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ワイヤースポークホイールとは?取り付け方や車検での注意点からおすすめメーカーまで

幾重もの金属線でタイヤを支えるワイヤースポークホイールは、軽量、高剛性でありながら、しなりを利用して振動や衝撃を吸収する独自の構造をしています。アメリカンローライダーやブリティッシュスポーツカーによく似合う美しいデザインのワイヤースポークホイール。その特徴と取り付け方や車検での注意点を解説します。

ワイヤースポークホイールとは?

一般的な自転車のホイールは、ホイールのセンターハブとリムが幾つもの細い金属線でつながれたホイールが採用されています。
この形状のホイールをワイヤースポークホイールといいます。
かつては車用のホイールとして多くのワイヤースポークホイールが販売されていました。
バイクでは現在もクラシックモデルでの採用例がありますが、ワイヤースポークホイールが装着された車は、現在ではほとんど見ることができないほど希少なものとなっています。
クラシカルな雰囲気を漂わせ、往年のブリティッシュスポーツカーやアメリカンローライダーをイメージさせるワイヤースポークホイールの魅力と注意点について解説します。

ワイヤースポークホイールの歴史

ワイヤースポークホイールの原型が誕生したのは1910年ごろ。
自動車誕生初期の低いサスペンション性能をカバーするために開発されました。
ワイヤースポークホイールの最大の特徴は、荷重をかけるとハブとリムをつなぐ細い金属線がしなり、サスペンションとして機能し、滑らかな乗り味をドライバーに与えます。
当時主流だったスチールディスクホイールよりも軽く、高剛性を誇るワイヤースポークホイールは、その高機能性から当時のレーシングカーに積極的に採用されました。
さらに、その見た目の美しさから、迎賓用の車やスポーツカーなどにも採用されることが多くありました。
そして、ワイヤースポークホイールのブームはアルミホイールが誕生する1950年ごろまで続くことになります。

ワイヤースポークホイールのメンテナンス

ワイヤースポークホイールの特徴は軽量、高剛性、高機能性です。
しかし、その高性能を維持するためには定期的なメンテナンスが必要です。
ワイヤースポークホイールはそのワイヤーの張力でタイヤを支えますので一部のワイヤーの張りが強すぎる、あるいは弱すぎると、ホイールは歪んでしまいます。
どんなに精度よく作られたワイヤースポークホイールでも真円を保つためには、熟練技術によりワイヤーの張りを調整する必要があります。
ワイヤーの錆や腐食が張り具合に影響を与えることもあり、歪んだホイールではウェイトのよるホイールバランスも上手く出すことができません。
ワイヤースポークホイールの高性能は、多大なコストと維持費がかかるため、ほぼメンテナンフリーといえるアルミホイールが乗用車の高性能ホイールとしてとって代わるようになりました。

ワイヤースポークホイールの空気漏れ

ワイヤースポークホイールは、経年使用によるリム部の歪みからタイヤの空気が漏れやすいホイールです。
さらにワイヤースポークホイールのリム裏に設けられた、ワイヤーを固定する基部周りからも空気が漏れやすく、気密が保たれているかチェックしたいポイントです。
かつては車でも自転車のような空気チューブ入りのタイヤがつかわれていました。
チューブタイヤならホイールが歪んでもチューブ内の空気は漏れませんのでパンクはしないのですが、現代主流になっているチューブレスタイヤではホイールの歪みや気密劣化が、即パンクの原因になってしまいます。

タイヤの空気圧についてはこちら

ワイヤースポークホイールは現代の車には不向き?

コンパクトカー

©Shutterstock.com/Trimitrius

高機能、高剛性を誇ったワイヤースポークホイールですが、それは過去の話。
かつてよりも大幅に車重やパワーが増し、ホイールオフセット値も変わってきている現代の車にはワイヤースポークホイールは向かないホイールであるといえます。
それでも、その機能性や見た目の美しさから、熱烈なファンが多いのも事実です。
ネットオークションで意外なほど高値で取引されているのが、それを裏付けます。

ワイヤースポークホイールの取り付け方

ワイヤースポークホイールの交換動画

ワイヤースポークホイールの取り付けには、ほぼセンターロック方式を採用されます。
ワイヤー基部が存在するワイヤースポークホイール中央部には、通常の複数本によるホイールナット穴を設けるスペースが取りづらいことから、省スペースで取り付けられるセンターロック方式が採用されます。

ローライダーによく見られるスピンナーを使ったノックオフ・センターロックの取り付け方を解説します。

まず通常のハブにワイヤースポークホイールを取り付ける場合、ホイールのほかにタワーと呼ばれる、いわばセンターロック用ハブチェンジャーとそれに対応したスピンナーナットを用意する必要があります。
タワー、スピンナーはそれぞれのホイールメーカーによって形状が違うので、ホイールに合わせたタワー、スピンナーを用意しましょう。

ワイヤースポークホイールの取り付けは、特に難しいことはありません。
タワーにホイールを差し込み、スピンナーの羽根部分を専用の鉛ハンマーで叩いて締め付けるだけです。
ホイールナットが一つだけなので、大きなトルクで締め付けることになります。
数値にすれば60kgf~80kgfものトルクで締め付けるので、トルクレンチを使う場合はトラックで使うような巨大なレンチを用意しなければいけません。

ワイヤースポークホイールの車検は通る?

多くのワイヤースポークホイールは鉄製のため、車検は通ります。
しかし、センターロック方式として製造された車以外のセンターロック方式が認められないため、タワー等を使った後付けのセンターロック式ワイヤースポークホイールでは車検は通らないことになります。
もちろん、フェンダーからはみ出したスピンナーや、スピンナーの羽根部分が突起物と判断されても保安基準適合外です。
残念ながら多くのワイヤースポークホイールは車検は通すことができないのです。

センターロック方式でない複数本のナットで固定するワイヤースポークホイールならば車検でも問題ありません。
初代マツダ ロードスターには純正オプションで、ナット4本で取り付けるワイヤースポークホイールが選べました。

世界を代表するワイヤースポークホイールメーカー

ワイヤースポークホイールはフォルテクスやワイザーというメーカーを筆頭に、多くのメーカーが製造販売していました。
しかしワイヤースポークホイールの需要の低下とともに各メーカーは生産中止をせざるを得なくなり、現在では世界でもほんの数社が販売するのみにとどまっています。

現在のワイヤースポークホイールメーカーの代表2社をご紹介します。

イタリアンクラシック ボラーニ

イタリアで長きに渡ってワイヤースポークホイールを造り続けてきたカルロ・ボラーニ社。
フェラーリ、マセラティ、アルファロメオなどにホイールを供給し、F-1でも大きな功績を残しています。
ボラーニという会社はもう存在しませんが、かつてボラーニ社の職人が集まり、現在も受注生産でワイヤースポークホイールを造り続けています。

ローライダー御用達 デイトンワイヤーホイールズ

車用を始め、二輪車用ののワイヤースポークホイールも製造する創業100年の老舗ワイヤースポークホイールメーカーです。
世界中の自動車に向けてワイヤースポークホイールを生産していますが、特にローライダーホイールとして人気が高く、さまざまなデザインのスピンナーナットやセンターチップなども販売しています。

ワイヤースポークホイールからカーボンホイールへ

軽量かつ高剛性でありながら、ワイヤーのしなり利用して振動や荷重を吸収するワイヤースポークホイール。
かつては高性能と謳われたホイールですが、大きく様変わりした現代の車にマッチするホイールとは言いがたいのも事実です。
しかし、その機能は炭素繊維樹脂製の次世代ホイールであるカーボンホイールに受け継がれます。
カーボンは、その製作過程で硬くも柔らかくも作ることができます。
ワイヤースポークホイールよりも高いレベルで、柔軟性と軽量、高剛性を両立させたホイールを造ることも可能になることでしょう。
しかし、カーボンホイールがどんなに高性能であろうとも、ワイヤースポークホイールの幾重もの金属線が織りなす光の綾はワイヤースポークホイールにしか出せない美しさです。

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