として発見されることがほぼないため、そのほとんどが新興国へと輸出されます。

ワースト3の全ての車がトヨタ車なのは、メカニズムへの高い信頼性のためでしょう。
トヨタは2013年以降にモデルチェンジをした車両にリレーアタック対策を施していると発表しています。

盗難されやすい車についてはこちら

リレーアタック対策

リレーアタックを防ぐ4つの方法をご紹介します。

不審人物に注意!

ストーカー 不審者

スマートキーの微弱電波は1mほどしか届かないため、その電波を受信するためにはスマートキーの持ち主に近づく必要があります。
妙に近づいてくる怪しい人物がいたら要注意です。

電波を遮断

電波遮断ポーチ リレーアタック 対策

電波を盗まれないためにスマートキーの電波を遮断するという方法もあります。
電波遮断ポーチというものが販売されており、金属製のシートでスマートキーが発する電波を遮断する構造を持つ商品です。
アルミ箔でスマートキーをくるんだり、缶の中にスマートキーを入れても同様の効果があります。
スマートキーの利便性は犠牲になりますが、リレーアタックに対して効果的な方法といえます。

セキュリティを追加する

ユピテルGrgoの動作説明の動画

自動車メーカーがリレーアタック対策にてを焼いている最中、セキュリティ機器メーカーは、いち早く対策商品を販売しています。
VIPER(バイパー)、HONET(ホーネット)やCLIFFORD(クリフォード)、ユピテルGrgo(ゴルゴ)などの有名なセキュリティ商品は、スマートキーとは独立したセキュリティシステムを追加することで、リレーアタックに有効な対策となります。

ハンドルロック タイヤロック

ハンドルロック

自転車の防犯チェーンのように、ステアリングを鍵付きのバーでロックしてしまうという手もあります。
また同様に、ホイールをロックして走り出せないようにする商品もあります。
とはいえ、プロの窃盗団が本気を出せば強靱なハンドルロックですら数分で解除してしまいます。
犯行を完全に防ぐことはできませんが、犯行に時間をかけさせることで、犯行をあきらめさせる効果が期待できます。
犯行時間は長くても10分。
アナログの防犯グッズが意外にも効果的です。

リレーアタック盗難されたときのためにしておきたいこと

自動車保険

©shutterstock / Sychugina

盗難保険へ加入する

車が盗難され、無事に戻ってきたというケースは非常に稀です。
そのため盗難保証の付いた車両保険に加入することをおすすめします。
ただし、保証の上限額があったり、ドライバーの過失があると保証が受けられないというケースもあるようです。
ご加入中の保険会社に問い合わせてみましょう。

GPS追跡装置を取り付ける

車にGPS(衛生測位システム)を搭載し、万が一盗難にあっても、車の位置を調べられるというサービスもあります。
セコムが展開するココセコムは、月々900円〜の料金で車をGPSによる監視下に置くことができます。
※別途、加入料と機器料金が発生します。

リレーアタックされされないためには知識をつけよう!

車のセキュリティのイメージ画像

©iStockphoto.com/ Jirsak

リレーアタックは、スマートキーの高い防犯性を直接破るのではなく、むしろそれを逆手に取った驚くべき手法です。
このようにメーカーがセキュリティを強化するたびに、窃盗グループはそれを破る方法を見つけだすイタチごっこが自動車盗難の実状です。
メーカーだけに責任を押しつけるのには限界があります。
最終的にはカーユーザーによる、自主的な盗難対策が非常に重要となります。
一人ひとりの防犯意識が高まれば、窃盗グループは自動車盗難がしづらくなり、やがては完全な撲滅も可能になるのではないでしょうか。
「まさか自分の車が盗難されるわけがない」とは思いこまずに、本記事でご紹介した知識を取り入れていただき、意識と車のセキュリティレベルを一段階上げてみてはいかがでしょうか。

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