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レクサスLFAのエンジンはLSからどう変わった?エンジン音やヤマハとの開発経緯も

限定500台のスーパーカ―・レクサス LFAに搭載される専用設計のエンジンについて特集します。ヤマハと共同で作り上げたLR型エンジンは、他のどのスーパーカーとも違う強烈な音が特徴です。一体どんな音がするのでしょうか。また、レクサスLSシリーズのエンジンとどう違うのでしょうか。

レクサス LSシリーズとは

まずは、レクサスLFAが登場する前のフラグシップモデルであるレクサスLSシリーズが生まれた当時の状況について少し触れます。

1980年代までの北米の高級車市場は、キャデラックやリンカーンなどの北米メーカーや、メルセデス・ベンツやBMWなどの西ドイツメーカーの独断場でした。
対する日本メーカーはまだまだ大衆車メーカーの域を脱することができず、北米の高級車市場に割って入る余地はないと思われていました。

しかし、トヨタがマーケティングを行なっていくうちに、日本特有の「おもてなしの心」で静粛性や快適性、高品質を追求すれば新規参入の余地があると分かりました。
そこで、北米の高級車市場への本格的な参入を目指して開発されたのがレクサスブランドのLSというシリーズです。

1989年に発売されたレクサス LSシリーズは、トヨタのもくろみ通り北米マーケットで大人気となり、レクサスブランドの礎を築くことに成功しました。
LSシリーズには「UZ-FE」という形式の4L以上の大排気量V8エンジンが搭載され、その完成度の高さは大変高く評価されました。

レクサス LSに関する最新情報はこちら

究極の国産スポーツカー・レクサスLFA

レクサスLFA

2000年頃、トヨタ自動車の社内にて「究極の国産スーパーカーを作る」という計画が持ち上がりました。
それまでにも国産ス―パーカーとしてはホンダのNSXがありましたが、トヨタはそれを超える「世界超一級レベルの運動性能と超一流の感性と官能を持ち合わせるスーパースポーツカー」の開発を目指し、レクサスLFAの開発をスタートしました。
開発は世界一過酷なサーキットとして知られる、ドイツのニュルブルクリンクで実走テストを繰り返して行われました。

長年の開発を経て2009年、東京モーターショーでついにレクサスLFAの市販仕様車が発表されました。
0-100km/h加速は3.7秒、最高速度は日本車の最高速度となる325km/h超、500台の限定販売という、日本の自動車メーカーとしては初の本格的なスーパーカーがデビューしたのです。

レクサスLFAについては、レクサスのオフィシャルビデオをご覧ください。

レクサスLFAについて詳しくはこちら

レクサスLFAのエンジン

LFAに搭載される1LR-GUE型エンジン

レクサスLFAの開始当初は、LSに採用されているUZ-FEエンジンをベースに開発することも考えられていました。
しかしトヨタが2002年からF1に参戦することになり、レクサスLFA用に当時のF1の規格であったV型10気筒エンジンを新規開発して搭載することになりました。

基本的にエンジンサウンドは、気筒数が少ないと低く、気筒数が増えるほど甲高い音になります。
V8ではなくV10が採用されたことは、LFA独自のサウンドへ大きく影響することになります。

実際にV8エンジンとV10エンジンのサウンドの違いを聴き比べてみましょう。

2005年 トヨタF1のV10サウンド

2009年 トヨタF1参戦最後の年となったV8サウンド

V8サウンドの方が明らかにエンジン音が低いのが分かるでしょうか。

もし、LSシリーズのV8エンジンをバージョンアップしたものがLFAのエンジンに採用されていれば、むせび泣くようなLFAサウンドは実現しなかったはずです。

ヤマハ発動機との共同開発

実は、トヨタ自動車とヤマハ発動機との関係は長年に渡ります。
古くは1960年代、トヨタ2000GTを共同開発したことに始まり、セリカやクラウン、マークXなど、多くの車種のエンジンを共同開発しています。
ヤマハ発動機も2輪のみならず4輪のモータースポーツとの関わりは古く、1990年代にはF1エンジンを供給するほど高い技術を持っています。

レクサスLFAに搭載されるLR型のV10エンジンは、ヤマハやトヨタモータースポーツ部門の、かつてのグループCカー用エンジンやF1エンジンの開発技術を持つ技術者たちによって開発された、レクサスLFA専用設計のハイパフォーマンスエンジンです。
主に、ハードウエア開発はヤマハ発動機、電子デバイスや制御システム開発をトヨタ自動車がそれぞれ担当しました。
そこにはドライサンプ潤滑方式や燃焼室の3次元加工、チタン製バルブなどの様々な技術的工夫が凝らされています。

さらに、LFAのエンジンの特筆すべき点は、エンジン音への徹底的なこだわりです。

ヤマハと自動車の歴史について詳しくはこちら

音に徹底的にこだわったエキゾーストシステム

レクサス LFA

© MOBY

サウンドを消すのではなく「美しい音として響かせる」という開発コンセプトは、これまでの国産スポーツカーになかったものです。
それを実現するためトヨタの協力会社・三五は、「楽器作りにも似た手探りの作業(三五の技術系担当者談)」を行いました。

どのスーパーカ―にもないLFA独自のサウンドを作り出すため、フォルマントと呼ばれる音声学に基づく分析が使われました。
フェラーリやポルシェ、英アストンマーチンなど海外のスポーツカー約10台の排気音を周波数別にマッピングし、その中にない音を探し出し、LFA用に設定したのです。

また、車体の下を走る排気管の配置も特別なものです。
通常の車は車体開発が優先され、排気管のレイアウトの優先順位は次点です。
そのため、すでに配置されている他の部品のすき間を縫ってくねくねとレイアウトされる場合が多いのですが、そうすると音がきれいに響きません。
そこでLFAの場合は、排気管を曲げないように他の部品が配置されるという異例のレイアウトになっています。

排気管(マフラー)についてはこちら

楽器メーカーのヤマハともコラボ

ヤマハ ピアノ

もう一つ、徹底したこだわりの音を実現させるため、楽器メーカーのヤマハ株式会社ともコラボを行いました。
ヤマハの音響技術を駆使し、次のような工夫が払われています。

1.吸気系に設けられたサージタンクを“音の放射体”として利用
これによって、エンジンの回転数に応じて最も心地よい周波数の音が響くように設計されています。

2.耳障りなノイズではなくつややかなサウンドにする設計
サージタンク・エンジンルームからの音を車内に導入するにあたり、ダッシュボードの開口部に音響調整板を設けるなど工夫を行いました。
それによりエンジン音が耳障りなノイズにならず、つややかなサウンドとしてドライバーの耳に届くよう設計されています。

3.リアルタイムにエンジン音を変化させる「エンジン音加工ツール」を開発
サウンドデザインにおいて、実走行状態でリアルタイムにエンジン音を変化させることができるシステムである「エンジン音加工ツール」を新規に開発し、採用しました。
これによって、関係者間で目標イメージを共有しながらサウンドデザインを進められたということです。

そのような工夫が凝らされた結果、この動画のように大変迫力のある音が味わえます。

トヨタ・LRエンジンの官能的な音

このようにしてヤマハとの共同開発により、LSシリーズのV8エンジンとは全く異なる、LFA専用設計のV10エンジンが誕生しました。
では、レクサスLFAのLR型V10エンジンの官能的な排気音を聴いてみましょう。

実際、トヨタのエンジンの形式番号が全く異なることからLFA専用設計であることがわかります。
LEシリーズのエンジンは「UZ-FE」という型番で、1UZ-FE、2UZ-FE、3UZ-FEの3種類です。
対してLFAに搭載されるエンジンは「1LR-GUE」という型番です。

レクサスLFAは他のどのスーパーカーとも異なるサウンド、レーシングカーやV10時代のF1エンジンにも似た、クリアで気持ちをたかぶらせる音が特徴です。
それはまさに、最高級の楽器の奏でるミュージックとも言えるものではないでしょうか。

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この記事の執筆者

井上 大この執筆者の詳細プロフィール

スポーツカー、モータースポーツ関連の情報を得意とする、フィリピン・セブ島在住のライターです。好きなレーサーはM.ハッキネン、J.ビルヌーブ、F.アロンソ、ひいきのF1チームはロータス(現在のルノー)、自動車メーカーは国内:スバル、海外:ロータスがお気に入りです。MOBYではジャン...

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